“当たり前”が当たり前にできない人がいることを分かってほしい。
2022
放送後記

“当たり前”が当たり前にできない人がいることを分かってほしい。

こもり校長

毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。

今夜、声を届けてくれるのは…!

きかかん

RN きかかん 神奈川県 19歳 大学2年生です。
私は、2年前、高3の時に不眠・食欲不振・過呼吸など様々な身体の症状が現れて、「うつ病」と「不安障害」と診断されました。

発症した時に比べれば、今は元気です。でも、完治はしていません。不安が多くなると過呼吸気味になったりするし、以前よりもかなり疲れやすくなっています。そのため1週間休まずに学校に行ける週もあれば、時々休んでしまう週もあります。

でも、周りの友達には「疲れが残ってて休んだ」と言っても分かってもらえません。なぜなら、学校にいたり、遊んだりしてる時の私は元気だからです。

実は、高校時代に頑張って学校に行った結果、過呼吸になって救急車で運ばれ、色んな人に迷惑をかけてしまったことがあります。同じ不安から、私はアルバイトもしていません。
遊びに行く時は、毎回親からお小遣いを貰っています。でも、大学生になればバイトするのは「当たり前」という風潮がある今、親からお小遣いを貰っている私は、肩身が狭く感じています。友達に「バイトはしないの?」と聞かれると、すごく苦しくなります。「なんでみんなと同じことができないんだろう?」と、周りと比べて苦しくなって、また自分が嫌になります。
本当は、バイトしてお金を稼いで社会経験を積んだり、自分で稼いだお金で遊んだり、今も病院に通わせてくれている親にも恩返ししたいです。

私のように、当たり前が当たり前にできない人はいます。そんな人が、もしかしたらすぐ近くにいるかもしれないことを分かってほしいです。
けど、目に見えない病気だから、実際は、難しいなと感じている日々です。少しわがままに聞こえるかもしれませんが、もし理解してもらえたとしても、だからといって、変に気を遣わないでほしいなと思っている自分もいます。
今の私の願いは、ただただ何も考えずに、みんなと一緒に、笑っていたいです。

こもり校長
こもり校長

(こういう症状は)目に見えるものではないじゃない。不安障害で発作が出た時に熱が出る、とかいうものでもないから、1個1個を説明するのも大変だし、辛くなると思う。

ぺえ教頭
ぺえ教頭

説明するだけでも、“迷惑をかけちゃってるかな”とも思うだろうしね。

こもり校長

そうだね。「それをするのが当たり前」みたいな風潮って、やっぱりあるじゃない。年齢も、成人が18歳になっちゃった今、19歳って「大人じゃん」って言われやすいタイミングでもある。

ぺえ教頭

“自立しなきゃ”っていう気持ちも強くなる時期だよね。

こもり校長

でも、それだけが全てでもないと、俺は思う。無理なものは無理だし、自分が不安になることやできないものはできない。昔よりはどんどんそういうところもフラットになってきているだろうけど、じゃあそれで全てうまくいくかって言ったらそうでもないし。

だから、こういう風にきかかんが言ってくれたことによって、今日聞いてくれた生徒は、“もしかしたら周りにそういう子がいるのかもしれない”って思えるきっかけにはなったんじゃないかなと思う。

ぺえ教頭

もし周りにそういう子がいたら、一緒に、焦らずに歩んでほしいよね。

こもり校長

声を聞かせてくれてありがとう。
『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!

2022.9.5“当たり前”が当たり前にできない人がいることを分かってほしい。
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