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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
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ミュージシャンの斉藤和義さんが登場!

  • ON AIR
  • 2021/03/07

東日本大震災からまもなく10年

宇賀「来週の木曜日で東日本大震災から10年です。早10年というか、まだ10年というか」

小山「まだ10年しか経っていないんだ、というのが僕の気持ちです。311のあとに渡辺謙さんと『kizuna311』というサイトを立ち上げまして。著名人の方が詩を朗読して、それをラジオ局を通して被災地に届けるという活動をしていたんですけど、渡辺謙さんはそれをきっかけに気仙沼にK-portというカフェを作られて、今だに毎朝ファックスにメッセージを書いて送るんですよ。それがカフェに掲示されて、地元の方が来たり、観光客の人がそれを目的にやって来て気仙沼の町を見て歩くんです。継続して支援していることの強さ、尊さに頭が下がりますね」

宇賀「毎日、というのはみなさん難しいかもしれませんが、この時期にはきちんと思い出して、何かできることはないかなと考えてみる時間を作りたいですよね」

ミュージシャンの斉藤和義さんをお迎えして

写真 宇賀「薫堂さんは斉藤さんとご一緒したことはあるんですか?」

小山「他の局のラジオ番組にゲストとしてご登場いただいて、ミニライブをしていただいたことがあります。でもそもそもは、お会いはしていないんですけど、昔『ポンキッキーズ』という番組の構成をしていまして。そこで『歩いて帰ろう』がテーマソングだったんです」

宇賀「薫堂さん、『ポンキッキーズ』やっていたんですか!? 見てました! 小学校1年生くらいの時。学校に行く前、朝8時くらいにやっていましたよね」

小山「そうですね、朝に」
写真 斉藤「当時、朝8時からだったのが夕方に変わったことがあるんですよね」

小山「その時に、『歩いて帰ろう』がテーマだったんですよね」

斉藤「夕方だと世のお母さん方から『お弁当を作っているあいだに子どもに見せておけてよかったのに、夕方になってそれができなくて困るから、朝に戻してくれ』と言われて、3、4ヶ月くらいで朝に戻ったんですよね。夕方の時は、出勤前のお水のお姉さんたちがいっぱい見てくださったらしいんですよね。そっちには評判よかったんですけどね」

宇賀「そうなんですね(笑)。お二人は私が物心つくかつかないかくらいの時からご活躍されていたんですね。斉藤さんは、今年でデビュー28年なんですね」

斉藤「そうなんですね。気がつけば、という感じですね」

宇賀「普段、どういう風に曲作りはされるんですか?」

斉藤「曲作り……どうしているんですかね。まあ締め切りが来たら、という感じですね」
写真 宇賀「締め切りがあるんですか(笑)」

斉藤「ちゃんとまとめるのはそこかもしれないですね。それまではなんとなくギターを弾いたりとか、ぼんやり作って録音したりはしているんですけど、断片しかできないことが多くて。それをちゃんと頭からお尻までアレンジも歌詞も含めて全部まとめよう、というのはやっぱり締め切りがないと、なかなか。稀にバーっとできたというのもありますけど、めったにないですからね」

宇賀「カケラはいくつかあって、締め切りに向けて仕上げていく感じなんですね」

斉藤「そうですね。ずっとダラダラやっちゃって、もっと展開があるんじゃないかとか、こねくり回しちゃったりもするし」

宇賀「3月24日には、21枚目のオリジナルアルバム『55 STONES』がリリースされます。21枚目というのもすごいですよね。どんなアルバムですか?」

斉藤「去年、コロナ禍でツアーも延期になって、ずっと休みになっちゃったので、どうしようかな、と。ギターを自分で作ったりしていたんですよ、木を買ってきて」

小山「それはキットのようなものではなくて、ピュアに木を買ってきて?」
写真 斉藤「そうです、1枚の木を買ってきて、適当に好きな形を書いて、のこぎりで……」

小山「できるものなんですか?(笑)」

斉藤「できたんですよ。そんなのをずっと家で散々やっていて。4、5本作りましたかね。でもだんだん飽きてきちゃって、歌も作んなきゃな、と思って、なんとなくポツポツ作り出して。家で録ったりしていて、進めていったらできたという感じですね。宅録というか、緊急事態宣言が明けて久々にバンドを呼んで録ったものもあるんですけど、8割方は家で録ったものが多いですね」

小山「自分で作ったギターで演奏している曲もあるんですか?」

斉藤「ありますね」

小山「それは、音は……」

斉藤「意外といいですよ。でも弾くよりは見ている時間の方が多いですね。『ここもうちょっと磨けばよかった』とか」

小山「名前をつけているのもあるんですか?」

斉藤「“ウルフ”とか付けてるものもありますね。ジェリー・ガルシアというグレイトフル・デッドのギタリストがいて、その人が使っていたギターっぽいものを作ろうと思って。そのギターがウルフというんですけど、それ風なんで、ウルフウ……『ウル風』ですね」

宇賀「(笑)」
写真 小山「ウルフウ、沖縄弁みたいですね(笑)」

斉藤「暇つぶしにはもってこいでしたね」

小山「一人で多重録音されたわけですよね。ギターとかピアノ、ベースとか」

斉藤「ドラムも全部ですね。機材とかも、持ってはいたけどちゃんと使い方がわからないという状態のものがあって、機械に弱いのでどういじるかも謎だったんですけど……この機会にちゃんと使えるようになろうと思って。それを覚えるには録るもの、曲がいるなと思って、そうやっていくうちにちょこちょこ録ったものが、まとまった感じですね」

小山「まさに、コロナ禍で余った時間があったからできたアルバムですよね。余裕があったからこそ」

斉藤「そうですね。これは締め切り関係なかったですね」

小山「自分で納得がいくまで、何回も何回も録り直したり……」

斉藤「そうですね、ギターソロは10テイクくらい録ったりして。最近の機材の発達とともに、皆さん家でやったりもしているじゃないですか、データを送りあったり。そういう噂は知っていたんですけど、こういうことをみんなやっていたのか、と。なんかいい時間でしたね」

宇賀「これまでのアルバムとは、また違う作品になったという感じですね」

斉藤「ここのところの流れとは違っていましたね」

宇賀「28年で21枚目のアルバムということですけれど、ここまで続けられるって思っていましたか?」

斉藤「思っていたかな、どうですかね。考えたことはなかったですね」

宇賀「どうして続けてこられたと思いますか?」

斉藤「まあ、それは締め切りのおかげじゃないですかね」

小山・宇賀「(笑)」
写真 斉藤「やっぱり、誰かケツを叩いてくれるスタッフとかがいないと、きっと無理だったでしょうね。何かはやっていたでしょうけど、こんなに続いたとは思えないですね」

小山「なんか欲とかが全くなさそうな感じがするんですけど」

斉藤「いやいや、あります。ギターとかついつい買ってしまったり。今、200本くらい……」

宇賀「200本!」

斉藤「そんなにはないと思うんですけど、作っちゃったりもするんで。さすがに減らしたいとは思っていて、どうやって減らそうかなと。これは売ろう、と思って、最後の記念に録音に使うと、『意外といい』となって、やっぱりとっておこうと……。結局、減らないですね」

宇賀「来週の木曜日は3月11日、東日本大震災から10年ということになります。斉藤さんはこの10年は、どんな10年でしたか?」

斉藤「あっという間でしたけど、津波と原発被害の避難区域だったりは、いまだに大変でしょうし。僕も(被災地に)行きましたけど、びっくりしましたね。大きな石油タンクがその辺に転がっていたり、言葉がなかったですね」

宇賀「その後の作品に影響があったりはしましたか?」

斉藤「あったと思いますね。突然、全部なくなっちゃうなんてことがあるんだなとびっくりしたので。言葉を一つ選ぶのでも、『今までと意味が変わっちゃうよな』ということは、当時はすごくありましたね。たとえば恋愛っぽい曲を書いたとしても、その奥にある層のようなものが変わっちゃったりとか、そういうものはいまだにありますね」

宇賀「今も復興の途中ということはあるんですけど、皆さんに言葉を伝えるとしたら、いかがですか?」

斉藤「この番組でいつも手紙を読んでいらっしゃると聞いたんですけど、僕は手紙はうまく書けないので……震災にも通じるすごく好きな歌があるんです。井上陽水さんの『結詞』という歌があるんですけど、その歌詞がすごく好きで。なんていうか日本的な感じなんですけど、いろいろな意味が含まれていて、平たくいうと“人生そんなもの”みたいなイメージがあって。震災だけじゃないですけど、いろんな場面でどんな人にも当てはまる歌詞だと思っています」
写真 放送では、井上陽水さん『結詞』の歌詞を、宇賀さんの朗読でお届けしました。

小山「シンプルなんだけどいろいろな人の心に響きそうな、自分に当てはまりそうな感じもありますね」

斉藤「陽水さんの中でも初期の曲なんですけど、去年、一昨年にご自身の50周年のライブでも演奏していたんですけど。今の陽水さんが歌うのもまたいいんですよ。深みが違うというか、こんなシンプルな歌詞なのに、すごいと思ったんですね、自分が歌を作り始めた時にも。こういうのを書けるようにならないと、プロと言っちゃ駄目なのかな、すごい道は遠いな、と思った覚えがあります」

小山「斉藤さんは初期に書いた曲を歌って、当時と今と、違いは出ていると思いますか? 曲によって違ったりもしますか?」

斉藤「作り方はあまり変わっていないかもしれないですね。まったくの空想、完全なフィクションはあまりないですね。何かしら体験とか経験の中から生まれてくる感じは、ずっと変わらないですね」

宇賀「お手紙は書かないと先ほどおっしゃっていましたけど、歌がもうお手紙ですもんね」

斉藤「手紙って自筆で書くのがやっぱり良さじゃないですか。昨日、もうちょっとちゃんと書きたいなと思って、字が上手になる練習本をポチりました」

小山「(笑)この前番組でも字の先生がいらっしゃって、コツを教わりましたよ」

斉藤「いいなあ」

小山「均等に書くといいらしいですよ。あとはゆっくり書く」

斉藤「なるほど、そんな気はしていたんですけどね。下に字が透けているやつあるじゃないですか、あれをちょっと練習してみようと思って」

小山「それを斉藤さんが書いているのを想像すると面白いですね(笑)」
写真 斉藤「字がきれいな人って、それだけでグッとくるじゃないですか。ちょっとチャラチャラしてそうな人なのに、字がきれいだと、『あ、好き』ってなっちゃいますよね」

宇賀「今回の放送を聞いて、斉藤さんにお手紙を書きたいと思った方は、番組へきれいな字で書いて送っていただけたらと思います。ご本人にお渡しします。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 斉藤和義さん宛】にお願いします。
斉藤さん、最後に皆さんへメッセージがあればお願いします」

斉藤「アルバムが出ることと、去年から延期になっていたツアーが5月から再開すべく、調整中です。あと、配信ライブをまだやったことがなかったんですけど、4月の後半に初めて、去年できなかったライブのセットリストで2日間だけやることになりました」

宇賀「4月27日、28日ですね。詳しくは公式ホームページをご覧いただければと思います」

斉藤さんのニューアルバム「55 STONES」は3月24日発売です。

斉藤和義 公式サイト
写真 斉藤和義さん、ありがとうございました!

#手紙にしよう


外出や遠出が難しい今、こんな時だからこそ、手紙で元気を伝えるのはいかがでしょうか。ぜひ、「&Post」の中の「#手紙にしよう」をご活用ください。 番組やSNSでもご紹介していくので、お楽しみに。

#手紙にしよう

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、山梨県〈明野ひまわり郵便局〉加藤尚義さんでした!

「私は山梨県北杜市明野町にある、南アルプスや八ヶ岳、富士山を一望できる小さな郵便局に勤めています。 局名の由来でもある、ひまわり畑が有名な町で、山々を背景に見る60万本のひまわりが最高です。 当局では、全国でも珍しいひまわりの形をした風景印を扱っているのですが、小さなお子さまが、ひまわりの風景印が押されているはがきを見て、嬉しそうにしているのを見ると、こちらも嬉しくなります。 一年を通して、当局には全国から風景印のコレクション等のため、風景印の押印を希望する郵便が届きます。 ご希望の方は、返信用封筒に返信料金分の切手を貼ったものを入れていただいた上で、当局へ押印希望の郵便を送っていただければと思います。」
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