メッセージ
today's topic

写真では社会に挑むような強い眼差しでこちらをみているのに、実は声がとても小さかったというエピソードの持ち主、レイモンド・カーヴァー。今まで何度も番組で取り上げる候補に挙がっていた作家が今回、満を持しての登場となりました。カーヴァーは短編小説しか残していませんが、それは生きていくため他に仕事を持ちつつ・・・という、限られた時間の中での作家活動だったからだそう。彼が時間を沢山持っている作家だったら、どんな長編を書いたんでしょうか。でも恵まれた境遇であったら、沢山の人々の心を打つような短編が生まれたかどうか・・・。「貧しさは素晴らしい文学を生む」、また今回も小川さんの哲学が実証されたようです。(アシスタント:藤丸由華)

2008年7月27日
重松清
『ビタミンF』


2008年7月20日
ヘミングウェイ
『老人と海』


2008年7月13日
ポール・オースター編
『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』


2008年7月6日
稲垣足穂
『一千一秒物語』




アーカイブ

Prisoner of Life & I'm Gonna Go Fishin' /
アニー・ロス&ザ・ロウ・ノート・クインテット ウィズ・レニー・ピケット

1993年のロバート・アルトマン監督の映画「ショートカッツ」は、レイモンド・カーヴァーの小説たちを原作にした映画。ロサンゼルスに生きる人々のいくつものストーリーが同時進行するなかで、「ささやかだけれど〜」のエピソードも印象的に描かれています。パン屋さんは、カントリーシンガーのライル・ラベットが演じていました。

ストラビンスキーの「火の鳥」より「子守唄」
/ ロリ・シンガー

同じく「ショートカッツ」のサウンドトラックから、ストラビンスキーの「火の鳥」より「子守唄」。ロリ・シンガーは、フットルースに出ていた女優で、本職はチェロ奏者。この映画の中ではチェリストとして、演技と演奏で登場。「ささやかだけれど〜」で眠り続ける少年のためにこの曲を。

Hungry Heart /ブルース・スプリングスティーン
村上春樹の音楽評論集「意味がなければスイングはない」で、村上さんは、レイモンド・カーヴァーにインタビューしながら、「ハングリー・ハート」を思いだし、この曲の歌詞って考えてみれば、レイモンド・カーヴァーの小説の一説みたいじゃないかと思ったそうです。「バルチモアに妻と子供がいる、ある日車で出たまま俺は二度と家に戻らなかった」で始まり「誰もが満たされぬ心をもっている」「誰もひとりぼっちではいたくない」という内容のこの曲、社会の底辺を経験したカーバーの人生に重ねて。

 
今まで紹介した作品
当サイトは Amazonアソシエイトプログラムを利用しています。