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行ったこともないシカゴ。生きたこともない時代のストーリーなのに、まるで隣町の話を読んでいるかのような身近さが感じられる作品でした。もちろんダイベックも素晴らしいのですが、私たちにこの空気感を伝えてくれる柴田元幸さんの翻訳力たるや!偉大な文学作品を雰囲気そのままに訳して下さる柴田さんのような翻訳家の方々なくしては、この番組もまたなり立ちません。さて先程、番組が3月で15年9か月の歴史にピリオドを打つという話をさせていただきました。放送は残り1か月。珠玉の文学遺産をまだまだ味わい尽くしますので、小川洋子さん主催のラジオ読書会、ラストまでどうぞおつきあいくださいね。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2023年02月19日
なかがわりえこ、おおむらゆりこ『そらいろのたね』
2023年02月12日
ディケンズ『オリバー・ツイスト』第二週
2023年02月05日
ディケンズ『オリバー・ツイスト』第一週
2023年01月29日
河野多恵子『蟹』

アーカイブ
アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー/スクリーミン・ジェイ・ホーキンス
「ガード下は天然のエコールームみたいなところで、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」に夢中になって以来、僕らはそこでしょっちゅうブルース・シャウトを競いあっていた。(柴田元幸さん訳)
ハーレム・ノクターン/ザ・ヴィスカウンツ
「雨が降って、つるつる滑る道路に街灯がゆらめくと、後部席のディージョは、決まって「ハーレム・ノクターン」を口笛で吹いた。」”おんぼろ車に仲間たちで乗って、好き勝手に好きな音楽を口ずさんだり、口笛を吹いたりしてる。彼らが住んでる町の、夜の光、匂い、雨の冷たさ、口笛の物悲しさ、本当にさりげない数行でぎゅうっと込められていて痛いように響いてきます”と小川さん。
(ウィリー・アンド)ハンド・ジャイブ/ジョニー・オーティス
「人々がぼーとバスを待っている停留所の前で僕らは車を停め、ペパーはフェンダーでリズムをとり、僕はサックスで「ハンド・ジャイブ」のメロディーを吹きならした。」”音楽と車、それが彼らの青春そのものでした”と小川さん。
 
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