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SUNDAY'S POSTSUNDAY'S POST

『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
手紙を受け取る喜び、手紙を送るワクワク感、
手紙に詰まった想いをラジオを通して全国に届けます。
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大宮エリーさんと手紙のお話

  • ON AIR
  • 2020/07/19

薫堂さん 旅先からのお手紙


宇賀「薫堂さんから手紙が届いていますよ! これは群馬・入山の印が押してありますね」

薫堂さんが手紙を出してくれたのは、群馬県吾妻郡中之条町の〈入山郵便局〉です。

小山「これはちょっと前なんですよ。6月だったんですけど、“尻焼”という名前の通り、お尻が焼ける温泉。川の中に出ているんですよ。普通の川のある部分が温かくなっていて、横にちょっとした掘っ建て小屋みたいなところがあって、そこに着替えを置いて、入るんです」

宇賀「いいですね、私もいつか行ってみたいです!」

大宮エリーさんをお迎えして

写真 今回は、作家、脚本家、画家、映画監督など、様々な分野で活躍されている大宮エリーさんをゲストにお迎えします。

宇賀「薫堂さんは大宮さんとはお付き合いは長いんですか?」

小山「知り合ったのがいつかも覚えていない(笑)」

大宮「きっかけが全くわからない! オフでは会っているけど、オンで会ったことはないですね」

宇賀「共演は初ですか?」

大宮「初! 何度も『お仕事一緒にしたいね』『したいですね』って、薫堂さんは企画だけ振ってくれるんですけど、結局成立せず。やっとですね、このSUNDAY’S POSTが」

小山「最近は、小山登美夫さんのギャラリーからの案内が来ていて。奈良美智さんとかに混じって大宮エリーの案内が来ますからね。アーティストとしての活躍がすごいですよ」
写真 写真 大宮「びっくりしたでしょう?」

小山「こんなに絵が上手かったんだ、と思って」

大宮「急に描くことになっちゃったですよ」

小山「描いたことはなかったんですか?」

大宮「事故的なことで描くことになっちゃったんですよ、アクシデントが起こって。もともと、ベネッセの福武会長さんがモンブラン国際文化賞を受賞されたんですよ。そこのパーティーがあって、小山登美夫さんがキュレーションをされていたんです。そこに、私がパルコで展示していたインスタレーションを貸してって言われて打ち合わせに行ったの。小山さんとちゃんと知り合ったのはそれが初めてで。打ち合わせをしていたら、モンブランの方が『当日、ライブペインティングするアーティストが来れなくなって、困っている』と。それで『お願いします、絵を描いてください』と言われたんです。『いや、描いたことないですよ。画材もないし』って言ったんですけど、本当に困っていて……。『じゃあ今から東急ハンズに行ってきます。知りませんよ!』って。それで東急ハンズに『初めてなんですけど……』って言って、(店員さんに)『これが描きやすいです、アクリル絵の具!』って(笑)」

小山・宇賀「(笑)」

大宮「なんとかなる、と思ったんです」

小山「そこで、何を描いたんですか?」

大宮「モンブランの国際賞はモーツァルトがテーマになっていて。アーティストではなくアーティストを支援しているパトロンにあげる賞だったので、モーツァルトで描いてくれって言われたの」

小山「モーツァルト(笑)」
写真 大宮「海外の人も多いっていうから、着物を着て行ったんですよ。そこで本当に断ればよかったと思ったのが、安藤忠雄先生がいらっしゃって、『どうしてここにいるの?』と言われて。『初めてここで絵を描くんですけど』って言ったら『めっちゃヤバいで。ここ美術館やで』って。先生に『もう飲むしかないよ』と言われて、初めて赤ワインを飲みながら描くというのをやったんですけど。普通に飲んでもつまらないから、赤ワインのボトルを用意してもらって、ラッパ飲みをしながら描いたら、海外の人が大喜び! 『大和撫子ファンキー!』って」

小山「何を描いたんですか?」

大宮「音符を描いたんです。終わった後に福武さんが出てきて、『この絵を買いたい』と言われて。いやいやあげます、みたいな感じで。その時、小山登美夫さんがガッツポーズをしていて、そこから絵の依頼が増えて、人生がなぜか現代美術の方へ」

7月15日〜9月1日には、東京ミッドタウン・ガレリア1FのISETAN SALONE ART WALLで大宮さんの個展「マイ フェイバリット リゾート」が開催されます。
大宮エリー / 個展「マイ フェイバリット リゾート」
写真 宇賀「たくさんお話うかがったんですけど、私から大宮さんのご紹介をさせていただきます。ウィキペディアで調べました。大宮さんは大阪府のご出身で、理系科目が苦手だったため、学校の先生から『お前は理系の大学に受からない』と言われたが、その言葉に疑問を感じ、『数学0点でも受かるところはないですか?』と質問し、『一つだけある。東大だ』の言葉を受け、一浪し、東京大学薬学部に合格」

小山「これは嘘でしょ」

大宮「本当です。先生が言ったかは忘れちゃったけど、誰かに入れ知恵されたんです。難しすぎるんです、東大が。数学のテスト、何分あると思います? 120分あるの。だから4割を全体で取れば受かるって言われていて、私たちの時代は。数学が0点でも、国語で満点、英語で満点を取れば受かるんですよ」

小山「でもそれで東大に入るのがすごいですよ」

大宮「でも早稲田、慶応とかはミスが許されない試験でしょう。そういうところはずるっと落ちちゃう。東大一直線で」

小山「でも、東大の薬学部に行ったら、普通製薬会社の研究室に行ったりとか」

宇賀「それもウィキペディアに書いてありましたよ。〈卒業前に、薬剤師の国家試験を受けるように言われたが、向いてないと考え、ちょうど受験日がリオのカーニバル当日だったことから『皆がカリカリ勉強しているのに、自分だけが地球の裏側で踊っていたら面白い』と思い、ブラジルに行っていた。〉」
写真 大宮「それは正解です。ウィキペディア合ってますね」

宇賀「その後、言葉に関わる仕事ができるということで、広告代理店に入社した、と」

大宮「それは半分嘘です。33社落ちて、34社目に受かったのが代理店だったの。本当に就職厳しかったから、私は社会に必要とされていない人間なんだと思って、ちょっとウツになった頃に受かって、コピーライターを始めたっていうやつですね。それも7年で辞めちゃうんですね。同期は辞めさせられたと思っていたらしいです(笑)」

宇賀「理系じゃなくて文系だったっていうことですか?」

小山「頭の中は芸術家って感じですよね」

大宮「さすが薫堂さん、心をほぐしてくれますね。心は芸術家。これから使っていいですか?」

小山「どうぞどうぞ(笑)」
写真 大宮さんは最近、クリエイティブマッスルを鍛える「エリー学園」をオンライン上に開校したとか。

大宮「私が学長をやっているんですよ。前回の私の授業は『作詞』で、その前は『脚本』で。別に作詞家とか脚本家を育てるわけじゃないんですけど、今、自粛とかこういう状況になると、『AがダメならBに行こう、Cに行こう、Fに行こう』みたいな風に、頭を柔らかくしないといけない時代になっているじゃないですか。それは震災の時から思っていて。ラジオでその話をしたら聞いていたシステムの人が電話をくれて、オンラインでできるよ、というのを教えてくれて。去年から準備をして3月から始めたんです。24時間、オンラインだから会えるんですよ。今度は土井善晴先生が講師に来てくれて。でも料理というよりも、クリエイティブマッスルを教えてくれるんです。発表されたものに関して自分がどう思ったのかを考えて、言葉にするのかをトレーニングするんです」

エリー学園は、毎日開校しているそうです。

小山「毎日! すごいですね」

大宮「学長室があるから毎日、私がそこで喋っていると誰かがやって来る、と」

宇賀「何時間開けているんですか?」

大宮「24時間。看護師さんとかは夜勤明けに来るわけ」

小山「いま、この瞬間はそこには誰もいないわけでしょう?」

大宮「誰か喋っているんじゃない? 私が好きな時に行くと、廊下でばったり会って、『熊本の○○ちゃん! 北海道の○○ちゃん!』みたいになるわけ。そうすると、『今から○○ちゃんとzoomでアンコールワットの○ちゃんと一緒にお茶するんです』みたいなことを言われたり。そんな感じ」

小山「一方的なコミュニティではなく、みんながそこにいる場なんですね」

大宮さんが今、絵と同じくらいエネルギーをかけている」という〈エリー学園〉の詳細はこちらからお願いします。
https://elliegakuen.com

宇賀「次々と広がっていって、時代の先を行っているというか」

大宮「面白いなと思うことをご縁のある方とやっていると、誰かの役に立っていたり、誰かが楽しいって言ってくれたりというのが嬉しいなと思って。今、イベントとか軒並みできなくなっていて、ファンの方がイベントの時に私に手紙をくれていたんです。Twitterか何かで『手紙を渡せなくなっちゃったんですけど、どうすればいいですか?』というのがあって。住所を公開していないし、どうしようかなと思った時に、イベントをYouTubeでやっちゃえばいいかと思って。お手紙講座を始めて、そこに送ってもらうようにしたんです」
写真 小山「自分のYouTubeでやっているんですか?」

大宮「『ELLIE’S TV』っていうYouTubeで見てもらえれば。昔、母の日の手紙を書く講座をやってくれとか、青森の十和田市現代美術館で個展を2016年に5ヶ月間の個展をやった時に、『5ヶ月もいるんだからワークショップを』って言われて、子どもたちとお母さんとお父さんと、お手紙講座をやって。『お父さんは野菜に例えると○○です。なぜなら……』って穴埋め形式にするといろいろ書いてくれて。それを今はリアルでできないから、じゃあ番組でやろうかな、って」

宇賀「もともとお手紙を書くのはお好きなんですか?」

大宮「ここぞと言うときは手紙書くし、いただくことが多くて。中学の時に、みんな反抗期だったのかある先生がいじめられていて。私だけは先生の授業を聞いていたんだけど、いじめやめなよ、とかは言えないから。聞いているぞ、っていうことで、毎日ひねり出して質問をしに行っていたの。『辞めんなよ』っていうことで、自分の中で励ましていたの。でも辞めちゃったんですよ。その時に手紙を書きましたね。九州の実家に戻られているということで、九州まで(送って)。先生の授業はこうだったよ、こういうところが良かったよ、ということだけ書いて。半年くらい経った時に、(学校で)『大宮さん』って言われてふっと見たら先生がいて『恥を忍んで同じ学校に再就職しました』って。何でですか? って聞いたら『手紙くれたじゃないですか』って。えー! あれで? ってなって」

小山「大宮エリーの1通が、先生の人生を変えた」

大宮「手紙の力ってあるな、と思いました。それで私、言葉の仕事に就きたいとずっと思っていたの。でも地球環境を守りたいと思っている時期もあったので、理系に行ったんですよ。ですが結局、就職活動をして、コピーライターということで中学の時の思い出に回ってきたな、という感じなんですけど。私にとってお手紙講座というのは、中学の時に言葉の仕事をやりたいと思った原点なんですよね」

宇賀「その手紙講座は、YouTubeで見ることができるんですね」

小山「いま何回くらいやっているんですか?」

大宮「まだ1回です。みんな、こういう手紙をもらってこうなった、みたいなのがあって。かなりエモいエピソードがいっぱい出てきて。そのYouTubeに投稿してくれたのを読み上げるんですけど、盛り上がって。今度は暑中見舞いを書こう、ってやったりとか、届いた手紙を読んだり、私が手紙を出したりとかね。あと、お詫び状はどう書くと伝わるのか、とか」

宇賀「ぜひ、番組とも!」

小山「この番組の宣伝をしてくれませんか?」

大宮「むしろこの番組で(手紙講座を)宣伝してもらおうと(笑)。でも、コラボとかしたいですね」

宇賀「ぜひやりましょう!」
写真 小山「ちなみに次はいつですか?」

大宮「いま、1回目のアーカイブもあるので見ていただきたいんですけど、2回目は7月26日の朝10時からです。やっぱり講座なので、キリッと朝にやって。ライブなので、ぜひご参加あれ!」

宇賀「大宮さんは本当にいろいろな活動をされていますけど、日々、どういうことを大切してやっていらっしゃるんですか?」

大宮「仕事も生活もいちばん大事にしているのは、愛ですね。そこに愛があるかどうかが指標になっていて。なんか愛とか言っちゃうと恥ずかしいところもありますけど、本当のことだからしょうがない。ごはんもそうじゃないですか。見てくれが悪くても愛情がこもっていたらすごく美味しいですよね。すっごいきれいでも、愛情がこもっていないと食べた感じがしないというか。文章もそうですし、仕事のスタンスとしては1個1個思いやりだと思っていて。頼んでくれた人に対して、お手紙の返事を書くような感じ。仕事はお手紙が来たって感じで、その想いを読んで私の想いを伝えるのが、私の作品づくりなんですよね。その先にまた、その人を通じてまた想いが伝わっていくという風に思っています」

小山「素晴らしい。僕も共感します。愛ですよね」

大宮「想いが大事ですよね、思いやり」
写真 リスナーの皆さんもぜひ、7月26日(日曜日)朝10時からの大宮エリーさんの「手紙講座」に参加してみてください。配信URLはこちらです。

YouTube

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「手紙講座」第1回目のアーカイブ

また、大宮さんのYouTubeチャンネル「ELLIE’S TV」では、「家庭菜園」についての配信も! こちらもぜひチェックしてみてください。

おうち快適化計画 家庭菜園スタート編

大宮エリーさん、ありがとうございました!

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、愛知県<名古屋西郵便局>前田元胤さんでした!

「お客さまとの、あるやり取りが、私の仕事に対する想いを変えました。ある雨の日に、速達を届けに行ったのですが、お客さまがお留守だったので、ポストに投函し、そのまま別の配達に向かいました。それから1時間くらいたったときに、信号のない交差点で止まっていると、先ほどお留守だったお客さまが通りがかり、大きく手を振りながら『いつもありがとう、今日は挨拶できなくてごめんね』と、私に声をかけてくれました。多分、そのお客さまは私の挨拶を含めて、配達完了と思っていただいているのかなと考えると、ちょっと感動を覚えました。」
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