DUNLOP presents LOVE UNITED

Every Sunday 12:30-12:55 JFN 38stations

THE ONE 音楽界の偉人を毎週1人ピックアップ。アーティストの持つ世界をみつめます

2010年7月18日(日)
eastern youth
「街はふるさと」
eastern youth
街はふるさと / eastern youth
バンド結成から22年。そのスタイルは、爆音の中に静寂があるような独特な文学的スタイルを確立しています。孤独や不安を自問自答し、爆音にのせて表現するバンド、イースタンユース。爆音の中に静寂が宿る、そんなバンドです。
メンバーは、ギター・ボーカルの吉野寿さん、小学校からの親友であるドラムスの田森篤哉さん、そして、東京のバイト先で出逢ったベースの二宮友和さんの三人。北海道・帯広。子どものころから、何をしても学校になじめず、高校を中退して、引きこもってパンクばかりを聞いていたという吉野さん。そんな彼が、音楽活動を始めたきっかけは、日本の伝説のパンクバンド、アナーキーでした。それまで、洋楽を中心に聞いていた吉野さんは、自分の胸の中に鬱積していた想いを、叫び、歌にしてもいいんだと衝撃を受け、親友の田森さんを引きずるように、札幌に出ます。そこには、自分に似た仲間がたくさんいました。仲間に囲まれて自分の居場所を見つけた吉野さんは、年齢をごまかしながらバイト生活を続けます。毎日の食費もままならない中、ライブを重ね、24歳の時に上京。
長続きしないバイト生活を続けながらの音楽活動。それでも、命がけで歌を作る。不器用だけれども、歌の中ではウソはつかない。
そんな想いと精力的なライブがあいまって、その名を全国に知らしめます。
「矯正視力〇・六」
eastern youth
矯正視力〇・六 / eastern youth
レーベルを変える事2回。その活動の22年間で、最大の危機を迎えたのは、東京に出てきてから15年が経とうとしていた頃でした。40歳を目前に、レコード会社との契約が終了。契約終了と共に、自分たちで作った会社まで解散となってしまいました。
失業状態で再確認した事。それは、自分はつまらない人間だという事。そんな人間が何を歌えるのか、本当に血の通った歌とはどんな歌なのか。自分が社会と繋がる唯一の方法は、歌を発表する事だと改めて気づき、自分と向き合い、飾らない言葉で、ありのままを歌う事を決意したのでした。挫折で改めて思った事、それは「ウソはつかない。打算なし。気持ちが一番!」再び歌に真剣勝負を挑み始めます。そして、無責任に人を応援しないこと、事実と向き合い、それを乗り越えて再生することの大切さを歌い始めます。
「忘れたっていいんだぜ、捨てたっていいんだぜ」
過去を乗り越えるためには、時には、捨てることや忘れることも必要だと「歩く速度の風景」という曲で、歌っています。事実は変わらないけど、一歩を踏み出すことを躊躇するなら過去なんて、忘れてもいいじゃないか。いつか、その事実と対峙する時には乗り越えられる強さを身につけているのではないか。吉野さんは、そう語っています。
混沌とした気持ちを抱えて生きるのが人間。それを素直に言葉にしていく。「心のこもっていない事をやるっていうのは、聞く人に対する一番の裏切りで、無礼なことだと思うんです。」苦しみながらも自分の心の闇の底から出てきた歌を、魂を込めて歌う事で聞いてくれる人に、一つ一つ手渡しで伝えていきたいとも、語っています。
「荒野に針路を取れ」
eastern youth
荒野に針路を取れ / eastern youth
自分たちがやりたい事とは。伝えていきたい事とは。
常にこれは真実なのかと自問自答しながら、生きている実感を確かめていく。それは、決して独りよがりではなく、歌を聴いてくれる人へのやさしい問いかけでもあるのでした。
イースタンユースは、この夏、ライブ・ドキュメンタリーと、これまでのビデオクリップを集めたDVD「ドッコイ生キテル街ノ中」をリリースします。このDVDには、およそ10年に渡る彼らのライブ映像はもちろん、オフショットやインタビューが収録されています。彼らの熱い魂が、しっかりと感じられる作品です。
飾る事はしない、ウソはつかない。わからないなら、わからないまま歌う。
生の人間がむき出しに表れるバンド、イースタンユース。彼らだからこそ鳴らす事の出来る歌が、そこにはあるのです。
今夜は、イースタンユースをピックアップしました。

RECENT ENTRIES

RECOMMENDED ITEM DUNLOPのおススメ情報をお届け

詳しくはこちら

THE ONE(2009.04-2011.09)