ポストカーはおわら風の盆へ/手紙を書くための5つのステップを伝授
- 2019/10/06
おわら風の盆
今週お届けするのは、「ポストカー」の旅。「ポストカー」は世界に1台だけ。今年の7月から走り始めた移動型郵便局。車の中で手紙を書いて投函をしたり、撮った写真をその場で絵葉書にすることもできます。日本中の「絵はがきにしたい風景」がある場所を巡っていきます。宇賀「今回は、富山県の『おわら風の盆』におじゃましてきました。毎年、9月1日から3日にかけて富山の越中八尾で行われる伝統行事で、300年近い歴史があるんだそうです。ちなみに、その土地で生まれた人しか踊ることができないんですって」
小山「阿波踊りの真逆ですね」
日本でいちばん美しい夜祭と言われる「おわら風の盆」。顔が見えないほど編笠を深くかぶり、三味線や胡弓、太鼓が奏でる哀調を帯びた音楽に乗せて踊ります。
おわら風の盆が八尾の地に根付いた理由を、越中八尾・観光協会事務局の楠純太さんにうかがうと……。
「養蚕をされていた方々がたくさんいらっしゃったんです。蚕の卵を販売する“蚕種”という商売で、最大で全国シェア4分の1の生産量を誇ったほど、この地は養蚕で豊かな繁栄の時代をもたらされたと聞いています」
養蚕業で財をなした旦那衆が、春祭りで引くための山車の豪華さを競い合い、芸術性の高い曳山文化が八尾の地で育まれました。当時の曳山は高さ7メートル50センチ、重さ5トン、無数の彫刻や彫金で彩られた豪華絢爛なもの。その曳山の中で浄瑠璃や長唄の芸能を競い合う文化があり、それが現在のおわら風の盆にも通じているのだとか。
越中八尾で生まれ育った人にとっては、どんなお祭りなのでしょうか?
町の人へ尋ねていくと、ある男性と出会いました。
「一つの目安としては、26歳を迎える年が卒業とは言われていまして。自分は今年、その26歳になるので、卒業を迎えます。これからは裏方で、踊り子を育てていければいいかなと思っています」
4歳から、仲間と一緒に「おわら」を踊ってきた男性は、大学進学を機に一度は富山を出ても、夏休みになると練習のために、毎年戻ってきていたそうです。
越中八尾で生まれた人の、心に根付いているおわら。子どもの頃は、練習の後にもらえるアイス目当てで踊っていても、やがて「自分も町の代表として踊れるようになりたい」と憧れの気持ちが強くなってくるのだそうです。
日本でいちばん美しい夜祭と呼ばれているように、おわら風の盆は深夜0時を過ぎるとまた違う顔を見せます。それは、諏訪町の「夜中の町流し」。深夜1時から、ベテランの踊り手たちがしなやかに、軽やかに踊ります。この夜中の町流し目当ての観光客も、年々増えているのだとか。
最後に、観光協会の楠さんに、越中八尾に暮らす方にとって「おわら」とは存在になっているのかをうかがいました。
「生活の中でなくてはならないものになっているんだと思います。若いうちに引退したあとは、歌、楽器などの“地方”というまた違うステップが待っていますので、一生をかけて芸を育んでく生き甲斐というか、大事な文化なのだと思っています」
小山「お祭りって、もっと華やかで威勢のいいもののイメージがありますけど、すごくしっとりとしていて艶がありますね」
宇賀「地元のものというか、ずっと守られてきた感じですね」
小山「夜中の町流し、これは見てみたいですね。夜中の1時に始まるそうですよ」
そして、このおわら風の盆の会場に、ポストカーもおじゃましてきました。
憧れだったおわら風の盆に来れた喜びを、娘さんたちに手紙で伝えた女性。
かつての入院仲間で、いまはお互い元気になった友人へ手紙を送った女性。
そして、よさこい踊りの仲間同士でお祭りに来た、元気な女性グループのみなさん……。
たくさんの方が、ポストカーで手紙を書いてくださいました。ポストカーに遊びに来てくださったみなさん、ありがとうございました!
おわら風の盆が八尾の地に根付いた理由を、越中八尾・観光協会事務局の楠純太さんにうかがうと……。
「養蚕をされていた方々がたくさんいらっしゃったんです。蚕の卵を販売する“蚕種”という商売で、最大で全国シェア4分の1の生産量を誇ったほど、この地は養蚕で豊かな繁栄の時代をもたらされたと聞いています」
養蚕業で財をなした旦那衆が、春祭りで引くための山車の豪華さを競い合い、芸術性の高い曳山文化が八尾の地で育まれました。当時の曳山は高さ7メートル50センチ、重さ5トン、無数の彫刻や彫金で彩られた豪華絢爛なもの。その曳山の中で浄瑠璃や長唄の芸能を競い合う文化があり、それが現在のおわら風の盆にも通じているのだとか。
越中八尾で生まれ育った人にとっては、どんなお祭りなのでしょうか?
町の人へ尋ねていくと、ある男性と出会いました。
「一つの目安としては、26歳を迎える年が卒業とは言われていまして。自分は今年、その26歳になるので、卒業を迎えます。これからは裏方で、踊り子を育てていければいいかなと思っています」
4歳から、仲間と一緒に「おわら」を踊ってきた男性は、大学進学を機に一度は富山を出ても、夏休みになると練習のために、毎年戻ってきていたそうです。
越中八尾で生まれた人の、心に根付いているおわら。子どもの頃は、練習の後にもらえるアイス目当てで踊っていても、やがて「自分も町の代表として踊れるようになりたい」と憧れの気持ちが強くなってくるのだそうです。
日本でいちばん美しい夜祭と呼ばれているように、おわら風の盆は深夜0時を過ぎるとまた違う顔を見せます。それは、諏訪町の「夜中の町流し」。深夜1時から、ベテランの踊り手たちがしなやかに、軽やかに踊ります。この夜中の町流し目当ての観光客も、年々増えているのだとか。
最後に、観光協会の楠さんに、越中八尾に暮らす方にとって「おわら」とは存在になっているのかをうかがいました。
「生活の中でなくてはならないものになっているんだと思います。若いうちに引退したあとは、歌、楽器などの“地方”というまた違うステップが待っていますので、一生をかけて芸を育んでく生き甲斐というか、大事な文化なのだと思っています」
小山「お祭りって、もっと華やかで威勢のいいもののイメージがありますけど、すごくしっとりとしていて艶がありますね」
宇賀「地元のものというか、ずっと守られてきた感じですね」
小山「夜中の町流し、これは見てみたいですね。夜中の1時に始まるそうですよ」
そして、このおわら風の盆の会場に、ポストカーもおじゃましてきました。
憧れだったおわら風の盆に来れた喜びを、娘さんたちに手紙で伝えた女性。
かつての入院仲間で、いまはお互い元気になった友人へ手紙を送った女性。
そして、よさこい踊りの仲間同士でお祭りに来た、元気な女性グループのみなさん……。
たくさんの方が、ポストカーで手紙を書いてくださいました。ポストカーに遊びに来てくださったみなさん、ありがとうございました!
手紙文化を盛り上げよう! ポスト会議#21
全国におよそ2万4千局ある郵便局と連携を取りながら商品開発をしたり、手紙文化を盛り上げていく企画コーナー「ポスト会議」。前回に引き続き、「手紙文化振興協会」から“手紙の書き方コンサルタント”の青木多香子さんと田丸有子さんをお迎えしました。
小山「先週はお二人に手紙の楽しみ方をうかがって……今回は実践です」
宇賀「手紙の書き方を教えていただきたいと思うのですが、どんなことから始めるといいんですか?」
青木「5つのステップがあります。まずは、紙選び。どんなレターアイテムを選ぶのか。2つめは、筆記具選び。何で書くのか、どんな色で書くのか。3つめで、はじめて文章を考えます。そして4つ目に、文字を手書きする。最後が、切手。どんな切手を選ぶか。この5つが手紙の要素として、まず考えていただきたいことです」
紙選び、切手選びでは、季節にちなんだもの、秋であれば、落ち葉、桔梗、お月見のうさぎなどを選ぶのがおすすめだそうです。
青木「相手の趣味にちなんで、コーヒー好きの方にはコーヒーの絵柄が入ったもの、音楽好きの方には音符やピアノの絵が入っているものを選ぶのも一つですね」
宇賀「書いてみたくなりますね!」
小山「今、書きます! 誰に書くといいですかね?」
田丸「お互いに書くのがいいかもしれませんね」
レターアイテムをお借りして、薫堂さんと宇賀さんはそれぞれに手紙を書くことになりました。
宇賀「文章を考えるのは、テクニックはいらないんですか?」
青木「もしも迷われたら、3つの法則を覚えていただくと、書きやすくなります。一つ目は、あいさつの言葉。季節の言葉でもいいですし、ありがとうとか、感謝の言葉でオーケーです。『最近、いかがお過ごしですか?』と健康を気遣うのもありです。そして本文。ここでいちばん伝えたいことを書く。そして結びの言葉。これからその方と関係を続けていきたい未来につながる言葉として、『またお会いしましょう』とか、『またお会いできるのを楽しみにしています』など、もう一度感謝の言葉を書くのがいいですね」
小山「なるほど」
青木「私がいちばん好きなのは、『○○しますように』というおまじないの言葉です。『笑顔あふれる毎日になりますように』とか、『楽しい時間になりますように』とか。『たくさん幸せが訪れますように』とか」
二人のアドバイスを受けて、手紙を書く薫堂さんと宇賀さん。
小山「これ、お互いに手紙を渡して、読み合いましょうよ」
まずは、宇賀さんの手紙。
〈薫堂さん いつもありがとうございます。毎日忙しそうですが、小さな秋を見つけてみてください。長生きできますように〉
この結びの言葉には、みなさん大ウケでした。
小山「長生きできますようにって言われると、なんか……(笑)」
宇賀「薫堂さんは毎日、分刻みでスケジュールが入っていらっしゃるので、秋の植物の便箋を選んで……生き急がないでくださいね、という意味です。決しておじいちゃん扱いしているわけではないです(笑)」
そして、薫堂さんの手紙。
〈今さらですが、フリー活動おめでとう。宇賀さんの人生、山登りにたとえると今は何合目くらいでしょう? 今度はふたりで10合くらい呑みましょう〉
「10合は呑めますよ、2人だったら!」と、切り返す宇賀さん。
宇賀「私たちの手紙、いかがでしたか?」
青木「それぞれ、字から温かみや可愛さが表れていて、絵も入っていてすごくいいです」
小山「こうやって葉書とか便箋のデザイン逆算で、言葉を考えるのもいいですね」
青木「メールやSNSではいくらでも書ける中で、手紙は限られた中で何をいちばん伝えたいか、伝えないといけないか、というところにフォーカスするんですよね。『自分はこういうことを思っていたんだ』と、改めて気付けるのも手紙の良さかなと思います」
宇賀「いやー、手紙って深いですね、今さらですが」
小山「半年目にしてようやく……勉強になりました」
手紙文化振興協会のホームページには、講座の案内も掲載されているので、放送を聞いて興味を持った方はぜひ、チェックしてみてください。
手紙文化振興協会の青木多香子さん、田丸有子さん、ありがとうございました!
手紙文化振興協会
今週の後クレ
今回のメッセージは、<静岡中央郵便局>の、内藤千愛さんでした!「働く前はただただポストに郵便物を入れるだけの単純なお仕事かなぁって思ってたんですけれど、実際働いてみたらお客様とお話する機会ですとか、毎日顔を合わせるお客様とかもいらっしゃったりとかして。郵便物を心待ちにして下さってるお客様も本当に多くいらっしゃって。”あ!よかった!待ってたの!”という風に仰って頂けたりすると、この仕事してて良かったなぁって思います。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
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〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛