2008年7月20日
ヘミングウェイ 『老人と海』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「海の日」を前に選んだ1冊は「老人と海」。アメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイが1952年に発表した作品です。キューバを舞台に年老いた漁師「サンチャゴ」の物語。主人公のサンチャゴはたったひとり海に出て、巨大なカジキマグロと遭遇。4日間にわたる死闘には勝利するものの、その帰り道、今度は鮫の襲撃にあってしまうのです。物語の冒頭はサンチャゴと少年とのやり取りが魅力的。そして中盤は魚とサンチャゴしか出てこない海のシーンが続きます。「シンプルな中に人間が持つあらゆる感情が描かれている」と小川洋子さん。シンプルだからこそヘミングウェイの表現の素晴らしさを感じる小説です。

...続きを読む