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苦しい家族のエピソードが続き、最後の最後やっと主人公は母から開放され、美しい海辺の光景の中に飛び込んだ、と思いきや、そこに広がっていたのは墓標が果てしなく並んでいるかのような異様な風景。なんて救いのない話だ!と私は悲しく本を閉じたのですが、小川さんはこのシーンまで含めて「母親からの開放」と読み解かれていましたね。ところで話の中で重要な役割を担っていたニワトリ。それにちなんでお送りした笠置シヅ子さんの『めんどりブルース』は、この物語のために誂えたかのような一曲でした。「わたしはめんどり〜」という苦しげな歌声が、今も耳から離れません・・・。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2015年5月24日
カレル・チャペック
『園芸家の一年』

2015年5月17日
角幡唯介
『空白の五マイル』

2015年5月10日
ガルシア・マルケス
『エレンディラ』

2015年5月3日
池波正太郎
『剣客商売』一巻

アーカイブ
まぼろしのかげをおいて(讃美歌510番)/聖ヶ丘教会聖歌隊
信太郎が幼い頃も病院でも母が歌っていた曲は讃美歌でした。幼い子がむずかって、母は涙乾く間もない、という内容で、信太郎はとまどいますがお母さんは自分を慰めていたのかもしれません。
めんどりブルース/笠置シヅ子
戦後、鵠沼海岸の家で巻き起こる養鶏騒動は、この小説の大事な部分です。この曲もかなり怖いかもしれません。
パズル/さかいゆう
安岡さんと同じ高知県出身のさかいゆうさん。圧倒的な自然の風景と営みが、主人公に母の死を受け入れさせたというラストシーンに。
 
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