日本でたった8人の切手デザイナー/ラブレター代筆屋
- 2019/11/03
切手デザイナーの玉木明さんをお迎えして
今回、ゲストにお迎えしたのは日本郵便 切手デザイナーの玉木明さんです。
宇賀「切手デザイナーの方、はじめてお会いしました! 何人くらいいらっしゃるんですか?」
玉木「8人おります」
小山「それってすごくないですか? 日本に8人しかいないって。年間で、どのくらいデザインされるんですか?」
玉木「記念切手で、だいたい50件もないくらいですね」
小山「でも、50件担わなきゃいけないって責任も大きいですよね?」
玉木「そうですね、切手は公共的な感じもありますし、外国にも出て行きますし。それで日本のイメージが出来てくるということを考えると、結構身が引き締まりますね」
宇賀「今回、10月の増税もあって切手のデザインが新しくなりましたよね。そのデザインに、決まりとかはあるんですか?」
玉木「どんなものがいいか、いろいろな調査もしていますね。1円切手は創業者の前島密、これは変わりませんが、たとえば定額の切手は動物で、いちばん使われる料金帯はお花。それよりもちょっと高いところは風景のデザイン、という風になっています」
小山「それはもうルールとして決まっているんですか?」
玉木「いえ、何か統一感みたいなものが必要なのかな、と。たとえば普通切手でしたら、普段のお手紙にも貼るけど、請求書にも貼らないといけない。あんまりかわいすぎても困るかな、と(笑)」
宇賀「私も、請求書を出すときに84円切手をいちばん使っています(笑)」
知らないことがたくさんある、奥深い切手のデザイン。そもそも、玉木さんはどんなきっかけで、切手デザイナーの仕事に就いたのでしょうか?
玉木「切手デザイナーはそもそもの人数が少ないから、募集が少ないんですよ。たまたま、僕が美大の4年生のときに募集があるのを、先生が教えてくれたんです。はじめは、『切手なんて地味じゃん』って思っていたんですけどね。先輩に相談をしたら、『広告のデザインとかはいつでもできるから、やってみてつまらなかったらやめればいいじゃん』と言われまして。挑戦してみました」
小山「切手って、グラフィックデザイナーにとってはおそらく最も小さな作品じゃないですか。でも、歴史に残り続けるものでもありますよね」
玉木「そうなんですよね。息の長さが半端ではないというか、そこが魅力ですよね」
江戸時代の画家・俵屋宗達の屏風「風神雷神図屏風」のデザイン、新幹線の切手など、玉木さんが手がけた切手のコレクションも、スタジオにお持ちいただきました。
小山「俵屋宗達の風神雷神の切手は、原画をコピーしてデザインしてたんですか?」
玉木「いえ、美術館が所蔵している作品なのでそこでフィルムなり画像なりをお借りして、そこから作っています。古い絵って、結構傷んでいるんですよ。色が褪せていたりとか。それをスキャニングして、レタッチをして……」
小山「修復作業を行なっているみたいですね」
玉木「修復というよりは、再現ですね。古い絵だと、宗達の気持ちがわかってくるというか……追体験をしているような感覚になりますね」
宇賀「11月1日に、年賀はがきも発売になって。これから年賀状を書こうという人も多いですよね」
小山「年賀はがきも、玉木さんたちがデザインするんですか?」
玉木「すべてではないのですが、たくさんの部分で、僕たちが担当しています」
来年、2020年は子年。玉木さんがデザインを手がけたはがきも見せていただきました。今年は、「インクジェット写真用」のはがきのデザインを、担当されたようです。「2020」がネズミの耳になっていたり、デザインの工夫も盛りだくさん。準備は、2018年からはじめていたとか!
宇賀「これから、切手を見るのが楽しみになりましたね」
小山「作者が分かるサイトとかはないんですか?」
玉木「日本郵便のホームページを見ると、デザイナーの名前が出ています」
宇賀「それを調べてみるのも楽しみですね!」
玉木明さん、ありがとうございました!
玉木「8人おります」
小山「それってすごくないですか? 日本に8人しかいないって。年間で、どのくらいデザインされるんですか?」
玉木「記念切手で、だいたい50件もないくらいですね」
小山「でも、50件担わなきゃいけないって責任も大きいですよね?」
玉木「そうですね、切手は公共的な感じもありますし、外国にも出て行きますし。それで日本のイメージが出来てくるということを考えると、結構身が引き締まりますね」
宇賀「今回、10月の増税もあって切手のデザインが新しくなりましたよね。そのデザインに、決まりとかはあるんですか?」
玉木「どんなものがいいか、いろいろな調査もしていますね。1円切手は創業者の前島密、これは変わりませんが、たとえば定額の切手は動物で、いちばん使われる料金帯はお花。それよりもちょっと高いところは風景のデザイン、という風になっています」
小山「それはもうルールとして決まっているんですか?」
玉木「いえ、何か統一感みたいなものが必要なのかな、と。たとえば普通切手でしたら、普段のお手紙にも貼るけど、請求書にも貼らないといけない。あんまりかわいすぎても困るかな、と(笑)」
宇賀「私も、請求書を出すときに84円切手をいちばん使っています(笑)」
知らないことがたくさんある、奥深い切手のデザイン。そもそも、玉木さんはどんなきっかけで、切手デザイナーの仕事に就いたのでしょうか?
玉木「切手デザイナーはそもそもの人数が少ないから、募集が少ないんですよ。たまたま、僕が美大の4年生のときに募集があるのを、先生が教えてくれたんです。はじめは、『切手なんて地味じゃん』って思っていたんですけどね。先輩に相談をしたら、『広告のデザインとかはいつでもできるから、やってみてつまらなかったらやめればいいじゃん』と言われまして。挑戦してみました」
小山「切手って、グラフィックデザイナーにとってはおそらく最も小さな作品じゃないですか。でも、歴史に残り続けるものでもありますよね」
玉木「そうなんですよね。息の長さが半端ではないというか、そこが魅力ですよね」
江戸時代の画家・俵屋宗達の屏風「風神雷神図屏風」のデザイン、新幹線の切手など、玉木さんが手がけた切手のコレクションも、スタジオにお持ちいただきました。
小山「俵屋宗達の風神雷神の切手は、原画をコピーしてデザインしてたんですか?」
玉木「いえ、美術館が所蔵している作品なのでそこでフィルムなり画像なりをお借りして、そこから作っています。古い絵って、結構傷んでいるんですよ。色が褪せていたりとか。それをスキャニングして、レタッチをして……」
小山「修復作業を行なっているみたいですね」
玉木「修復というよりは、再現ですね。古い絵だと、宗達の気持ちがわかってくるというか……追体験をしているような感覚になりますね」
宇賀「11月1日に、年賀はがきも発売になって。これから年賀状を書こうという人も多いですよね」
小山「年賀はがきも、玉木さんたちがデザインするんですか?」
玉木「すべてではないのですが、たくさんの部分で、僕たちが担当しています」
来年、2020年は子年。玉木さんがデザインを手がけたはがきも見せていただきました。今年は、「インクジェット写真用」のはがきのデザインを、担当されたようです。「2020」がネズミの耳になっていたり、デザインの工夫も盛りだくさん。準備は、2018年からはじめていたとか!
宇賀「これから、切手を見るのが楽しみになりましたね」
小山「作者が分かるサイトとかはないんですか?」
玉木「日本郵便のホームページを見ると、デザイナーの名前が出ています」
宇賀「それを調べてみるのも楽しみですね!」
玉木明さん、ありがとうございました!
手紙文化を盛り上げよう! ポスト会議#23
全国におよそ2万4千局ある郵便局と連携を取りながら商品開発をしたり、手紙文化を盛り上げていく企画コーナー「ポスト会議」。今回お迎えしたのは、「ラブレター代筆屋」の小林慎太郎さんです。
小山「びっくりしますよね、この肩書き!」
宇賀「これは、ラブレターを代筆するということでいいんですか?」
小林「好きな人にラブレターで気持ちを伝えたいんだけど、何をどう書いていいのかわからないという人から依頼を受けて、代わりに文面を作るという仕事ですね」
小山「他のお仕事もしながら、やられているんですか?」
小林「そうですね、日頃は会社員として働きつつ、平日の夜ですとか週末を利用して活動しています」
小山「素敵ですよね、副業がラブレター代筆って。ドラマになりそう」
宇賀「そもそも、どうして代筆を始めようと思われたんですか?」
小林「原体験としては、私が学生時代から好きな人に想いを伝えるときは、いつもラブレターを書いて渡していたんですね。それが結構うまくいっていて。そして友人に頼まれて書いたら、それもうまくいって。大人になってから、『働きながら好きなこともやりたいな』と考えたときに、そのことを思い出したのがきっかけですね」
気になるのが、代筆してもらうラブレターのお値段。
小山「おいくらなんですか?」
小林「5千円です」
小山「それは、文の長さも関係なく、5千円?」
小林「はい。修正も何回でもお受けする形ですね」
宇賀「依頼はどのくらいあるんですか?」
小林「仕事を始めて5年くらいなんですけど、今まで110通くらいですね」
小山「それで、成功確率というのは……」
小林「男性から女性に送る場合と、女性から男性に送る場合で確率が違うんです。男性から女性に送る場合は、成功確率20%くらい。逆に、女性から男性に送ると、50%くらいですね」
小山「もちろん、女性から男性の立場で書くときは、女っぽく書くんですよね?」
小林「そうですね、女性の人格で書くので。なりきって書きます」
もちろん、内容は依頼者から詳細をヒアリングして書いていくそうです。手紙そのものは、依頼者が直筆で書くので、小林さんの仕事はあくまで下書きを作るところまで。
宇賀「ラブレター以外の代筆は引き受けないんですか?」
小林「そうですね。ただ、私の中でラブレターは、告白とかプロポーズだけではないんです。ご両親に感謝の気持ちを伝えたいとか、別れたお相手とよりを戻したいとか。たまに依頼があるのは、付き合っている人と、円満に別れるための手紙」
小山「それは……ニーズありそうですね」
小林「好きとか愛しているだけじゃなくて、『ありがとう』とか『さようなら』とか、気持ちを伝えるものはぜんぶ私の中ではラブレターなんです」
宇賀「いままででいちばん印象に残っている依頼は?」
小林「いろいろあるんですけど、好きな誰かに送るのではなく、ご依頼者自身に、ラブレターを書いてほしい、というのはありますね」
小山「小林さんから、『私』に書いてほしいっていうことですね。それは、受け取ったことがないから、受け取ってみたいということですか?」
小林「そうですね。複雑な生い立ちの方で、物心ついた時にはご両親がいなくて。愛しているとか、必要とされている言葉をもらったことがないと。ラブレターを通して、そういう言葉を書いてほしいという依頼があったりしますね。好きとか愛している、という言葉が、付き合う、結婚をするということだけではなくて。誰かの心を満たしたり、幸せにするところに繋がっている、ということを知れました」
小山「自分の想いを伝えるだけじゃなくて、心を満たしたり、悩みを吐き出したり、いろんな効果があるんですね」
小林「コミュニケーションが発達しても、手紙は特別な、価値ある手段じゃないかなと思っています」
宇賀「私も、夫が大事な時に手紙を書いてくれるんですよ。会社を辞める時とかも、『自分はこういう気持ちで、こういうことにチャレンジしたいし、こういう状況だから辞めたい。これからはこういうことをしたい』とか」
小山「へえ。同じ家にいるのに、ですか?」
宇賀「はい、机の上に置いてあるんですよ。多分、あんまり話すのも説明するのも得意じゃないと思っているから、大事なことほど手紙を書いてくれるんです。いま、話をしていて思い出しました」
小山「いいですね!」
宇賀「誕生日の時も、私がハンバーガーが好きなので、ハンバーガーのカードで必ず手紙をくれます」
小山「宇賀なつみの、のろけコーナーでした(笑)」
宇賀「(笑)でもどうなんでしょう、男性の方がマメなんですかね?」
小林「そう思います。依頼してくる方も、7割は男性ですね」
そして薫堂さんから「手紙を書くときの極意を、一言で言うと何ですか?」という質問が。
小林「『伝わる手紙』ですね。伝える手紙ではなくて。押し付けではなくて、相手が受け止めやすいようなかたち、内容、温度感で伝えるのが究極だと思います」
宇賀「伝えるではなく、伝わる。ラジオ番組でも同じことが言えますね」
小林慎太郎さんにラブレター代筆をお願いしたい方は、こちらをご覧ください。
http://dsworks.jp
今週の後クレ
今回のメッセージは、<大阪北郵便局>山口輝さんでした!「郵便物を持って行って”ありがとう”って言われるじゃないですか。”ありがとう”って言って頂ける仕事ってなかなか無いと思うんですよね。出した方の思いも一緒に持って行ってるっていうプライドというか自負もありますしね。
で、”郵便屋さん”と言われるんじゃなくて”山口さん”と個人で呼ばれるようになるとすごく親密度が増して嬉しくなって。一番印象に残ってる事が、お客さんの結婚式に呼ばれた事があって。人生で一番晴れやかな舞台にね、僕なんかが言っていいんかな?と思いながら出席させて頂いてね、本当に嬉しかったですね。その時は。」
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