4/9 SHIBUYA CLUB QUATTRO

LIVEの終わりは世界の終わり。なんじゃ今夜は。センスのないオッサンみたいなことを考える。ちなみに、みんなも知ってる通り、このバンドの音のリズムを生み出しているのはDJ LOVE。つまり愛。ステージの上には世界の終わりがあって、その奥には愛がある。それをみんなは見つめている。
写真
終わりの始まりは『青い太陽』。そして『世界平和』、『死の魔法』。聴きながらみんなが何を考えていたのか。みんなが世界の終わりに何を見ていたのか、これは正直、全く分からない。でも必死でステージを見つめる、一緒に歌う、一緒に生きてる。世界の終わりと愛を見つめながら。
写真
あのイントロが鳴ったのは、中島君がすんげーバカ (笑) で楽しいMCを終えたすぐ後。『幻の命』。あのメロディー。ドレミファソラシドの中にあるけれどドレミファソラシドの中にない音。それが心にぶっ刺さる。音から伝わる感情。言葉から伝わる振動。全てがゴチャ混ぜになって、みんなの心を飛び回る。
写真
ふと、ピアノの音以外が消える。聞こえるのは、ピアノの音だけのはず。…なのに。ステージを見る。時が止まった瞬間。ピアノを弾いている藤崎彩織ちゃんが、そっとどこかを見上げている。いや、下を向いていない。それはまるで、今を永遠に刻み込んでいるかのように。大事なものが体の外に出るのを、少したりとも許さないかのように。だけどそこから漏れる息遣い。無音の中で響く彼女の、声になることをギリギリで押しとどめた声。

 泣いて…る?

それは、長い長い時間だった。短い短い時間だった。あるいは、あの瞬間が幻だったとしても、それは確かに、その場にいたみんなの心を衝 (つ) いた。
写真

…その夜最初で最後のアンコールは『インスタントラジオ』。気の早い映画監督なら、もうこの曲の途中でエンドロールを流し始めるのかもしれない。幸せで悲しいこの曲は、若い魂たちの一晩を描こうとした映画のエンディングにぴったりなのかもしれない。
写真


... BACK (5/12) NEXT ...

SCHOOL OF LOCK!