「文学遺産」というにふさわしい作品、今日は取り上げたわけですが、56年前に発表されたと思えない、文章の隅々にまで宿るみずみずしさ。これもこの作品の「文学遺産」たる理由の一つではないでしょうか。小川さんいわく『新聞の文体のような、客観的で余計なものを排除したシンプルな文章である』ことがいつになっても古びない理由だそう。ところで冒頭の文章を少し朗読しましたが、リズム、テンポが心地よく、読んでいるだけで気持ちよくなってしまいました。声に出して読んでみると、またちがった魅力も発見できる作品です。(アシスタント:藤丸由華) |