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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
手紙を受け取る喜び、手紙を送るワクワク感、
手紙に詰まった想いをラジオを通して全国に届けます。
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矢島里佳さんと日本の伝統

  • ON AIR
  • 2019/07/14

株式会社和える代表 矢島里佳さんをお迎えして

写真 今回のゲストは、株式会社和える代表の矢島里佳さんです。
まず、会社名「和える」の由来から聞きました。
矢島「日本の伝統や先人の知恵と、現代の私たちの感性や感覚を混ぜるのではなく、“和える”という意味なんです」
写真  慶應大学在学中の2011年に創業。その翌年に、ゼロ歳からの伝統ブランド『aeru』を立ち上げました。幼少期からともに育ち、大人になってからも使える一生ものの商品を、日本全国の職人とつくるブランドです。

小山「なぜ、日本の伝統と子どもたちを結びつけようと思ったんですか?」

矢島「大学時代、フリーのライターとして、日本全国の伝統産業の職人さんを取材して回る仕事をしていました。ジャーナリストを目指していたのですが、自分が一生をかけて伝えていきたいものはなんだろうと考えたとき、自分の国の文化や伝統をまったく知らないことに気が付いたんです。よく考えると、日本は伝統に出会わずに、成長できてしまう環境にあるんだとわかって。今日、生まれた赤ちゃんに、“日本”を伝えようと思ったときに、どうしたら伝わるかをずっと考えて……たどり着いたのが、ものを通して伝えるというジャーナリズムだったんです」

スタジオに『aeru』のアイテムもお持ちいただきました。まずは、青森県の伝統産業「津軽焼」のこぼしにくい器。
写真 矢島「器のなかに“返し”が付いています。離乳食を食べる赤ちゃんって、どうしても外に掻き出してしまうんですけども、ちゃんとスプーンの上に乗るように、返しがスプーンの上に、食べ物を戻してくれるんです」

宇賀「ふつうに持ち上げるだけで、ちゃんとスプーンの上に乗りますね」

小山「本当だ、すくいやすい!」

 「こぼしにくい器」は、グッドデザイン賞も受賞。すくい心地が良いからこそ、子どもたちも、能動的にスプーンですくう練習をするようになるのだとか。いまは介護現場でも活躍しているそうです。

さらに、こぼしにくいコップも。
写真 小山「ふつう、子供用のコップだったら、横に取っ手がついていますが……これは、ないんですね」

矢島「お父さんお母さんもびっくりされるんですけど、お子さんが意外と、両手でしっかり持つんです。これも将来は日本酒とかも飲んでいただけたら……」

宇賀「私もさっきから、これは日本酒だなーと思っていました(笑)」
写真 写真 矢島「私も家でこのコップで日本酒をいただくのですが、酔っ払ってもこぼさないと、みなさんから言われます(笑)」

小山「陶器だと、当然、落とすと割れるじゃないですか。そういうことへの懸念はなかったんですか?」

矢島「『なぜ、ゼロ歳からの伝統ブランドと言っているのに、割れるものを売るんですか?』と最初はよく言われたんです。その時に、『いつ、割れることを学ばれましたか?』と聞くと、みなさんハッとされるんです。子どもの頃に器を割って、“割れる”ということを知って。それから、ものをどう扱ったら割れないかを学んだんですよね。割れないものを与え続けることの方が、危ない、ということに気づいていただいています」
写真 写真 「和える」は、割れたお皿や器をお直しする「金継ぎ」も行なっているそうです。依頼の中には、職人さんへ「割っちゃいました、ごめんなさい。なおしてください」と手紙を書くお子さんもいるそうです。

矢島「直すという行為が職人さんへの手紙につながっていたり、いろいろな経験になっていて。創業時に、ここまでのことは想像していなかったので、嬉しいですね」

 手紙といえば……「和える」でははがきづくりのワークショップも開催しています。

矢島「子どもたちが、もっともっと日本の伝統に出会えるような事業を展開したいなと思って、aeru schoolという事業を昨年から始めました」

昨年のaeru schoolでも人気だった「はがきの型染め体験」は、今年も開催。愛媛の五十崎和紙の紙風船の職人さんが手漉きした和紙のハガキに、三重県の伊勢型紙を置いて、顔彩で模様をつけるワークショップです。伊勢型紙は、もとは着物の文様を染めるための型紙。職人さんに手彫りしてもらった、本物の型紙だそうです。
写真 写真 手彫りの伊勢型紙の精巧さに、薫堂さんも宇賀さんも驚いていました。

矢島「デザインは、『和える』の方で職人さんにお願いしています」

小山「この型紙、かなり大変な作業ですよね?」

矢島「職人さんからは『こんなの朝めし前だよ!』と言われます。ワークショップのあとは、型紙もお持ち帰りできるので、自分の好きな紙に模様を押していただけたりもします」

小山「ちなみにおいくらで参加できるんですか?」

矢島「伊勢型紙2枚と、和紙のはがき2枚であわせて3,000円で、ワークショップも含めてご参加いただけます。私たちとしても、aeru schoolは伝統を楽しむ入り口になったら嬉しいなという想いでやらせていただいています」
写真  aeru schoolは、東京・目黒にある「aeru meguro」で定期的に開催されています。今年は7月30日、8月5日、8月12日、8月17日の4日間、いずれも10時30分からの開始です。「aeru meguro」に限らず、企業への出張スクールも開催しているそうです。
詳細はこちらから

矢島「メールの時代だからこそ、お客様も改めて、手づくりの良さに感動していただく方も多いです。夏休みの自由研究にもしていただけると、嬉しいです」
写真

リスナーからの手紙

 今回は、ラジオネーム・のりさんからの「わたしが行きたくなる場所」についてのお手紙。
写真 小山「南知多町豊浜にある「田中屋」です。そこの田中屋定食、2千2百円が絶品です。お刺身、大きなエビフライ、煮魚、どれもすべて美味なんです……というお手紙ですが……」

さっそく、「田中屋」をスマホで調べる2人……。

宇賀「海の目の前なんですね。釣って来て、すぐその場で調理する感じなんですね」

小山「新鮮さが伝わってきますねこういう地方のおいしい情報も嬉しいですね」
写真 宇賀「こうやってお手紙を見ると……みなさん、切手も記念切手だったり、こだわっていただいているんですけども……先月、薫堂さんのお誕生日記念で、私は薫堂さんのふるさと、熊本県天草市に行ってきましたが、その天草の風景が切手になったそうなんです!『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』を題材にした切手です」

小山「世界遺産シリーズですね。これは嬉しいですね」

宇賀「私がお邪魔した崎津の集落のデザインもあります」

小山「天草四郎が立てこもった、原城跡もありますね。……こうやってみると、記念切手って、けっこう頻繁に発売されているんですね」

宇賀「そうですね、発行予定を見て見ると、『G20大阪サミット』とか『海の生き物シリーズ第3集』」
写真 小山「8月26日には『東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会』。これ、貴重じゃないですか?」

宇賀「いろいろありますね」

小山「記念切手で特集してみても、面白そうですね」
写真 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の特殊切手は、おととい、7月12日から販売が始まりました。お近くの郵便局や、郵便局のネットショップでお求めください。

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、千葉県にある<四街道鷹の台郵便局>の、小薗江聖子さんでした!

「ある高齢のおばあちゃんだったんですけども、その方とよく窓口対応させて頂いておりまして。私が異動する事になったとお伝えしたらとても寂しがって下さったので、異動してからも年賀状と暑中見舞いのやり取りをずーっと続けています。私が送ると返ってきて、またしばらくすると電話を下さるんですよ。二段階の繋がりがあるっていうのが手紙なんだなぁって思って。それが嬉しいですね。」
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