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物語の途中に登場したのは、くるりの岸田先生も、リハの時に耳にして、一層の興味を示していた名バラード「Night in gale」(ナイチンゲール)。
2年前の "閃光ライオット" でも演奏されたこの曲は、何度聴いても、美しく、面白い。
そして、旅の舞台は、東京へ。

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サラバーズがカバーした "くるりナンバー" は、くるりの代表的名曲「東京」。
この歌は、「東京に上京した主人公が、故郷の恋人に想いを馳せる」叙情的な哀愁歌。
それを、故郷を持たない、東京生まれ、東京育ちの彼らが歌い上げたことが、なんとも不可思議な魅力となって響いた。彼等のくるりへの想いが、この「東京」への感情移入で、"本物である" と、その場に居た全員が理解した瞬間だった。

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ライヴ後に、ボーカルの古館君から、中盤以降ほぼ酸欠状態だったと聞かされた。
ほとんどMCもなく、ただひたすら、サラバーズの音を斬りつけ続けたのは、そんな放心による、ストイックさだったのだろう。

サラバーズの物語は、最後の曲「サリンジャー」によって、狂騒的な小説のように幕を閉じた。
ライヴは終了。ステージ上には、進化した「The SALOVERS」の文字だけが残っていた。

text by 海賊先生



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