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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
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日本の暦“和暦”についてのお話

  • ON AIR
  • 2022/02/27

高月美樹さんをお迎えして“和暦”のお話を

写真 今回は日本独自の暦である「和暦」について、和文化コーディネーターでLUNA WORKS代表の高月美樹さんにお話をうかがいます。
写真 小山「そもそも、(日本で)西洋の暦を使い始めたのは最近ですよね」

高月「そうですね、明治6年です」

小山「それまで日本人は和暦に準じていたわけですよね。日曜日もなければ、土曜日もなく」

高月「奈良時代から明治5年までですね。(日曜日がないので)SUNDAY’S POSTもないわけですね(笑)」

宇賀「和暦ってどんなものなのでしょうか?」
写真 高月「旧暦とちょっと前まで皆さんおっしゃっていたと思うのですが、私も(製作している)手帳の名前を10年目を機に和暦に変えたんですね。日本の暦としてダブルスタンダードで浸透したらいいなと思いまして。“旧”と言うと古めかしいものになっちゃうので」

小山「和暦という言葉はそれまでなかったんですね」

高月「ほとんど使っていなかったですね」
写真 宇賀「いまのお話にもありましたが、高月さんは『和暦日々是好日』という手帳をお作りになっていて、これが2月始まりなんですね」

高月「立春に近い新月から始まります。今年はすごく珍しい年で、ちょうど2月1日が睦月の元旦になったんですね。年によって変わりますので」

宇賀「高月さんはどうして手帳を作ろうと思われたんですか?」
写真 高月「1996年に、ある武道家の先生に『ふとした日記をつけなさい』と言われたんです。スケジュールとは別にもう1冊手帳を持って、そちらにバイオリズム日記をつけろと。体調だったりいつ誰とどこで会ったとか、ふと思ったことって流れてしまうので、それを時系列でつけることをやったんですね。5年くらいつけた時に、日本の暦ってどうなっていたんだっけ? と思ったんですね。調べてみたら、市販されている手帳は世の中に1冊もなかったので、作り始めたのがきっかけです」

宇賀「二十四節気は誰がどう考えたものなんですか?」

高月「中国の『詩経』にも出てくるので相当古いですね。いまの七十二候にはない“獺をまつる”というのもあるんですよ。獺はカワウソのことで、『獺祭』というお酒もそこからきていて。かつては春になるとカワウソが喜んで魚を獲って岸辺に並べる、と。それを人々が見て春が来たんだと感じていたんです」

小山「高月さんご自身は季節はいつがいちばんお好きなんですか?」
写真 高月「いっぱいありますけど、“清明”というのがあるんですね。晩春のすべてのものがきらきらと輝いているような、バラが咲きだす頃ですね。桜が咲いたあとに日本は百花繚乱になっていくんですよ。そのあたりからほとんどの花が咲いて、最後、牡丹が咲くと春も終わりで、藤の花が咲き始めたら立夏という感じですね」

宇賀「この時期は新学期も始まって、いちばん清々しい気分になる時期ですよね。薫堂さんはいつが好きですか?」

小山「意外と好きなのは梅雨の時期。青々とした葉っぱが雨の雫に濡れている時は好きですね。宇賀さんはどうですか?」
写真 宇賀「私は立夏がいちばん好きです。ゴールデンウィークのスコーンと空が抜けて青くなって、これから夏が来るよっていう時が好きで。実は結婚記念日もこの日にしたんです。1年でいちばん好きな日ということで」

小山「好きな季節をしっかり持っているのはいいですよね」

宇賀「でもやっぱり寒さが落ち着いてくるいまのこの時期もいいなあと思いますし、秋の涼しい風が吹いてくる頃もいいと思いますし」

小山「雪が降っている時も好きですしね」

高月「夏の終わりの胸がキュンとする頃もいいですよね」
写真 さらに、高月さんにお手紙についてのお話もうかがいました。

宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、これまでお手紙を書いたり、受け取ったりした中で印象に残っているものはありますか?」

高月「小学校時代からのペンフレンドがいます」

小山「いまも続いているんですか?」
写真 高月「いまも親友ですね。赤いポストに手紙を入れに行くのが大好きで。家に帰ってくるともう返事がついているんです。お互いに返事を待たずに次を書いていて。彼女に聞くと『私は家族よりもあなたといっぱい喋っていた』と言うんですね。それくらいお互いに出していましたね」

宇賀「今日は、『いま手紙を書きたい人』に宛てたお手紙を書いていただいているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」

高月「サン・アドの社長をなさっていた品田正平さんです。亡くなられていますけど、書いてみました」

小山「サン・アドはクリエイターエージェンシーですかね。コピーライターとか、広告を作っている人たちにとっては最もクオリティの高い組織というか」
写真 高月さんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聴きください(3月6日まで聴取可能)。

宇賀「今回の放送を聞いて、高月さんへお手紙を書きたい、と思った方もいらっしゃると思います。ぜひ番組にお寄せください。責任を持って、ご本人にお渡しいたします。【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 高月美樹さん宛】にお願いします。

高月さんが作られた「和暦日々是好日」は書店やアマゾンで購入可能です。ぜひお手に取ってみてください。
高月美樹さん、ありがとうございました!
写真 和暦日々是好日の手帳はこちらから。
https://www.lunaworks.jp/

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、埼玉県〈八潮駅前郵便局〉岡本浩幸さんでした!

「成人した際、自分が小学生の頃に書いた『20歳になった自分へ』という手紙が小学校の当時の担任の先生から届いていました。内容を見ると、『がんばれ』や『期待しているよ』ということが書かれていて、今でも大変な時や嫌なことがあった時に読んで、頑張ろうという気持ちになります。手紙はそういった当時の気持ちなどを残すことができるので、今の自分は非常に助けられているなと思います。」
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