日本の全市町村を回る旅 写真家の仁科勝介さん
- 2021/03/14
日本の全市町村1741を旅した写真家 仁科勝介さんを迎えて
宇賀「薫堂さんは大学生の頃、旅はよくしていましたか?」小山「していましたね。友達と一緒に車で行くこともあれば、電車に乗っていくこともあるし、比較的出かけていたと思います」
宇賀「大学生って時間がありましたからね。私もよく行っていましたけど、今はなかなか旅もできない、ということで……今日は大学生の時に、日本の市町村すべてを回るという旅をされた、写真家の仁科勝介さんをお迎えしています。よろしくお願いします。」
小山「仁科さんは今おいくつなんですか?」
仁科「24になります」
小山「ということは、旅は一昨年くらいに?」
仁科「1年間休学をして5年間在籍をしたので、今がギリギリ卒業1年目の年です」
小山「じゃあ、去年とか一昨年頃の話なんですね」
宇賀「そもそもなんで、この旅をされようと思ったんですか?」
仁科「自分にも聞きたいんですけど(笑)、『日本をあちこち見てみたいな』という想いはありまして。日本一周とかいろいろな形があると思うんですけれど、『市町村っていくつあるんだろう?』とふと思って、調べたら1700くらいあったんです。計画を立ててチャレンジをして、ありがたいことになんとか回ることができた、という感じです」
小山「KADOKAWAから『ふるさとの手帖 あなたの「ふるさと」のこと、少しだけ知ってます。』という写真集が出ているんですね。これは写真集を作るために巡ったのではなく、ピュアに『巡ろう』と思ったのちに、出来たものなんですか?」
仁科「そうです。それぞれの町を巡りながら、写真に収めたいと思い、それをwebサイト上にもまとめていたんですけど、本になって全部の市町村を見ることができれば、すごくロマンがあるなとも思っていました」
小山「天草のページ、見ていいですか? 天草はどこに行ったんですか?」
仁科「崎津の方に行きました」
小山「これ、見ているだけで心が和むし、旅に出たくなりますね」
宇賀「『旅をしたらこういう風景を見たいな』というものが詰まっているというか。これはどのくらい時間がかかったんですか?」
仁科「旅に出てから終わるまでは2年弱かかりました」
小山「移動はどうしていたんですか?」
仁科「110ccのスーパーカブで9割以上は回っていました」
小山「この時はプロの写真家になろうと決めていたんですか?」
仁科「決めてはいませんでした」
小山「でも、すごく上手ですよね」
仁科「旅をしながら写真を撮る枚数はすごく多かったので、不思議と、自然と身につけられるところもあったのかなと思いますね」
宇賀「すごく写真に見入っちゃうんですけど、これ、『ダーツの旅』みたいに本をパッと開けて、そこに行くっていう遊び方ができそうですね」
小山「いろいろな出会いがあったと思いますが、今、パッと思い浮かべられる出会いは?」
仁科「たとえば、茨城県に龍ケ崎市という場所があるんですけど、初めて会った方のお家を1ヶ月間くらい拠点にさせてもらったことがあって。秋口で台風も来ていて、弱っているときに『好きなだけいていいよ』と言ってもらえて、食事から何までお世話になって、人のあたたかさをすごく感じた出会いでしたね」
宇賀「どうされていたんですか、宿泊とか食事は?」
仁科「野宿ももちろんしますし、あとはゲストハウスさん。それからネットカフェとか。友人とか知人のところにはたくさん泊まらさせていただいて。50箇所くらいはお世話になったので、3ヶ月くらいは誰かのおうちにお世話になっていました」
宇賀「全国に親族が増える感じでいいですね」
小山「途中で恋愛とかなかったんですか?」
仁科「……ありました」
小山・宇賀「あったんだ!」
小山「ちなみに、何県ですか?」
仁科「それもたまたま茨城県ですね」
小山「そっか、だから茨城が長かったんだ(笑)」
仁科「否めないですね(笑)」
小山「『ふるさとの手帖』、本当に町の空気が写っている感じがしますね」
宇賀「夢中で見ちゃいますね」
小山「添えてある言葉もすごくお上手ですね」
仁科「ありがとうございます。すごく分厚くなったので、日本ってすごく広いなと感じますね」
小山「ご自身の出身は?」
仁科「岡山県の倉敷というところです。大学が広島大学です」
小山「それで今は東京なんですね。この先、どこかに移住したくなるんじゃないですか?」
仁科「その通りですね」
小山「移住するならどこがいいですか?」
仁科「個人的に心が揺れるなと思う場所は、たとえば長野県ですね。長野って77の市町村があって、海がないというのが特徴ではあるんですけど、それ以外は全部あるなと感じていて。自然しかり、町しかり、食べ物しかりで、結構僕の中で長野は響きますね」
小山「具体的にこの町、というのはあるんですか?」
仁科「白馬という町の隣に小谷村という村があって、そこは自分の中でも縁があるような場所で。夏場にそこで星を眺めたりした時に、本当に無になれた感覚と言いますか、いいなあと感じました」
小山「大学生でこういう経験ができるのっていいですよね」
宇賀「自分に息子ができたらさせたいですもん」
小山「大学の授業の課題にしてもいいくらいですよね。日本の大学生は全員、全市町村回らないといけない、とか」
宇賀「ハワイとか行っている場合じゃないですよ(笑)。仁科さんのように、ただ通過するだけではなくて、きちんと行って」
仁科「そうですね、やっぱりちゃんと泊まって町を回るというのがテーマだったので。そうしないと町のことはわからないと思っていました」
小山「いちばん最後に到達したのはどこだったんですか?」
仁科「屋久島でした。世界遺産ですごく有名なところなのに、1741番目に訪れることになって、それが自分でもすごく不思議でした。到着した夕方頃に、彩雲という虹の雲が出たんです。今まで旅で出会ったことがなかったんですけど、その彩雲が2つ同時に出たんです。そこで鳥肌がザッと立ちまして。『ああ、旅が終わったんだ』と感じました」
宇賀「また旅に出られるようになった時には、ぜひこの番組にお手紙を書いてもらえると嬉しいです」
仁科「いいんですか? ぜひ!」
宇賀「この番組は手紙をテーマにしているのですが、仁科さんはお手紙は書くことはありますか?」
仁科「結構書いていました。旅の中でもお礼のお手紙を書いたり」
宇賀「今日は、“今お手紙を書きたい人”に宛てて、書いてきてくださっているんですよね」
仁科「やっぱり旅でお世話になった人がいいかなと思って書いてきました。たくさんいるんですけど……北海道の奥尻島という島にゲストハウスさんがあって、そこのオーナーさんに書いてきました。北海道の島は有名どころは、利尻島とか礼文島とか、稚内の近くの島なんですけど、奥尻島はちょっと地味といいますか、有名どころではないんですね。でも、そこに移住されてゲストハウスをされている方がいて、偶然そこでお世話になったんです」
放送では仁科さんに、「奥尻ゲストハウスimacoco」のオーナーYUTOさんへのお手紙を朗読してもらいました。
小山「今の手紙を聞いているだけで、奥利尻島に行きたくなりました」
宇賀「居心地のいい場所だったんですか?」
仁科「みんながパッと明るくなるような雰囲気がありまして。オーナーさんが持っている心の芯の強さ、あたたかさが島の人からも受け入れられていて。その空間はすごく、自分の中でも本当のあたたかさだな、と思えるご縁でしたね」
小山「ここまでじっくり巡らずとも、47都道府県を旅するだけでも違うでしょうね」
仁科「そうですね、旅の形は何でもいいと思いますし、都道府県をそれぞれ回るだけでも感じるものはたくさんあると思います」
宇賀「今日の放送を聞いて、仁科さんにお手紙を書きたいと思った方は、番組へお寄せください。責任を持ってご本人にお渡しします。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST仁科勝介さん宛】にお願いします。
ぜひ、お聴きの皆さんにも仁科さんの『ふるさとの手帖 あなたの「ふるさと」のこと、少しだけ知ってます。』、見ていただきたいですね」
小山「自治体の方とか、『うちの町を仕事として撮ってほしい』とか、そういうのもいいですね」
仁科「嬉しいです、飛んでいきます!」
仁科勝介さん、ありがとうございました!
『ふるさとの手帖 あなたの「ふるさと」のこと、少しだけ知ってます。』
仁科勝介さん Twitter
仁科「24になります」
小山「ということは、旅は一昨年くらいに?」
仁科「1年間休学をして5年間在籍をしたので、今がギリギリ卒業1年目の年です」
小山「じゃあ、去年とか一昨年頃の話なんですね」
宇賀「そもそもなんで、この旅をされようと思ったんですか?」
仁科「自分にも聞きたいんですけど(笑)、『日本をあちこち見てみたいな』という想いはありまして。日本一周とかいろいろな形があると思うんですけれど、『市町村っていくつあるんだろう?』とふと思って、調べたら1700くらいあったんです。計画を立ててチャレンジをして、ありがたいことになんとか回ることができた、という感じです」
小山「KADOKAWAから『ふるさとの手帖 あなたの「ふるさと」のこと、少しだけ知ってます。』という写真集が出ているんですね。これは写真集を作るために巡ったのではなく、ピュアに『巡ろう』と思ったのちに、出来たものなんですか?」
仁科「そうです。それぞれの町を巡りながら、写真に収めたいと思い、それをwebサイト上にもまとめていたんですけど、本になって全部の市町村を見ることができれば、すごくロマンがあるなとも思っていました」
小山「天草のページ、見ていいですか? 天草はどこに行ったんですか?」
仁科「崎津の方に行きました」
小山「これ、見ているだけで心が和むし、旅に出たくなりますね」
宇賀「『旅をしたらこういう風景を見たいな』というものが詰まっているというか。これはどのくらい時間がかかったんですか?」
仁科「旅に出てから終わるまでは2年弱かかりました」
小山「移動はどうしていたんですか?」
仁科「110ccのスーパーカブで9割以上は回っていました」
小山「この時はプロの写真家になろうと決めていたんですか?」
仁科「決めてはいませんでした」
小山「でも、すごく上手ですよね」
仁科「旅をしながら写真を撮る枚数はすごく多かったので、不思議と、自然と身につけられるところもあったのかなと思いますね」
宇賀「すごく写真に見入っちゃうんですけど、これ、『ダーツの旅』みたいに本をパッと開けて、そこに行くっていう遊び方ができそうですね」
小山「いろいろな出会いがあったと思いますが、今、パッと思い浮かべられる出会いは?」
仁科「たとえば、茨城県に龍ケ崎市という場所があるんですけど、初めて会った方のお家を1ヶ月間くらい拠点にさせてもらったことがあって。秋口で台風も来ていて、弱っているときに『好きなだけいていいよ』と言ってもらえて、食事から何までお世話になって、人のあたたかさをすごく感じた出会いでしたね」
宇賀「どうされていたんですか、宿泊とか食事は?」
仁科「野宿ももちろんしますし、あとはゲストハウスさん。それからネットカフェとか。友人とか知人のところにはたくさん泊まらさせていただいて。50箇所くらいはお世話になったので、3ヶ月くらいは誰かのおうちにお世話になっていました」
宇賀「全国に親族が増える感じでいいですね」
小山「途中で恋愛とかなかったんですか?」
仁科「……ありました」
小山・宇賀「あったんだ!」
小山「ちなみに、何県ですか?」
仁科「それもたまたま茨城県ですね」
小山「そっか、だから茨城が長かったんだ(笑)」
仁科「否めないですね(笑)」
小山「『ふるさとの手帖』、本当に町の空気が写っている感じがしますね」
宇賀「夢中で見ちゃいますね」
小山「添えてある言葉もすごくお上手ですね」
仁科「ありがとうございます。すごく分厚くなったので、日本ってすごく広いなと感じますね」
小山「ご自身の出身は?」
仁科「岡山県の倉敷というところです。大学が広島大学です」
小山「それで今は東京なんですね。この先、どこかに移住したくなるんじゃないですか?」
仁科「その通りですね」
小山「移住するならどこがいいですか?」
仁科「個人的に心が揺れるなと思う場所は、たとえば長野県ですね。長野って77の市町村があって、海がないというのが特徴ではあるんですけど、それ以外は全部あるなと感じていて。自然しかり、町しかり、食べ物しかりで、結構僕の中で長野は響きますね」
小山「具体的にこの町、というのはあるんですか?」
仁科「白馬という町の隣に小谷村という村があって、そこは自分の中でも縁があるような場所で。夏場にそこで星を眺めたりした時に、本当に無になれた感覚と言いますか、いいなあと感じました」
小山「大学生でこういう経験ができるのっていいですよね」
宇賀「自分に息子ができたらさせたいですもん」
小山「大学の授業の課題にしてもいいくらいですよね。日本の大学生は全員、全市町村回らないといけない、とか」
宇賀「ハワイとか行っている場合じゃないですよ(笑)。仁科さんのように、ただ通過するだけではなくて、きちんと行って」
仁科「そうですね、やっぱりちゃんと泊まって町を回るというのがテーマだったので。そうしないと町のことはわからないと思っていました」
小山「いちばん最後に到達したのはどこだったんですか?」
仁科「屋久島でした。世界遺産ですごく有名なところなのに、1741番目に訪れることになって、それが自分でもすごく不思議でした。到着した夕方頃に、彩雲という虹の雲が出たんです。今まで旅で出会ったことがなかったんですけど、その彩雲が2つ同時に出たんです。そこで鳥肌がザッと立ちまして。『ああ、旅が終わったんだ』と感じました」
宇賀「また旅に出られるようになった時には、ぜひこの番組にお手紙を書いてもらえると嬉しいです」
仁科「いいんですか? ぜひ!」
宇賀「この番組は手紙をテーマにしているのですが、仁科さんはお手紙は書くことはありますか?」
仁科「結構書いていました。旅の中でもお礼のお手紙を書いたり」
宇賀「今日は、“今お手紙を書きたい人”に宛てて、書いてきてくださっているんですよね」
仁科「やっぱり旅でお世話になった人がいいかなと思って書いてきました。たくさんいるんですけど……北海道の奥尻島という島にゲストハウスさんがあって、そこのオーナーさんに書いてきました。北海道の島は有名どころは、利尻島とか礼文島とか、稚内の近くの島なんですけど、奥尻島はちょっと地味といいますか、有名どころではないんですね。でも、そこに移住されてゲストハウスをされている方がいて、偶然そこでお世話になったんです」
放送では仁科さんに、「奥尻ゲストハウスimacoco」のオーナーYUTOさんへのお手紙を朗読してもらいました。
小山「今の手紙を聞いているだけで、奥利尻島に行きたくなりました」
宇賀「居心地のいい場所だったんですか?」
仁科「みんながパッと明るくなるような雰囲気がありまして。オーナーさんが持っている心の芯の強さ、あたたかさが島の人からも受け入れられていて。その空間はすごく、自分の中でも本当のあたたかさだな、と思えるご縁でしたね」
小山「ここまでじっくり巡らずとも、47都道府県を旅するだけでも違うでしょうね」
仁科「そうですね、旅の形は何でもいいと思いますし、都道府県をそれぞれ回るだけでも感じるものはたくさんあると思います」
宇賀「今日の放送を聞いて、仁科さんにお手紙を書きたいと思った方は、番組へお寄せください。責任を持ってご本人にお渡しします。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST仁科勝介さん宛】にお願いします。
ぜひ、お聴きの皆さんにも仁科さんの『ふるさとの手帖 あなたの「ふるさと」のこと、少しだけ知ってます。』、見ていただきたいですね」
小山「自治体の方とか、『うちの町を仕事として撮ってほしい』とか、そういうのもいいですね」
仁科「嬉しいです、飛んでいきます!」
仁科勝介さん、ありがとうございました!
『ふるさとの手帖 あなたの「ふるさと」のこと、少しだけ知ってます。』
仁科勝介さん Twitter
チョコレートプラネットへのファンレター 引き続き募集中!
宇賀「薫堂さん、(以前ゲスト出演した)チョコレートプラネットのお二人へのファンレターを募集していたじゃないですか」小山「100通以上届いたら、番組でネタをやってくれるんですよね」
宇賀「現在、なんと……67通! 絶妙でしょう(笑)」
小山「あと33通届けば100通になり、また来ていただけるんですよね」
宇賀「そうです。今月いっぱい、待ってみましょうか?」
小山「あと2週間、待ってみましょう」
引き続き、チョコレートプラネットへのファンレターを募集します!【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POSTチョコレートプラネット宛】までお願いします。あと33通、お待ちしています!
#手紙にしよう
「#手紙にしよう」では季節に合わせたポストカードを更新しています。春の楽しみがぎゅっと詰まったお手紙、届けてみませんか? ビンゴカードのように、たくさんの春が並んだポストカードをご用意しています。ぜひみなさんの好きな春を、大切な人に伝えてみてください。
詳しくは、「&POST」のwebサイトをご覧ください。
#手紙にしよう
今週の後クレ
今回のメッセージは、石川県〈金沢中央郵便局〉滝尻源大さんでした!「以前、窓口にお客さまがダイレクトメールの見本をお持ちになり、デザインのご相談を受けたことがあり、お客さまのご要望を聞きながら一緒にデザインを考えて、さらにそのダイレクトメールの効率的な発送方法を検討いたしました。 少し時間はかかりましたが、お客さまの納得のいくデザインができ、喜んでいただけたことがあります。 このように、お客さまのご要望どおりの提案ができた時は、とても嬉しく、これからもまた頑張ろうという気持ちになります。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。
〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛