昭和30年代のどこにでもいたような一家を描いた小説。この時代私はまだ生まれてはいませんが、昭和アルアルがいっぱいで小川さんと一緒に懐かしい気持ちになりました。スタジオで人気だったのは母親の千枝さん。他人へのお土産として預かった貴重なはちみつを気がついたら(気がついたら?!)舐めていたとか、悩んで買うのをやめたはずの植木を安いからとあっさり買うなど、かなりおとぼけな女性です。でも家庭が忙しく裕福でなくとも、自分が大人として楽しむ時間は申し訳なさそうな素振りもなく堂々と確保。あの時代にもそういう女性がいたこと、そしてご飯を焦がしたりワーワー大騒ぎしながらもそれをサポートしていた男性がいたことが、心温まる明るい発見でした。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!)
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