心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
翻訳を手がけられた柴田元幸さんが「いままで自分が訳したなかで最高の一冊」とおっしゃるスチュアート・ダイベックの短篇集「シカゴ育ち」。この中から2020年には短編小説「冬のショパン」を取り上げましたが、この他にも魅力的な作品が数多く掲載されているということで、今回は「荒廃地域」という作品を味わってみました。1942年にシカゴで生まれ、シカゴで育ったダイベックが描く地元の街。時代は朝鮮戦争とベトナム戦争のあいだの、ロックンロールが完成に近づいていた頃。「荒廃地域」と認定された当時のシカゴを舞台に主人公デイヴとその仲間たちの青春の時間が記されています。
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