女優のサヘル・ローズさんが登場!
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- 2022/01/09
サヘル・ローズさんをお迎えして


私は夕方のニュース番組での、おいしいご飯を食べたりいろんなところ行かれたり、元気なお姉さん!というイメージがすごく強くて」
サヘル「10年間ずっと食レポをやっておりまして。当時は体重が10キロ多かったです(笑)」
宇賀「本当にいろいろな活動をされているんですね」
サヘル「自分の生い立ちもあって、何ができるんだろう? と考えた時に、未来を担うのって子どもたちだったり若い世代じゃないですか。そういう子たちに自分の経験や同じ思いをしてほしくないという気持ちから、個人的に母とふたりでさせていただいているサポートですね」

サヘル「当時は戦争の最中でしたので、私だけじゃなく多くの子どもたちが戦争孤児になってしまい、私も4歳から7歳までを親を失ってしまった子どもたちと共に共同生活をしていました」
小山「フローラ・ジャスミンさんという方の養女になられて、フローラさんが日本にやって来られるんですね。なぜ日本を選ばれたんですか?」
サヘル「当時、母親が結婚をしていたんですね。旦那さんも同じイランの方だったんですけども、その方が日本でお仕事をしていて、養子に迎えてくれた母親が女性一人で当時のイランで子育てができる状況ではなかったので、旦那さんを頼って日本に来たのが流れです」
宇賀「最初に日本に来た時はどうでしたか?」
サヘル「実は孤児院でずっと『おしん』を観て育っていたので……」
小山・宇賀「え!」
サヘル「当時の私たち孤児にとって、おしんは小林綾子さんのあの年齢で止まっているので、あの小さなおしんはのちにどうなったんだろう? と、日本に行くとわかった瞬間、私は『おしん』の世界に飛び込めるんだ、とすごい嬉しさがあったんですよ」

サヘル「まったくです。世界はペルシャ語でできている、って思うわけじゃないですか。小さい頃は観ていた作品がすべてペルシャ語で、『おしん』もペルシャ語で喋っていたから。日本に来た瞬間にはじめて日本語という言葉に触れて、角があってちょっと怖かったんですよ。ペルシャ語はちょっとフランス語みたいで、すごく風が流れるような言語なんですよね。波を打つように話をするのですが、日本語は平らで。当時の私は日本語の音色がわからなくて、日本語って無色だな、と。表情もあまり読み取ることができなく、慣れない国に対しての文化の違い、表現の違いにすごく戸惑いました」
宇賀「でもそこから覚えていくんですよね」
サヘル「日本語を一生懸命学んで、いまに至るんですけど。29年、日本で生活をしています」
宇賀「こういうお仕事を目指したきっかけは何だったんですか?」

小山「すごいですね。素晴らしい」
サヘル「人生にマイナスはないんだなって。どんな経験もポジティブに変えられるし、表現の世界でも自分の幼少期のあらゆる出来事、いろいろ抱えてしまった昔は傷だと思ったものが、人の痛みって対話に変わると思うんですよね。自分の痛みを表現のフィルターを通して伝えることで、誰かの生きがいになれたらいいなって。それが本当にエンターテイメントの力だと思ったんです。チャップリンもそうじゃないですか。いちばんの喜劇っていちばんの悲劇だと思うので、そういう人物になれたらいいなと思いました」

サヘル「いまの時代は孤立をしてしまったり、孤独を抱えている方って大人も子どもも存在していると思うんですよね。そういう人たちに伝えたい、ポジティブになれるような1冊がいまの時代に届けることができれば、と思い、2年かけてこの本を完成させました」
小山「言葉の花束というワードは、ご自身で『言葉って花束になるな』という想いでつけられたんですか?」
サヘル「私も名前にローズ、花が入っているので。人生の中で私が母親からもらった言葉の花だったりとか、きっとどんな人も自分の花を持っていて、出会いこそ生きる力だと思うんですよね。どんな方にもこの一輪の花を渡せたらいいなと思って、最終的にそれが一つの花束となって、この本を締めくくれたなと思ったので、花をあえて入れました」
「成人の日」にちなんで、20歳の人に伝えたいメッセージをサヘルさんにうかがいました。
サヘル「私が20歳の時は、生きるということを模索していて。社会人になるワクワク感と、社会人というリュックを背負った瞬間に、責任というものがすごくのしかかって、生き方がわからなくなっていました。だからこそ、いろいろ挑戦してみてほしいなと。失敗を恐れる社会ではあると思うんですけど、私は自分の中に『サヘル辞書』というのを作っていて、その中で、『失敗は大成功』だと思っているんですよね。たとえ大きな壁があって、行きたかった景色や見えなかった景色がそこにはあるかもしれないけれど、道中で出会った人たちというのは自分にとっては財産ですし。大人になると、やっておけばよかったが増えるんですよ」
小山「そうですよね」
サヘル「やっておいて失敗したとしても、行動した自分に対して誇りが持てるじゃないですか。だからこそどんどんアクションを起こして、挑むという心を楽しんでほしいなと思います。20歳は可能性に溢れているので、自分の可能性を信じてください」

宇賀「これまで受け取ったお手紙とか、書いたお手紙で心に残っているものはありますか?」
サヘル「全部ですね。振り返るとすべての手紙が私の財産。その中でもし選ぶとなれば、いま関わっている施設の子どもたちからのお手紙がとても嬉しいです。私も孤児院にいた時、誰にも手紙って送れないんですよ、受け取ってもらえないから。送り先がいないんです。でも、誰かの心の灯火になれるって最高じゃないですか」
小山「確かに。送る相手がいるってことだけで幸せですね」
サヘル「その住所が書けるっていうことをもう一回噛み締めてほしいなと、いつも思います」

サヘル「言葉を教えてくれた恩師に向けてのお手紙です」
サヘルさんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聴きください(1月16日まで聴取可能)。
宇賀「今回の放送を聞いて、サヘルさんへお手紙を書きたい、と思った方もいらっしゃると思います。ぜひ番組にお寄せください。責任を持って、ご本人にお渡しいたします。【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST サヘル・ローズさん宛】にお願いします。
サヘル・ローズさん、ありがとうございました!

#手紙にしよう 成人の日に向けたポストカードが登場

今年の新成人の方はもちろん、家族や友人の方々と一緒に、やってみてほしいことを送り合ってみるのはいかがでしょうか? 成人の日だけでなく通年使えるデザインとなっているので、目標ができたときにもぴったりなポストカードです。ぜひ、「#手紙にしよう」のサイトからダウンロードしてみてください。

皆さんからの年賀状をお待ちしています!

さらに、年賀状を送っていただいた方の中から、抽選でプレゼントのご用意もあります。
「SUNDAY’S POST賞」は、〈ぽすくまのぬいぐるみ〉。

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今週の後クレ

「わたしは普段、郵便局の窓口で働いており、ご来局いただくお客さまが毎回新鮮な気持ちで郵便局へお越しいただけるように、季節に合わせて窓口を装飾しています。実際に、窓口へお越しになったお客さまが『これ可愛いですね、どうやって作るんですか?』と聞いてくださり、会話のきっかけになります。お客さまの笑顔が少しでも増えれば良いなと思っています。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
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〒102-8080 東京都千代田区麹町1-7
SUNDAY'S POST宛