今村夏子さん特有のなんとも言えない不気味さは今作も健在!かわいいあひる、あひるの出現で明るくなった家族、そこに集まる近所の子どもたち、そして一家に舞い込む待ちかねた朗報…と、あらすじを説明すると幸せに満ちた話のように思えるのですが、不穏な雰囲気、次のページで何か起こりそうな落ち着かなさがずっとついて回るのです。結局大きな事件は何も起こらず終わりを迎えますが、その頃には本の余白まで気味悪く見えてくるような状態に。しかし山田詠美さんの解釈は凄かった!芥川賞選考委員として数々の作品を深く読み込んでいるからこそ、普通は気付かないああいう読み方ができるのですね…嗚呼、山田さんまでもが凄すぎて怖くなってきました!
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