作品には、主人公の林芙美子と同じ時代を生きた、有名作家たちも多数登場。「要領のいい」作家、「意地の悪い」作家、「独自の愛を生きる」作家など、芙美子から見た文豪たちの性格・性質が描かれていて、現代に生きる私たちにも彼らのキャラクターを生々しく伝えてくれる楽しい作品でした。そんな個性豊かな登場人物たちの中で、特に印象深かったのが、芙美子になつき、度々家を訪れるブルガリア人のクオーター・絵馬ちゃん。利発さ、美しさ、勘の良さをあわせもった彼女の口からは、時折謎めいた言葉が飛び出し、それこそ彼女の中に「ナニカアル」のかも・・・と深読みしたくなってしまう人物でした。
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