日本最古の藍染/絵手紙の新企画
- 2019/07/21
宮城県栗原市 日本最古の染色を受け継ぐ一家
音と手紙で日本を旅する「SUNDAY’S POST」。今週お届けしたのは、宮城県栗原市のある一族が受け継いでいる、日本最古の「染色」の物語です。宇賀「薫堂さんは、冷染(ひやぞめ)って聞いたことありますか?」
小山「染物ですか?」
宇賀「そうなんです。藍染の技法のひとつで、日本最古の染色技法なんですって。いま、この技術を唯一受け継いでいるのが、宮城県栗原市の“千葉家”のみなさんなんです」
小山「その千葉さん一家しか、染められないんですね」
日本最古の染色技術「冷染」。今回、取材した栗原市の千葉家に受け継がれてきた藍染は「正藍冷染」と呼ばれています。栗原で冷染は細々と伝えられていましたが、いまでも技術を受け継いでいるのは千葉家だけ。お話をうかがった3代目の千葉まつ江さんは今年で89歳。いまは、息子さんで4代目の正一さん、お手伝いの横田さんといっしょに、冷染の文化を守っています。
染料「藍だて」は材料の収穫、発酵など、作るのに1年を費やします。
布を染めたあとは、工房の前を流れる川の水で染料を洗い流します。きれいな藍色を出すために、水道水は使わないと決めているそうです。
まつ江さんは「藍は同じ色には染まらない。薄いのもあれば濃いのもある。その時の天候にもよるしね。楽なようでいてね、難しいんですよ」と教えてくれました。
化学に頼らない、混じり気のない染料だからこそ。1年かけて作った「藍だて」も、染色に使えるのは1ヶ月半ほどなのだとか。
正一さんは、こんなお話をしてくださいました。「染まらなくなっても、藍だてをすぐに捨てることはできない。腐ってしまってもしばらく置いて、そのままにしている。どうしてか……『どうもありがとう』という気持ちがあるから。そういう気持ちがないと、染まらねえ。こっちが使うだけ使って、すぐにポイというのは」
1年を通じて、自然、そして藍と対話を繰り返すからこそきれいな藍色が受け継がれてきたのでしょう。
音を聞いた2人は……
小山「音を聴く前と、冷染の印象が変わりましたね。なんともいえない、優しい染まり具合ですよね」
宇賀「本当に自然の色なんですね。川の水も雨が降ったりすると、日によって変わりますものね」
小山「染料って本当に生き物なんですね。染まらなくなってもすぐに捨てられない、ありがとうの気持ちがあって、腐るまで捨てられない……という思いを聞くと、一生手放せなくなるでしょうね」
宇賀「準備に1年かかって、染められるのは1ヶ月半……生きているんですね」
染料「藍だて」は材料の収穫、発酵など、作るのに1年を費やします。
布を染めたあとは、工房の前を流れる川の水で染料を洗い流します。きれいな藍色を出すために、水道水は使わないと決めているそうです。
まつ江さんは「藍は同じ色には染まらない。薄いのもあれば濃いのもある。その時の天候にもよるしね。楽なようでいてね、難しいんですよ」と教えてくれました。
化学に頼らない、混じり気のない染料だからこそ。1年かけて作った「藍だて」も、染色に使えるのは1ヶ月半ほどなのだとか。
正一さんは、こんなお話をしてくださいました。「染まらなくなっても、藍だてをすぐに捨てることはできない。腐ってしまってもしばらく置いて、そのままにしている。どうしてか……『どうもありがとう』という気持ちがあるから。そういう気持ちがないと、染まらねえ。こっちが使うだけ使って、すぐにポイというのは」
1年を通じて、自然、そして藍と対話を繰り返すからこそきれいな藍色が受け継がれてきたのでしょう。
音を聞いた2人は……
小山「音を聴く前と、冷染の印象が変わりましたね。なんともいえない、優しい染まり具合ですよね」
宇賀「本当に自然の色なんですね。川の水も雨が降ったりすると、日によって変わりますものね」
小山「染料って本当に生き物なんですね。染まらなくなってもすぐに捨てられない、ありがとうの気持ちがあって、腐るまで捨てられない……という思いを聞くと、一生手放せなくなるでしょうね」
宇賀「準備に1年かかって、染められるのは1ヶ月半……生きているんですね」
手紙文化を盛り上げよう! ポスト会議#10
全国におよそ2万4千局ある郵便局と連携を取りながら、新しいムーブメントを作りや、商品開発をしていく企画コーナー「ポスト会議」。今回は、来たる7月23日、「ふみの日」にそなえて……「絵手紙の創始者」と呼ばれる方をゲストにお迎えしました。日本絵手紙協会名誉会長の小池邦夫さんです。
小山「絵手紙は、絵葉書とはまた違うんですか?」
小池「絵手紙って印刷された絵や写真でしょう。絵手紙の場合は、絵も描くし、自分の文章を自分の文字で書くでしょう。それが絵手紙なんです」
小山「はがきもあれば、封書でもいいんですね」
絵手紙協会の名誉会長である小池さんのもとには、毎日たくさんの絵手紙が届くそうで、その日、小池さんの私書箱に届いていた絵手紙をスタジオに持ってきていただきました。その量とクオリティの高さに、薫堂さんも宇賀さんもびっくりしていました。
宇賀「そのままお軸にできそうな絵手紙がたくさん」
小山「絵手紙の趣味っていいですね」
小池「これまでは手紙って“きれいに書かないといけない”とか、文面とかもなんとなく決まっていましたが、手紙というのは好きな人に出すものですから。自由に、自分らしいものを書こうと、僕は絵手紙運動を始めたんです。モットーは“ヘタでいい ヘタがいい”です」
小山「小池さんに届く絵手紙を見ると、みなさんじゅうぶんうまいですよ」
墨の濃淡だけで描いた絵や、絵が描かれた大きな和紙を折りたたんだ手紙など……とにかくいろいろな絵手紙があります。
小山「ルールはないんですか?」
小池「あるんです。空想ではなく、実物を見て大きく描くこと。大きいと、ヘタでも迫ってくるものがあるんです。そうこうしているうちに、自分らしい絵のかたちが見えてくるんです」
宇賀「私も描いてみようかな……」
他にも、小池さんが本の企画で1年間で6万通の絵手紙を描いたこと(1日200通!)、ご自分の絵手紙は「作物」だと思っていることなど教えていただきました。
小山「放送を聞いて、絵手紙を描きたくなっている人、多いと思うんですけど……ちょっと僕、アイデアを思いついたんですけど、SUNDAY’S POSTで『小池邦夫杯 絵手紙選手権』をやってみませんか? 絵手紙を描きたい、と思った人は、番組に送っていただいて。つぎは小池さんと審査会をやりましょう。テーマとか、設けた方がいいですか?」
小池「いや、自由でいきましょう。絵手紙っていうのは自分が思ったことを飾らずに、自由に、ヘタに描くことが重要ですからね。ヘタな方がかえって見たくなる」
『第1回 小池邦夫杯 絵手紙選手権』は、8月31日の消印まで受け付けます。絵手紙、お待ちしています!
宛先は【郵便番号102-8080 TOKYO FM 「SUNDAY’S POST」】です。
そして、スタッフが取材のお土産で買ってきた〈正藍冷染のコースター〉を、3名の方にプレゼントしています。ご希望の方は、上と同じ宛先にお手紙をお願いします。
今週の後クレ
今回のメッセージは、千葉県にある<松戸大金平郵便局>の、戸田育代さんでした!「私たちにお手紙を下さるお客様もいらっしゃるんです。"この前はありがとうございます"とか。あと、旅行に行って来てお土産を下さったり。その時に立ち止まってお話をすると、“うちの郵便局の雰囲気が好きだからこっち来るのよー”って。そういった言葉はやっぱり嬉しいですね。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。
〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛