2021年6月13日

今村夏子
『あひる』
(角川文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今までにもメロディアス・ライブラリーで取り上げたことがある今村夏子さんの小説。2011年に三島由紀夫賞を受賞した「こちらあみ子」。2019年の芥川賞受賞作「むらさきのスカートの女」。そして今回選んだのは、2017年に河合隼雄物語賞を受賞した「あひる」です。リスナーの方からリクエストもいただき、河合隼雄物語賞の選考委員でもある小川洋子さんの推薦作。今回の小説も、今村夏子さんならではの世界が広がっています。「わたし」の家に「あひる」がやってきたことからはじまる物語。名前は「のりたま」。お父さんの同僚が飼えなくなったため、引き取ることになったのです。

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