25歳の詩にこめた情熱、その熱さが生涯変わらなかった金子光晴。情熱をぶつける対象が文学であり、詩であり、妻であり、息子であり…しかし最後孫娘に向けられた情熱=愛情がとにかく柔らかく優しい眼差しで、激動の詩人も歳を重ねるとこうも変わるものかとじんわりしました。また詩以外の、自分の人生を淡々と記した『詩人』という自伝も大変興味深い内容。無謀とも思える最初のヨーロッパ行きのいきさつなど読んでいると、あの時代に人種など関係なく好意的に受け入れられていて、その人間性の凄さを感じます。金子光晴の魅力に国境などなかったんでしょうね。
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