自分らしく面接に臨める世の中になってほしい。
2022
放送後記

自分らしく面接に臨める世の中になってほしい。

こもり校長

毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

今夜、声を届けてくれるのは…!

メグリンチョ

広島県 15歳 中学3年生 RN メグリンチョです。

僕の見た目は女の子ですが、心はどちらかというと男の子の時の方が多いです。中学2年の冬から「女子として扱われるのが嫌だ」「男装したい」そう思っていました。
今は中3になり、受験生です。少し前に、受験の面接練習があり、その時に、学校に対して失望してしまいました。面接での座り方について、先生から注意されたからです。

面接で求められる座り方は、性別によって違いがあります。女子は足を閉じて座る。男子は足を開いて座るのがマナーです。
僕は女子の座り方で面接するのがどうしても嫌だったので、足を開いて座りました。そうしたら「それはダメだ」、「足を閉じなさい」と先生に注意されました。

僕は、「自分らしく」面接を受けています。それなのに、おかしいと思いませんか? 「自分らしさを大切にしろ」と先生は言うのに、どうして受験では、取り繕った人の方が評価されるんでしょうか?
「受かるためだから」って言われたけど、偽りの自分で受かったってなんの意味もない!それで受かるような学校にも行きたくない!その時は本気でそう思っていました。

でも結局、先生や母と相談して、受験本番では、受かるために「女子の座り方」で面接を受けることになりました。夢を叶えるために、どうしても第一志望に行きたかったからです。そして無事、合格することができました。
受かったことは嬉しいです。けれど、私と同じような生徒はいるだろうし、きっと同じように葛藤している生徒もいると思います。

自分らしく面接に臨める世の中になってほしい。そして、自分らしい振る舞いを認めてもらえる社会になってほしい。
そう、心から思います。

ぺえ教頭
ぺえ教頭

「偽りの自分で受かったって何の意味もない」っていう言葉に、私も過去の人生の中でそう思ったことがあったなって思った。
そういう気持ちになったことが、“ありのままの姿、本来の気持ちのまま生きよう”って決めたきっかけだったから、こうやって、嘘をついて取り繕った姿で意見を言ったり、誰かに言葉を伝えたりすることで得るものはあるのかなって思ったの。

私もそういう壁にぶち当たった時に、“怖いものはたくさんあるけど、失うものもあるかもしれないけど、そのままで生きよう”と思って、私はこの道を選んだね。

こもり校長
こもり校長

メグリンチョが言ってたみたいに、こういう社会、これは今の現状だと思う。座り方1つにしても、自分は求めてないものだけど、それをしないと受からないっていう現実がある。この今の状態については、どう思う?

ぺえ教頭

面接側はわからないけど、学校側としては、「女らしく」「男らしく」っていう言葉は、私はもう使わないでほしいと思う。
だって、履歴書とかでも男女の項目を書かなくていい会社も増えてきているのに、“その中でまだ言うか!”っていう気持ちがあるから。

面接をする側、会社側を変えることはまだ難しいかもしれないけど、先生方だったり、学校側、学校の中では、もう少し早くそういうものがなくなってほしいし、そういう固定概念をなくしてほしい。
でも、すごいね。世の中では「自分らしさを大切にしろ」って言ってるのに、“じゃあ何で「女らしく、男らしくあれ」っていう言葉をかけるの?”ということにすごくシンプルに気づいて、素直にこうやって言葉を届けてくれて。

私はメグリンチョはものすごく強いなと思うし、今回は「女性らしく面接を受けて合格した」って言っているけど、これからの人生は素直に生きてほしいなと、この話を聞いて心から思いました。

こもり校長

メグリンチョ、話を聞かせてくれてありがとう。そして何よりも、夢のために一歩進んで、合格、本当におめでとう!

『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!

2022.2.28自分らしく面接に臨める世の中になってほしい。
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