建築家 隈研吾さんをお迎えして
- 2019/09/15
ゲストは隈研吾さん
今週、ゲストにお迎えしたのは建築家の隈研吾さん。隈さんと薫堂さんは古くからのお知り合い。出会いのきっかけは2人とも「覚えていない」と口を揃えていましたが……。
小山「あっ、『ニューデザインパラダイス』が最初じゃないですか? 昔やっていた、いろんなクリエイターの方に、すでにあるものの概念を壊すようなものを作っていただくという番組だったんですよ。そのとき隈さんに、犬小屋を作っていただいたんです」
隈「それがまたバカバカしくてね。犬のぬいぐるみを重ねていって、犬小屋にしたの」
宇賀「ええ!?」
隈「そうすると、犬が仲間がいると思って安心するんじゃないかな、と思ったんだよね(笑)」
宇賀「(笑)よくやってくださいましたね!」
小山「クマさんに、犬をお願いするっていうね(笑)」
日本の風景を音と手紙でお届けしている「SUNDAY’S POST」。まず、隈さんのご出身地をうかがいました。
隈「横浜で生まれて育ったんですけど、もともと、隈家は長崎県の大村市なんだよね。だから薫堂さんとも割と近くなんだよね」
宇賀「もともとはどういうお家に住んでいらっしゃったんですか?」
隈「木造の、戦前に建った家で。東京で医者をやっていたおじいちゃん、週末に畑いじりをしたくて作った小屋みたいな家なの。僕とか妹とかが生まれると、少しずつ増築して。それで大工さんが作るのをずっと見ていたのが、いまの仕事のきっかけの一つかもしれない」
宇賀「そうなんですね! 当時から興味はあったんですか?」
隈「うん、大工さんが外装を作って、そのあとにペンキを塗るのは親父と僕でやって」
小山「じゃあ、初めて建築家という職業を意識したのはいつ頃だったんですか?」
隈「それはすごく覚えているんだけど。前のオリンピックが1964年で、僕が小学校4年生の時で。その時に、丹下健三が設計した代々木体育館を見に連れていってもらったわけ。そうしたらあまりに格好良くて。内部空間もすごいんだよね、上から劇的な感じで光が入ってきて……びっくりしちゃって。『こういうのって誰が作るの?』って聞いたら、『建築家が作るんだ』っていうから、じゃあそれになりたいな、って思ったの」
小山「その時、そう思った小学4年の男の子が、次のオリンピックの会場をつくる!」
宇賀「映画みたいな話ですね!」
隈「子どもたちってそういうのを見て影響を受けるからね。やっぱりそのためにもちゃんとしないといけないなあと改めて思いました」
国立代々木競技場を見て、建築家を志した隈研吾さん。56年の時を経て、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式などの舞台にもなる「新国立競技場」の設計に携わっています。
宇賀「隈さんといえば木を使った建築が有名ですけど、木に対する思い入れというのは?」
隈「子どもの頃の家が木造の古い建物だから、全部畳敷きなわけ。だから匂いがやっぱり違うんだよね。木の匂いを嗅ぐといまでも安心するのは、やっぱりその時の原体験かなあと思いますね」
小山「競技場に入るとやっぱり、木の香りはしますか?」
隈「場所によってはね」
小山「今回、全国の木を使っているんですよね?」
隈「そう、最初はただ、日本の杉を使います、だったんだけど。どこの杉を使おうと思ったら、杉って日本中でいいのが採れるんだよ。どこかだけ選ぶのも何だなと思ったから、『47都道府県の全ての木を使います』って言って。47個、並べてみたこんなに色が違うのかって。同じ杉なのに、色も違うし、木目のピッチも違うし……各県の美女みたいな感じですよ(笑)」
小山・宇賀「(笑)」
小山「今回、客席の色もたしか違うんですよね」
隈「これもね、やっぱり普通は一つの色にするんですよ。真っ赤にするとか真っ青にするとか。でも、屋根も天井も木でできているから、それにあったような椅子の色は、赤でも青でも白でもないなって思って。落ち葉のような色にしようって。落ち葉の色って、緑とか黄色とか混じっているじゃない? そういう何色かを持ってきて、一番木の色と相性がいいのを集めて。それをまだらに、まさに落ち葉がファーっと散ったみたいな感じになって。そうすると、観客が入っていない時でもわりと寂しくないわけ」
小山「それ、すごいですね!」
隈「普通の競技場は、満席の時はいいけど、少しの時は『ああ、さみしいな』ってなるでしょう。それがね、僕はしょっちゅう現場に行っているんだけど、ぼーっとしていると『あれ、今日はこんなに人が座っているんだ?』みたいな感じ(笑)」
宇賀「早く行ってみたいですね!」
日本、そして世界各地で建築の設計を手掛けている隈さん。普段、どんなところからインスピレーションを受けているのでしょうか?
隈「街歩き。なるべく海外でも日本でも、街を歩いて。そうすると、不思議な場所とかあるでしょう。有名建築じゃなくても、面白い工夫をしている建築が見つかるんだよね。車に乗ったり、ネットで見ても見つからないんだけど、自分の足で歩くと街の秘密がいろいろわかってきて、それが建築のヒントがいっぱい詰まっていますね」
宇賀「普通の個人宅でもそうですか?」
隈「うん、塀の作り方が面白いとか、そういうのはいっぱいありますね」
さらに、薫堂さんは、隈さんの行動で気になっていたことがあるようで……。
小山「いつも一人で動かれていますよね?」
隈「自分で見たいものを一人で見れるじゃない? スタッフやクライアントが一緒に行くと、自分勝手の動きができないじゃない。自分の好きなようにやるのがいいなあ」
小山「あと、いつも身軽ですよね?」
隈「これはね、自慢できる。2週間の海外旅行でも肩に下げるバック以上のものは持ったことがない」
小山「えっ、預けたりもしないんですか?」
隈「預けない。昔、失くなったことがあったから、絶対に預けないってまず決めているし、それに飛行機の乗り換えが短い時は、ローリーだと走れないんだよね。ゲートからゲートへ走る時とかは、肩掛けがいちばん走れるね」
宇賀「隈さんも走るんですね。着替えとかはどうされるんですか?」
隈「それも簡単で、足りなくなったら買えばいい。想像以上に寒い時とかもあるでしょう。そういう時は、買う。買う理由ができていいな、と思うわけ」
小山「でも、世界一周とかもあるじゃないですか。荷物増えると、どうするんですか?」
隈「その時は捨てる」
小山「捨てる!?」
隈「捨てるのもさ、理由がないとなかなか捨てないじゃない。だから捨てる理由があるっていうことは、ありがたいことなんですよ」
たとえば2週間の旅行だとしたら、カバンの中身で充実しているのは、歯磨きと髭剃りのセットとお風呂のセット。それ以外はTシャツとぐちゃぐちゃにできるジャケット。それが、ほとんどすべてなのだそうです。そしてなんと、お仕事で使いそうなパソコンも持っていかないとか!
隈「iPhoneに、毎日ものすごい数の図面が送られてくるんですよ」
宇賀「図面がiPhoneに送られてくるんですか! 衝撃です!」
隈「だって、大きくできるじゃん(笑)。iPhoneで見るとかっこいいとかダメってすぐに分かる。逆に、大きなもので良さがわからないようだと、ダメなんだよね、図面は。iPhoneの画面で見て“おっ、これイケてるな”って思うものじゃないと」
小山「建築家って、どんなクライアントに出会うかで、人生変わりませんか?」
隈「やっぱり自分一人で作っているものじゃないから、面白いクライアントにプッシュされて、自分も面白い方向に行った、っていうのはある。僕はルーバー、格子って結構使うでしょう。それを最初に大々的に使ったのは、葉山の別荘か何かで。僕はそれまで横の棒しか使っていなかったんだけど、そのクライアントに『縦格子がいい』って言われたのね。『縦格子?』ってその時は思ったんだけど、試してみたら、意外と良くて。人間って意外と、自分がやってきたことを繰り返す癖があるから、人にこうしてくれって言われると最初は『えー』って思うけど、やってみると意外に良くて。こっちの方が俺に合っている、っていうこともあるんだよね」
そして、今まででいちばん思い入れのある建築は? という質問には、2000年に完成した、栃木県馬頭の「東海道広重美術館」という答えが返ってきました。木を全面的に使った建築で、隈さんは「この方向で違う世界に行けるかもしれない」と思ったそうです。
隈「90年代ってバブルが終わって、ばったり仕事がなくなって。10年間、東京で仕事がなかったの。その時に、暇だからいっぱい地方を旅して。小さな公衆便所とかを職人さんと作ったり。職人さんから、いろんなことを教わったの。そういう10年間の蓄積が初めて活かされたのが、広重美術館だったんだね」
小山「やっぱり、人生にはいろんな意味があるんですね」
隈「仕事なくてつまんないなあっていう時期が、逆に後になって、効いてくるんだよね」
小山「建築って、本当に人を引き寄せる力があるなあって、つくづく思うんですよね。同じ中身でも、人が入って行きたくなるものと、別にいいやっていうものがありますよね」
隈「説明つかないけど、あるよね。結局、人間も同じで『この人と呑みたいな』っていうのもあるじゃない。だから、建築って生きていると思うな。完全に生き物だと思う」
そして、薫堂さんからあるお願いがあるようで……。
小山「たとえば、郵便ポストを隈さんが作るなら……ということを考えていたんですけど」
宇賀「では、そのお話はポスト会議で!」
隈「それがまたバカバカしくてね。犬のぬいぐるみを重ねていって、犬小屋にしたの」
宇賀「ええ!?」
隈「そうすると、犬が仲間がいると思って安心するんじゃないかな、と思ったんだよね(笑)」
宇賀「(笑)よくやってくださいましたね!」
小山「クマさんに、犬をお願いするっていうね(笑)」
日本の風景を音と手紙でお届けしている「SUNDAY’S POST」。まず、隈さんのご出身地をうかがいました。
隈「横浜で生まれて育ったんですけど、もともと、隈家は長崎県の大村市なんだよね。だから薫堂さんとも割と近くなんだよね」
宇賀「もともとはどういうお家に住んでいらっしゃったんですか?」
隈「木造の、戦前に建った家で。東京で医者をやっていたおじいちゃん、週末に畑いじりをしたくて作った小屋みたいな家なの。僕とか妹とかが生まれると、少しずつ増築して。それで大工さんが作るのをずっと見ていたのが、いまの仕事のきっかけの一つかもしれない」
宇賀「そうなんですね! 当時から興味はあったんですか?」
隈「うん、大工さんが外装を作って、そのあとにペンキを塗るのは親父と僕でやって」
小山「じゃあ、初めて建築家という職業を意識したのはいつ頃だったんですか?」
隈「それはすごく覚えているんだけど。前のオリンピックが1964年で、僕が小学校4年生の時で。その時に、丹下健三が設計した代々木体育館を見に連れていってもらったわけ。そうしたらあまりに格好良くて。内部空間もすごいんだよね、上から劇的な感じで光が入ってきて……びっくりしちゃって。『こういうのって誰が作るの?』って聞いたら、『建築家が作るんだ』っていうから、じゃあそれになりたいな、って思ったの」
小山「その時、そう思った小学4年の男の子が、次のオリンピックの会場をつくる!」
宇賀「映画みたいな話ですね!」
隈「子どもたちってそういうのを見て影響を受けるからね。やっぱりそのためにもちゃんとしないといけないなあと改めて思いました」
国立代々木競技場を見て、建築家を志した隈研吾さん。56年の時を経て、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式などの舞台にもなる「新国立競技場」の設計に携わっています。
宇賀「隈さんといえば木を使った建築が有名ですけど、木に対する思い入れというのは?」
隈「子どもの頃の家が木造の古い建物だから、全部畳敷きなわけ。だから匂いがやっぱり違うんだよね。木の匂いを嗅ぐといまでも安心するのは、やっぱりその時の原体験かなあと思いますね」
小山「競技場に入るとやっぱり、木の香りはしますか?」
隈「場所によってはね」
小山「今回、全国の木を使っているんですよね?」
隈「そう、最初はただ、日本の杉を使います、だったんだけど。どこの杉を使おうと思ったら、杉って日本中でいいのが採れるんだよ。どこかだけ選ぶのも何だなと思ったから、『47都道府県の全ての木を使います』って言って。47個、並べてみたこんなに色が違うのかって。同じ杉なのに、色も違うし、木目のピッチも違うし……各県の美女みたいな感じですよ(笑)」
小山・宇賀「(笑)」
小山「今回、客席の色もたしか違うんですよね」
隈「これもね、やっぱり普通は一つの色にするんですよ。真っ赤にするとか真っ青にするとか。でも、屋根も天井も木でできているから、それにあったような椅子の色は、赤でも青でも白でもないなって思って。落ち葉のような色にしようって。落ち葉の色って、緑とか黄色とか混じっているじゃない? そういう何色かを持ってきて、一番木の色と相性がいいのを集めて。それをまだらに、まさに落ち葉がファーっと散ったみたいな感じになって。そうすると、観客が入っていない時でもわりと寂しくないわけ」
小山「それ、すごいですね!」
隈「普通の競技場は、満席の時はいいけど、少しの時は『ああ、さみしいな』ってなるでしょう。それがね、僕はしょっちゅう現場に行っているんだけど、ぼーっとしていると『あれ、今日はこんなに人が座っているんだ?』みたいな感じ(笑)」
宇賀「早く行ってみたいですね!」
日本、そして世界各地で建築の設計を手掛けている隈さん。普段、どんなところからインスピレーションを受けているのでしょうか?
隈「街歩き。なるべく海外でも日本でも、街を歩いて。そうすると、不思議な場所とかあるでしょう。有名建築じゃなくても、面白い工夫をしている建築が見つかるんだよね。車に乗ったり、ネットで見ても見つからないんだけど、自分の足で歩くと街の秘密がいろいろわかってきて、それが建築のヒントがいっぱい詰まっていますね」
宇賀「普通の個人宅でもそうですか?」
隈「うん、塀の作り方が面白いとか、そういうのはいっぱいありますね」
さらに、薫堂さんは、隈さんの行動で気になっていたことがあるようで……。
小山「いつも一人で動かれていますよね?」
隈「自分で見たいものを一人で見れるじゃない? スタッフやクライアントが一緒に行くと、自分勝手の動きができないじゃない。自分の好きなようにやるのがいいなあ」
小山「あと、いつも身軽ですよね?」
隈「これはね、自慢できる。2週間の海外旅行でも肩に下げるバック以上のものは持ったことがない」
小山「えっ、預けたりもしないんですか?」
隈「預けない。昔、失くなったことがあったから、絶対に預けないってまず決めているし、それに飛行機の乗り換えが短い時は、ローリーだと走れないんだよね。ゲートからゲートへ走る時とかは、肩掛けがいちばん走れるね」
宇賀「隈さんも走るんですね。着替えとかはどうされるんですか?」
隈「それも簡単で、足りなくなったら買えばいい。想像以上に寒い時とかもあるでしょう。そういう時は、買う。買う理由ができていいな、と思うわけ」
小山「でも、世界一周とかもあるじゃないですか。荷物増えると、どうするんですか?」
隈「その時は捨てる」
小山「捨てる!?」
隈「捨てるのもさ、理由がないとなかなか捨てないじゃない。だから捨てる理由があるっていうことは、ありがたいことなんですよ」
たとえば2週間の旅行だとしたら、カバンの中身で充実しているのは、歯磨きと髭剃りのセットとお風呂のセット。それ以外はTシャツとぐちゃぐちゃにできるジャケット。それが、ほとんどすべてなのだそうです。そしてなんと、お仕事で使いそうなパソコンも持っていかないとか!
隈「iPhoneに、毎日ものすごい数の図面が送られてくるんですよ」
宇賀「図面がiPhoneに送られてくるんですか! 衝撃です!」
隈「だって、大きくできるじゃん(笑)。iPhoneで見るとかっこいいとかダメってすぐに分かる。逆に、大きなもので良さがわからないようだと、ダメなんだよね、図面は。iPhoneの画面で見て“おっ、これイケてるな”って思うものじゃないと」
小山「建築家って、どんなクライアントに出会うかで、人生変わりませんか?」
隈「やっぱり自分一人で作っているものじゃないから、面白いクライアントにプッシュされて、自分も面白い方向に行った、っていうのはある。僕はルーバー、格子って結構使うでしょう。それを最初に大々的に使ったのは、葉山の別荘か何かで。僕はそれまで横の棒しか使っていなかったんだけど、そのクライアントに『縦格子がいい』って言われたのね。『縦格子?』ってその時は思ったんだけど、試してみたら、意外と良くて。人間って意外と、自分がやってきたことを繰り返す癖があるから、人にこうしてくれって言われると最初は『えー』って思うけど、やってみると意外に良くて。こっちの方が俺に合っている、っていうこともあるんだよね」
そして、今まででいちばん思い入れのある建築は? という質問には、2000年に完成した、栃木県馬頭の「東海道広重美術館」という答えが返ってきました。木を全面的に使った建築で、隈さんは「この方向で違う世界に行けるかもしれない」と思ったそうです。
隈「90年代ってバブルが終わって、ばったり仕事がなくなって。10年間、東京で仕事がなかったの。その時に、暇だからいっぱい地方を旅して。小さな公衆便所とかを職人さんと作ったり。職人さんから、いろんなことを教わったの。そういう10年間の蓄積が初めて活かされたのが、広重美術館だったんだね」
小山「やっぱり、人生にはいろんな意味があるんですね」
隈「仕事なくてつまんないなあっていう時期が、逆に後になって、効いてくるんだよね」
小山「建築って、本当に人を引き寄せる力があるなあって、つくづく思うんですよね。同じ中身でも、人が入って行きたくなるものと、別にいいやっていうものがありますよね」
隈「説明つかないけど、あるよね。結局、人間も同じで『この人と呑みたいな』っていうのもあるじゃない。だから、建築って生きていると思うな。完全に生き物だと思う」
そして、薫堂さんからあるお願いがあるようで……。
小山「たとえば、郵便ポストを隈さんが作るなら……ということを考えていたんですけど」
宇賀「では、そのお話はポスト会議で!」
手紙文化を盛り上げよう! ポスト会議#18
全国におよそ2万4千局ある郵便局と連携を取りながら、新しいムーブメントを作ったり、商品開発をしていく企画コーナー「ポスト会議」。今回は引き続き建築家の隈研吾さんをお迎えして「隈さんに郵便ポストを作ったとしたら……」という議題で、お話ししていきます。
小山「隈さんが郵便ポストを作ったら……。さっきの建築が人を引き寄せるじゃないんですけど、手紙を出したくなる人が増えるんじゃないかなって」
宇賀「わざわざそこに出しに行きたいですよね」
隈「あー、それは面白いかもねえ」
まずは薫堂さんと宇賀さんのアイデアから。
小山「たとえばですよ、ボストに出しに行くんじゃなくて、ポストの中から出す。すごく狭い、1畳くらいの空間で手紙を書いて、そのまま中から出すっていう。それが郵便局の前にあったら、入って書きたくなるんじゃないかな」
宇賀「私が思いついたのは、公園の遊具みたいに、こう入れたらするするするって降りて行って、ポンと溜まる、みたいな……隈さん、どうでしょう?(笑)」
隈「中と外が逆転している、みたいなのは面白いよね」
宇賀「でもせっかくだから、新国立競技場のところに隈さんのポストがあるといいなあ。競技場にそのまま作っちゃえば、面白いですよね」
隈「あー、それは面白いね」
宇賀「そうしたら世界中の人が、そこから出すわけですよね」
小山「でも確かに、新国立の中にあって、見た興奮とか感動を、選手に書いて送るとか。次の励みにもなりますよね」
宇賀「メールとかラインじゃなくて、手紙に書いて」
隈「臨場感とか空気感が、そのまま紙に移るような気がするね」
小山「そこに作るとしたら、どんなポストになるんですかね?」
隈「あそこの空気感が伝わるような。やっぱりね、杉の香りがするポスト」
小山「確かに、そのポストに投函したら、届いたら時に嗅いだら、杉の香りがほんのり着いている」
隈「人間の臭覚ってものすごく鋭いから、だんだんそういう気になってくるんですよ」
宇賀「いいですよね」
小山「じゃあ次、新国立の責任者の方をここにお呼びして……」
宇賀「楽しそう。公開前に、ロケにも行きましょうよ」
小山「『隈先生がぜひ作りたいと申していました』って(笑)。でも、本当にできたら夢が広がりますね」
隈研吾さんデザインのポスト、本当に実現したら楽しそう! 隈さん、楽しいお話をありがとうございました。
「ぽすくまからのお知らせ」
日本郵便のキャラクター、くまのぬいぐるみの郵便屋さん「ぽすくま」が、9月21日に、7回目のお誕生日を迎えます。
そこで今、「ぽすくま」へのお誕生日のお手紙を、募集しているそうです。送っていただくと、「ぽすくま」からのお返事も届きます(お返事は、1ヶ月から1ヶ月半、かかることもあります)。
宛先は、【〒152-8799 目黒郵便局 私書箱87号「ぽすくま宛郵便受取事務局」】
さらに9月21日当日は、「ぽすくま」のバースデーイベントも開かれます。
場所はJPタワーKITTEの1階アトリウムと4階の旧東京中央郵便局長室。
ぽすくまについて
ぽすくまバースデーイベントの詳細
今週の後クレ
今回のメッセージは、森の郵便局で働くぽすくまからでした!「森の郵便局で働いています。ぽすくまです。この手紙を送った人、受け取る人は、どんな人なんだろう。そんな事を思いながら配達しています。
実は僕、9月21日が誕生日なんですが、毎年、たくさんのお手紙をもらいます。いつもは配達しているお手紙ですが、自分宛に来ると、とっても嬉しいです。お手紙をもらうと、自分も誰かにを出したくなりますよね。誰に書こうかなあ」
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