どんなクルマにも必ず、ドライバー席から見えない死角があります。
そのことを認識し、注意を払わないと、事故を起こしかねません。
クルマの構造上の死角に注意しましょう。

今回のコメントは、モータリングライターの藤田竜太さんでした。
クルマには形状によって幾つかの死角があります。

1つ目の死角はクルマの前後にあります。
ボンネットやトランクに隠れてしまう範囲のこと。
これについて特に気をつけるべきは発進時や、車庫入れ。
クルマに乗る前に前後の安全性を確認して下さい。





2つ目はピラーの死角。
ピラーはクルマのウィンドウの間にある柱のことです。
セダンタイプで通常6本あり、ワゴンやミニバンはさらに数が増えます。
ボディー剛性が高い車ほどピラーは太く、死角の広さは侮れません。





ピラーの死角で気をつけたいのが左折や右折時。
陰に歩行者や自転車がいる可能性を考えましょう。
ミニバンなど3列目のシートが設置されているクルマは、
ピラーの数が多く、死角も増えるので要注意。

ピラーの死角を解消するには、見えにくいと思ったら目だけを動かすのではなく
車を左右に動かし、見えにくいところを確認する手間を惜しまないようにしましょう。

3つ目はクルマの左右の死角。
車体の左右にも窓の高さにより低い位置は死角になり
車高が高く着座位置が高い車ほど面積は広くなります。
さらに運転席に座った時、左と右でその面積が違います。
右ハンドルの場合は左側が大きく、右側は小さくなります。
左ハンドルの場合は逆。





この左右の死角も、主に気をつけたいのが発進時。
クルマに乗る時に確認する習慣を身につけましょう。
前後の死角も同様ですが、小さなお子さんがいて、
その子を家においてクルマで出かける時は特に安全確認して下さい。
お父さんやお母さん、あるいはおじいちゃんやおばあちゃんと離れがたく
気がつかないうちに家から出てきてクルマの周囲にいるかもしれません。

そして、4つ目はミラーやバックモニターの死角。
クルマには死角を補うためルームミラーやサイドミラー、バックモニターがついています。
しかしこれらも万能ではなく、見えないところがあることに留意して下さい。








死角への意識が甘いと、交差点で自転車やバイクの巻き込み事故を起こす、
車線変更時に後続車を見落とすといった状況が生まれてしまうので
ミラーやミラーに準ずる機能に甘んじることなく
首を振って、目視で確認するようにして下さい。

自分が乗っているクルマの構造を考えると、どこが死角になのか、
いちど意識して確認しつつ、その上で死角が原因で起こる事故を対策しましょう。

それはすなわち、乗車前に車の周囲を確認すること、
バックミラーの位置を正しく調整すること、ウインカーを早めに出すこと、
ミラーやバックモニターだけに頼らず首を動かして目視で周囲を確認すること、
駐車車両や構造物による死角がある時は、
徐行や一時停止をして安全確認をした上で通行することです。

また、サイドミラー真横の死角を補うブラインドサイドカメラや
サイドミラーの端に取り付けるブラインドスポットミラーを併用するのも有効。
さらに隣接する車線後方に他の車両がいることを知らせる
ブラインドセンサーなどのシステムも普及してきていて
死角対策のアシストとして役立ちます。

死角の存在を認識し、その危険性を把握し、
それが原因の事故を起こさないように留意して
日々の運転をするようにして下さい。
今月5日「2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー」が発表されました。



日本カー・オブ・ザ・イヤーは前年11月から
当年10月に国内で発売されたクルマが対象です。
今回の対象車は31台。現在の選考委員59名が、
それぞれ10台に投票し、集めたポイント数で10ベストカーが決定。
日本カー・オブ・ザ・イヤーとインポート・カー・オブ・ザ・イヤーが決まり、
その後で他の賞が決定します。



今回の日本カー・オブ・ザ・イヤーはホンダ フリード。
史上初、ミニバンの受賞です。



日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員でもある菰田潔さんと
公式の発表によると、以下のような評価でした。

5ナンバーサイズで3列シート。
日本市場で重用されるファミリーカーゆえ、
これまでは突出したキャラクターを生み出しづらかったことも事実。

ホンダはそこに切り込んだ。
居住性、使い勝手の良さに磨きをかけるとともに、動的質感の向上、
ひいては操縦の喜びをも加味することに成功した。
  
ガソリンエンジンモデルに加え、
ホンダ独自のハイブリッド「e:HEV」を加えたことも大きな魅力のひとつ。
ホンダが大切にしているM・M(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)
思想を見事現代に体現した1台である。



ホンダ・フリードの獲得ポイントは220。
それに続いて10ベストカーの2位から5位に選ばれたのは

2位 マツダ CX-80 196点  



今回コメントをいただいたモータージャーナリストで
日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員でもある菰田潔さんによると

このクルマは国内最上級3列シートのSUV
マツダのフラッグシップとしてスタイリッシュで堂々たる佇まい
高級車らしい室内 乗り心地 静粛性を追求した車 



3位 MINI クーパー 172点



10年ぶりのモデルチェンジですが誰が見てもすぐMINIとわかるデザイン。
いわゆるゴーカートフィーリングと呼ばれる走り味は変わらず。
ミニらしいセンターメーターに映し出される映像はドライブモードで切り替え可能。
色やデザインの変化を楽しむことができます。


4位 スズキ フロンクス  110点



洗練されたスタイルを持つクーペSUV。
非常に最小回転半径が小さくて小回りの利く車。
ADASからACCなどの先進装備も付いて価格も安いというところが特徴です。


5位 レクサス LBX  70点



レクサスが提案するコンパクトラグジュアリー。
高級車は大きくてコンパクトカーは質素というような
サイズのヒエラルキーを超えた次世代モデルです。




今回のエントリー車を見ると標準的なクルマの安全機能は、
先進運転支援システム「ADAS」はついていますが、
そうした性能をきちんと把握しつつ
日々の安全運転に役立てるようにしましょう。
運転中は常に自分のクルマが道路のどこを走行しているのか
道路上の位置に気を配る必要がありますが
それは道路環境によっても変わってきます。

運転に不慣れな初心ドライバーの場合や
新しいクルマに乗りかえて間もない時などは、車両感覚が正しくつかめず、
適した位置を走っていないことがあるかもしれません。
正しい走行位置や車両感覚はとても大切です。





道路交通法18条には「車両通行帯の無い道路においては、
車道の左側寄りを通行すること」と規定されています。
“車両通行帯の無い”というのはセンターラインが無い道路のこと。
基本的にこの時はキープレフトでクルマを走行しましょう。

自動車ジャーナリスト 吉川賢一さんによると
それは対向車との接触事故を避けるためになります。
対向車が見えなくても、いつ小道から飛び出してくるかわかりません。

また、右折の時は道路の中央側に寄せます。
それは後続車に右折する意思を伝えるためです。
ウインカーは早めに出すようにしてください。





センターラインがある道路を走行している時は、
片側1車線の道路や複数レーンがある道路、高速道路でも、
できるだけ左側の車線を走り、車線の中ではキープレフト走行をしましょう。

車線の中でフラフラと左右に揺れるような動きをすると、
後続車にとっては非常に迷惑となります。
また、後方から走ってくるバイクを巻き込まないという狙いもあります。

ただ、狭い道では左に寄せすぎも危険。
道路上は自動車だけではありません。
バイクや自転車、歩行者などを巻き込む可能性もあります。
左側にある程度スペースを空けて、速度も控えめにして走行しましょう。

またセンターラインに寄り過ぎると
重大な事故となりやすい正面衝突が起きるリスクがあります。
対向車がこちらを気にして、避ける動きをすることで、
他の自動車やバイクに接触する事故を起こしてしまうかもしれません。

なお、センターラインオーバーによる対向車同士の衝突事故は、
反対車線にはみ出した方が100%の過失責任を負うのが一般的。
センターラインオーバーは絶対にしないこと。





正しい走行位置をとるために運転時は100mぐらい先を見るのがポイント。
同時に左右のサイドミラーで「タイヤの位置」と「白線の位置」を確認しましょう。
車体と白線の距離が一目瞭然。

横の白線までの距離と、同時にボンネット越しに見える正面の白線の位置を
合わせてイメージすることを続けていると、自分のクルマの位置が、
どのあたりか体感できるようになってきます。

また、車両感覚が身についていないうちは左側を怖がったり
センターラインを怖がったり、どちらかに寄ってしまうことがあります。
この点、注意して下さい。





自分のクルマの走行位置の確認は、
最高速度制限の数字など、路面に表示された数字や文字は、
基本的に道路の中央にありますので目安になります。

運転に不慣れな方が年末年始にハンドルを握る時は
適切な距離でキープレフト走行できているかどうかを
家族や友達などの同乗者に指摘してもらうといいでしょう。

クルマの走行位置は、安全運転の基本です。
常に道路のどこを走っているか? 
考えながらハンドルを握るようにしましょう。
«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 168 | 169 | 170 || Next»