今年は統一地方選挙の影響で、
例年は4月にある「春の交通安全運動」の期間が5月になりました。
5月11日(月)から20日(水)の10日間で今がまさにその時期。

今朝は警察庁 交通局 交通企画課 課長補佐
西村和市さんをお迎えして2015年「春の交通安全運動」について追跡しました。





「春の全国安全運動」で重点に置かれていることは、
「子供と高齢者の交通事故防止」を基本として3つあります。

○ 自転車の安全利用の推進(特に、自転車安全利用五則の周知徹底) 

○ 全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底

○ 飲酒運転の根絶

全国的な交通事故実態等を踏まえて、
この重点項目は平成19年から続いています。

なぜ自転車が重点として定められているのか。
自転車は、幼児から高齢者まで誰もが利用できる身近な交通手段で、
最近は通勤手段としても利用されるようになっているから。
しかし、昨年は自転車が関係する交通事故が約11万件で交通事故全体の約2割。
しかも、これらの事故では、自転車運転者の5分の3以上が、
信号無視や一時不停止など、何らかの法令違反をしているのです。
これらのことから、自転車を安全に使うよう、注意を促すためです。
自転車には「自転車安全利用五則」という5つのルールがあります。


1)自転車は、車道が原則、歩道は例外

  自転車は道路交通法上、車両として位置づけられています。
  車道と歩道が区分されている場所では車道を通行します。
  歩道を通行できるのは道路標識で自転車が通行できることが示されている場所や、
  運転者が幼児・児童、70歳以上の高齢者、身体が不自由な方である場合、
  自動車の交通量が多くて危険である場合などに限られています。


2)車道は左側を通行

  自転車は車道通行が原則。
  道路の左端に沿って走行しなければいけません。
  路側帯についても自転車が走行できるのは道路の左側にある路側帯に限られています。
  右側通行は自動車や他の自転車と正面衝突するおそれもあり危険です。


3)歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行

  自転車は標識のある場所などでは歩道を走行することができますが、
  その場合でも有線は必ず歩行者。
  歩道ではすぐに止まれないような速度で走り、歩行者の通行を妨げてはいけません。


4)安全ルールを守る

  自転車に乗るときに守るべき交通ルールはたくさんあります。
  例えば飲酒しての運転や2台以上が並んで走ることは禁止。
  6歳未満の子供を幼児用座席に乗せる場合などを除いて2人乗りは禁止。
  夜間はライトを点灯、交差点では一時停止をして安全を確認、などのルールもあります。
  事故を起こさないため、また、自分の身を守るため、交通ルールをしっかり守ることが重要。


5)子供はヘルメットを着用

  保護者には子供に乗車用ヘルメットをかぶらせるように努める義務があります。
  自転車で事故に遭った場合に、少しでも被害を軽くするため、
  13歳未満の子供にはヘルメットをかぶらせるようにして下さい。


平成25年に道路交通法が改正され来月から自転車の講習制度が施行。
信号無視や一時不停止などの危険な違反行為をくり返した自転車運転者は、
講習を受けることが義務付けられます。

「春の全国交通安全運動」をきっかけに、
いま以上に交通安全を心がけるようにしましょう。
特におそらくあなたが思っているよりも危険な自転車の運転に気を付けて下さい。


今週のテーマは身近な人は頻繁に見かけるでしょう。
縁のない人はその存在を知らなかった人も?
ドライバーに子供の道路への飛び出し注意を喚起する看板「飛び出し坊や」を追跡しました。

「飛び出し君」「飛び出し小僧」などとも呼ばれる「飛び出し坊や」。
発祥は昭和40年代、滋賀県、今の東近江市でのことです。
自動車が急激に増えて、全国交通事故が多発する中、
社会福祉協議会から子供を事故から守る啓発看板を作ってほしいとの依頼を受けて
看板製作業 久田工芸の社長 久田泰平さんがつくったことから始まりでした。

子供の飛び出しそうな所に置く看板であれば
文字でなく見てすぐ分かるようなモノを・・・と考えた末、
久田さんがつくったのは子供の絵を描いた木の看板。
それを小学校PTAが通学路に置いたことから
男の子の看板が他の街にも広がっていったのです。

下の写真は久田泰平さんと奥様と息子さん。
写っているのは0系と呼ばれる、オリジナルの系譜を継ぐ、久田さんの作品。
久田さん自身は、この看板に「とび太くん」と名付けています。





「とび太くん」から派生した様々なタイプが各地に広がる中、
それらをまとめて「飛び出し坊や」として紹介し、全国区にしたのが、
「マイブーム」から多くの「ブーム」を生む 、みうらじゅん さん。
みうらさんが、初代新幹線になぞらえ、
久田さんの「とび太くん」を「0系」と表現したのです。

各地の「飛び出し坊や」をウォッチするファンも出てきました。
情報交換コミュニティ「飛び出し坊や研究所」を運営する今井貴裕さんによると
関西より西には飛び出し坊やで交通安全を喚起するというアイデアをもらい、
地域ごとにさまざまなタイプがあって楽しいとのこと。
今井さんが撮影した「飛び出し坊や」の写真を何枚か掲載しましょう。

まずは関西〜中部に広がる市販のもの。
裏と表が男の子と女の子。






滋賀県野洲町(現 野洲市)のおばあちゃん「飛び出し坊や」。
高齢者の交通安全を喚起したもの。




奈良県の聖徳太子。




京都のパンダ。なぜパンダ。
しかもちょっとぶちゃいく。




と、まあ地域ごとに個性のある「飛び出し坊や」があるわけです。
そして、去年8月にはタカラトミーアーツが、
0系をモデルにした「飛び出し坊や」ガチャコレクションを発売したところヒット。
今年7月には第2弾が発売になる予定です。

「ドライバーの方が、この人形を見て、近くには路地があり、
子供が飛び出すかもしれないので気を付けてくださいという思いで、
子供を交通事故から守れたらと作っています」と久田さんが語る「飛び出し坊や」。

ガチャもきっかけになって「飛び出し坊や」と
そこに込められた“思い”が全国に広がるといいですね。
あなたの暮らす街には「飛び出し坊や」ありますか?



今週はGW。
日本モータージャーナリスト協会 副会長で
日本自動車連盟(JAF)の交通安全委員会 委員でもある
菰田潔さんの監修で安全トリビアをお送りしました。


1)タイヤの空気圧チェックは最低1ヶ月に1度

菰田さんのオススメは2週間に1度。
というのもパンクしたモノを発見できるというメリットが大きいから。
パンクしてしまったタイヤは数日間、気づかずにいることが多い。
GWに長距ドライブする方は出発前に空気圧をチェックして下さい。
空気圧が少ないとデメリットが非常に多いのです。
燃費が悪くなる、ブレーキを踏んだ時の効きが弱くなる、高速道路でふらつく。
ただ、空気圧をたくさん入れればいいというわけではなく、
自動車メーカーが決めた車両指定の空気圧に合わせいといけません。



2)日本の信号は進行方向の信号と、交差する道路の信号、ともに赤になる時間がある 

最近、このことを知った上での危険な運転が増えているそうです。
ヨーロッパでは交差点の手前に信号機があるので他の道の信号は見る事が出来ません。
日本では交差点の向こう側に信号が付いている。つまり他の通りの信号が見えます。
進行方向の信号が赤になっても、交差する信号が赤だということが見えるから、
意図的に交差点に進入するドライバーがいるそうです。
そもそも、これは赤信号で止まり切れなかった車がいたとしても、
横の車が出て来ないから事故を未然に防ぐという為にやっていること。
見越した危険運転は、その効果を無くすことになります。
赤では停止線を超えないよう努力をして下さい。
そして、交差点でいちばん前に止まっている時、
信号が赤から青に変わっても不用意に発車しない!
交差する道からクルマが来ないか確認!!



3) 車間距離の世界基準は2秒間

日本で目安とされる車間距離は、
60キロ以上で走行する時は、速度に相当する距離、
80キロで走っているなら80メートル、
60キロ以下で走行する時は、速度マイナス15の距離、
50キロで走っているなら35メートル・・・となっていますが、
時間で車間距離の目安を表す世界基準では「2秒間」。

100kmで100mは空けすぎだと感じて、
車間を詰めて20m、30mで走っている車は少なくありません。
100kmでの走行は1秒間に約28m走ります。2秒間ということは56m。
これは違和感を感じない距離でしょう。
自分が判断するのに1秒、それからスピードを落としたり避けるのに1秒、
少なくとも「2秒間」の車間距離を空けるように心がけましょう。



4)ヘッドライト(前照灯)の基本はハイビーム

ご存知でしたか?
道路交通法第52条、夜間は前照灯を付けなければいけないという法律があります。
ここでいう前照灯という意味は100m先の障害物が見えるハイビームが基本。
前に車が走っていたり、対向車が来る時は、眩しさで危険を及ぼすので、
ロービームにして減光するという考えです。
最近、夜に右から横断してくる歩行者をはねてしまう例が多いそうです。
それはクルマが左通行の日本では左の照射角度のほうが広い
つまり左右のライトの照射角度は違うのです。
左が広いのは歩行者や自転車を注意するため。
そして、右側が強いと対向車が眩しいから。
このことも覚えておいて下さい。


5)サンキューハザードはやらないほうがいい

マナーとしてサンキューハザードが浸透しています。
でも、ハザードは本来「停止します」の合図。
自分の前に入ってきたタクシーがハザードを出した時、
ドライバーはお礼だと思ったけれども
実はお客さんを乗せるために停車する合図だということがあるそうです。
同じようにパッシングも、お互いの「意図」が、噛み合っていないと危険となります。
このことも気をつけて下さい。


6)仮眠は15分 カフェインを摂取したあとで

車を運転していて眠くなった時は仮眠をとって下さい。
時間は15分程度。それ以上、寝てしまうとよけいに眠くなるそうです。
そして、寝る前にカフェインを摂取するとより効果的です。
カフェインは飲んでから30分後に効くそう。
眠りにくくなることはなく、起きた後にスッキリします。



車を運転する機会も多いゴールデンウィーク。
みなさん、安全運転で、楽しい連休を!!




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