河童や人魚、竜を身ごもる白木蓮。掛け軸からボートに乗って飛び出てくる男などなど…普通ではありえないものばかり登場するのに、あっという間にその世界に連れて行かれる「家守綺譚」。犬好きの小川さんと私は、主人公が飼っている犬のゴローの可愛さに心奪われましたが、『ゴロー、と呼ぶと、振り返りざま、おおっ、という顔をしてお愛想に尻尾を振って見せた。』というように、梨木さんの放つ表現は、「自然」「動物」をこの上なくキュートに見せてくれます。動物好き、自然好き、そうじゃなくても沢山の驚きがある、とにかくたまらなく楽しい作品です。(アシスタント:藤丸由華) |