「さくらの日」にちなんで……樹木医の和田博幸さんが登場
- 2022/03/27
樹木医の和田博幸さんをお迎えして
宇賀「今日、3月27日は『さくらの日』。どうしてか分かりますか?」小山「全国各地で桜が咲き始めるから?」
宇賀「だいたいこのくらいで咲くところが多いかもしれませんが、実は、さくら、39(さく)、3×9=27……だからだそうです! というわけで、今週は樹木医として桜の木をいくつも診て来られた和田博幸さんをお迎えしました」
小山「樹木医という職業を初めてうかがいました。結構いらっしゃるんですか?」
和田「認定されている人数は3,200人くらいだったと」
小山「国家試験みたいなものがあるんですか?」
和田「国家試験ではなくて、日本緑化センターという民間の財団があってそこが認定する事業です。我々はそこで認定されたという者です」
宇賀「どういうお仕事なんですか?」
和田「身近にある樹木、公園であったり街路樹であったり、個人のお宅。あとは神社だとかお寺だとか、天然記念物に指定されている樹木。そういったものを保全していきましょう、というのが主な仕事です。あとは、緑に親しむような普及、啓発的なことをやっていく活動もしています」
小山「和田さんは樹木医の中でもスーパードクターとして全国を飛び回っていらっしゃると。どこかの由緒ある木が危ない、という時は診に行ったりされるんですか?」
和田「山高神代桜という桜があって、これがいちばん古い桜なんですね。それの樹勢回復を担当して、もう20年ほど前でかなり具合が悪かったんですけど、いまは立派に再生して。それをいろいろな方に取り上げていただいているので、そんな呼び方をされているんだと思います」
小山「それはどこにある桜なんですか?」
和田「山梨県北杜市です」
小山「樹齢はどのくらいですか?」
和田「樹齢は2000年と言われています」
小山「樹齢2000年の桜で、花は今も咲くんですか?」
和田「綺麗に咲いています」
宇賀「桜の木の寿命はどのくらいなんですか?」
和田「樹木でいうと、寿命は概念としてないんですね。例えば挿し木だとか接木をしたりすると、今まで根でなかったところから根が出てきたり、細胞が変わることができるんですね。常に入れ替わりができるから、動物とは違って寿命というのはないんです。ただ、そこに植えた環境によって木が傷んでしまったりということや、病気になって枯れるということもあるので。人が作った寿命みたいなものだと思います」
小山「和田さんが樹齢2000年の桜を蘇らせた時は、どんなことをされたんですか?」
和田「根を調査したら、ネコブセンチュウ病という病気にかかっていたんですね。水や養分の吸い上げが悪くなってしまって、枝が枯れてくる症状だったんです。そこで委員会を組織しまして、委員の皆さんに僕らが調査したことのデータをお渡しして、意見交換をしてもらって。結局は4年間かけて、根元の土を全部入れ替えましょう、ということになりました。その工事を地元の樹木医さんと一緒になってやって。最初の10年くらいは、良くなったか悪くなったかわからないんですけども、やがて地元の皆さんも夏の暑い日は水をかけてあげたりだとか、いろいろ参加してくれることになって。そうしましたら、徐々に木の勢いが盛り返してきて今は立派になっています」
宇賀「いちばんやりがいを感じるのはどんな時ですか?」
和田「先ほどお話しした山高神代桜の話ですと、やはり蘇って花が綺麗に咲いて、大勢の方に『ああ、よくここまでなったね』というような言葉が聞こえてくるようになると、やったなという感じがします」
小山「やっぱり満開の時が好きですか?」
和田「綺麗さからいうと、咲き始めの五分にならないぐらいの時がいちばん綺麗ですし、散り始めのはらはらと花びらが落ちる姿、これもなんとも言えない風情があって好きです」
宇賀「和田さんにとって桜はどんな存在ですか?」
和田「難しいんですけど、桜は日本人がすごく昔から慣れ親しんだ樹木であるし、関東地方近辺は4月の年の変わり目の時に咲いて、それぞれの方の心の中に染み込んでいるものだと思います。それとは違って、八重咲きの桜ってありますよね。古い時代から作られてきた八重咲きの桜というのがあるので、これは1つの文化財、芸術品だなと思っているので、そういうのを見るのも1つの楽しみと感じています」
小山「和田さんご自身が桜の木や植物から学んでいることはありますか?」
和田「植物は自分で移動ができない分、その環境下で自分の体を変えていったり、対応を変えていったりしなければいけないんですね。その見事さがあるな、とは思います」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、これまで書いたり、受け取ったりした中で印象に残っているお手紙はありますか?」
和田「中学生の頃や高校生の時にラブレターを、なかなか勇気がなくて書けなかったので……なんとなくそれを匂わすような手紙を書いた思い出があります」
宇賀「匂わす?」
小山「桜の花びらを入れたりとか……?」
和田「その頃はまだ(笑)」
小山・宇賀「(笑)」
宇賀「今日は、『いま手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いていただいているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
和田「コノハナノサクヤヒメという日本神話に出てくる姫様に宛てた手紙です」
小山「どんなお姫様なんですか?」
和田「桜という語源の一つに、コノハナノサクヤヒメのサクヤが転じて“サクラ”になったという説があるんですね。桜とすごく縁が深い方なので、その方に宛てた手紙を書きました」
和田さんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聴きください(4月3日まで聴取可能)。
宇賀「今回の放送を聞いて、和田さんへお手紙を書きたい、と思った方もいらっしゃると思います。ぜひ番組にお寄せください。責任を持って、ご本人にお渡しいたします。【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 和田博幸さん宛】にお願いします。
樹木医の和田博幸さん、ありがとうございました!
和田「認定されている人数は3,200人くらいだったと」
小山「国家試験みたいなものがあるんですか?」
和田「国家試験ではなくて、日本緑化センターという民間の財団があってそこが認定する事業です。我々はそこで認定されたという者です」
宇賀「どういうお仕事なんですか?」
和田「身近にある樹木、公園であったり街路樹であったり、個人のお宅。あとは神社だとかお寺だとか、天然記念物に指定されている樹木。そういったものを保全していきましょう、というのが主な仕事です。あとは、緑に親しむような普及、啓発的なことをやっていく活動もしています」
小山「和田さんは樹木医の中でもスーパードクターとして全国を飛び回っていらっしゃると。どこかの由緒ある木が危ない、という時は診に行ったりされるんですか?」
和田「山高神代桜という桜があって、これがいちばん古い桜なんですね。それの樹勢回復を担当して、もう20年ほど前でかなり具合が悪かったんですけど、いまは立派に再生して。それをいろいろな方に取り上げていただいているので、そんな呼び方をされているんだと思います」
小山「それはどこにある桜なんですか?」
和田「山梨県北杜市です」
小山「樹齢はどのくらいですか?」
和田「樹齢は2000年と言われています」
小山「樹齢2000年の桜で、花は今も咲くんですか?」
和田「綺麗に咲いています」
宇賀「桜の木の寿命はどのくらいなんですか?」
和田「樹木でいうと、寿命は概念としてないんですね。例えば挿し木だとか接木をしたりすると、今まで根でなかったところから根が出てきたり、細胞が変わることができるんですね。常に入れ替わりができるから、動物とは違って寿命というのはないんです。ただ、そこに植えた環境によって木が傷んでしまったりということや、病気になって枯れるということもあるので。人が作った寿命みたいなものだと思います」
小山「和田さんが樹齢2000年の桜を蘇らせた時は、どんなことをされたんですか?」
和田「根を調査したら、ネコブセンチュウ病という病気にかかっていたんですね。水や養分の吸い上げが悪くなってしまって、枝が枯れてくる症状だったんです。そこで委員会を組織しまして、委員の皆さんに僕らが調査したことのデータをお渡しして、意見交換をしてもらって。結局は4年間かけて、根元の土を全部入れ替えましょう、ということになりました。その工事を地元の樹木医さんと一緒になってやって。最初の10年くらいは、良くなったか悪くなったかわからないんですけども、やがて地元の皆さんも夏の暑い日は水をかけてあげたりだとか、いろいろ参加してくれることになって。そうしましたら、徐々に木の勢いが盛り返してきて今は立派になっています」
宇賀「いちばんやりがいを感じるのはどんな時ですか?」
和田「先ほどお話しした山高神代桜の話ですと、やはり蘇って花が綺麗に咲いて、大勢の方に『ああ、よくここまでなったね』というような言葉が聞こえてくるようになると、やったなという感じがします」
小山「やっぱり満開の時が好きですか?」
和田「綺麗さからいうと、咲き始めの五分にならないぐらいの時がいちばん綺麗ですし、散り始めのはらはらと花びらが落ちる姿、これもなんとも言えない風情があって好きです」
宇賀「和田さんにとって桜はどんな存在ですか?」
和田「難しいんですけど、桜は日本人がすごく昔から慣れ親しんだ樹木であるし、関東地方近辺は4月の年の変わり目の時に咲いて、それぞれの方の心の中に染み込んでいるものだと思います。それとは違って、八重咲きの桜ってありますよね。古い時代から作られてきた八重咲きの桜というのがあるので、これは1つの文化財、芸術品だなと思っているので、そういうのを見るのも1つの楽しみと感じています」
小山「和田さんご自身が桜の木や植物から学んでいることはありますか?」
和田「植物は自分で移動ができない分、その環境下で自分の体を変えていったり、対応を変えていったりしなければいけないんですね。その見事さがあるな、とは思います」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、これまで書いたり、受け取ったりした中で印象に残っているお手紙はありますか?」
和田「中学生の頃や高校生の時にラブレターを、なかなか勇気がなくて書けなかったので……なんとなくそれを匂わすような手紙を書いた思い出があります」
宇賀「匂わす?」
小山「桜の花びらを入れたりとか……?」
和田「その頃はまだ(笑)」
小山・宇賀「(笑)」
宇賀「今日は、『いま手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いていただいているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
和田「コノハナノサクヤヒメという日本神話に出てくる姫様に宛てた手紙です」
小山「どんなお姫様なんですか?」
和田「桜という語源の一つに、コノハナノサクヤヒメのサクヤが転じて“サクラ”になったという説があるんですね。桜とすごく縁が深い方なので、その方に宛てた手紙を書きました」
和田さんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聴きください(4月3日まで聴取可能)。
宇賀「今回の放送を聞いて、和田さんへお手紙を書きたい、と思った方もいらっしゃると思います。ぜひ番組にお寄せください。責任を持って、ご本人にお渡しいたします。【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 和田博幸さん宛】にお願いします。
樹木医の和田博幸さん、ありがとうございました!
#手紙にしよう
様々なポストカードを無料でダウンロードできる「#手紙にしよう」では、桜の開花に合わせたポストカード「桜の花束のデザイン」と「桜の花束のデザイン」の2種類が更新されています。お手紙を受け取った人が、桜のイラスト部分を切り取ることで、ポストカード越しに春を探して楽しむことができるデザインになっています。イラストレーターのソリマチアキラさんに担当していただきました。郵便局通販サイトにて発売中のソメイヨシノの63円切手と合わせて、思わず春を探しに出かけたくなるお手紙をお楽しみください。「#手紙にしよう」
ぽすくまのお気に入りグッズ プレゼントのお知らせ
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今週の後クレ
今回のメッセージは、新潟県〈金井郵便局〉親松拓也さんでした!「佐渡島は自然豊かで海や山に囲まれているので、海の幸や山の幸など、食べるものが新鮮でとても美味しいです。また、佐渡島のお客さまはみんな温かい人たちばかりで、郵便局に野菜、果物、海産物などを差し入れてくださることも多いです。また、世界遺産登録を目指している佐渡金山、特別天然記念物のトキという鳥を見ることができるなど、観光する場所もたくさんあります。 先日、お客さまのご自宅へ訪問する際、田んぼでトキが10羽以上飛んでいるのを見かけました。以前は絶滅危惧種だったトキが、今は観光施設だけでなく自然の中でも見ることができるようになり、大変感慨深いものがありました。みなさまも新型コロナウイルス感染症の感染状況が落ち着いたら、ぜひ佐渡島に遊びに来てください。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
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を教えてください。
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