設置されている場所も多い「時差式信号機」。
きちんと認識出来ていないと事故に遭う可能性もあります。
今週は時差式信号機とその危険性をお伝えしました。





日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会 委員 菰田潔さんによると

時差式信号機は「右折車が多い交差点で渋滞が発生しないよう
右折車を流す時間を長くする」ことで対策をとっています。
対向する信号機はふつう「片方が黄色〜赤になれば、もう片方も黄色〜赤」。

しかし、時差式信号機は片方が赤なっても対抗車線の青の時間を続け
その間に右折車を流すことで渋滞を減少させる施策で幾つかのタイプがあります。

最も一般的なのが『後発式』のタイプ。
対向車側は赤信号になり、右折車線の青信号が延長されます。
もう1つが『先発式』で右折車線の信号が先に青になって対向車側は赤のまま。
右折車をある程度流した後に対向車側の信号も青に変わる信号です。





気をつけなければいけないのが
その時差式信号機で実は右直事故が多い点。
右折する車と直進する車の衝突です。

こちら側の信号が青から黄になり、黄から赤になったら
対向車線の信号機も黄・赤になると思って右折すると対向車が突っ込んでくるケース。

自分が右折すると対向車が突っ込んでくる可能性があること、
自分が直進している場合でも、反対車線の右折する車のドライバーが
こちらの信号機が赤になってると勘違いして右折してくるかもしれません。
ハンドルを握る時は想像力をたくましくして安全に走って下さい。





そして、今回の時差式信号機のなあいようはあ、
クルマを運転しない方も関係ないと思ってはいけません。
変則的な時差式信号もあり、歩行者信号を全方向で赤にしつつ
交通量の多い幹線道路が赤になったら幹線道路と交差する
細い道の車だけ青にするということがあります。
この時に歩行者が「自分の側も次は青になるだろう」と思い込み
歩き始めると危険な状況が生まれてしまうかもしれないので
歩行者も車もきちんと青信号を確認した上で道路を横断するようにして下さい。

今週は昨日まで、全国的に季節外れの暖かさを記録しましたが、
これから春に向かっていくにつれて、
クルマの走行に危険を及ぼします。

今回は運転を科学する株式会社 ディ・クリエイト
代表取締役 上西一美さんにお話をお聞きしました。





上西さんによれば、一番気をつけるべきは凍結の事故。
それは路面上に雪が見えなくても凍ってる状態があるから。
しかも、全部が全部凍ってるおらず、一部分が凍っていて日陰の状態だったりすると
クルマは基本的に4輪すべてが道路にグリップしてたらスリップ事故って起きませんが
1つ、2つが空回りしてしまうとクルマはグリップ利いた方にいってしまうので
そういう意味で凍結の事故は危険です。




対応としては、雪解けが進み、見通しが良くなったりすることで、
ついスピードを出しがちです。スピードを抑えて運転しましょう。
速度を上げてしまうとブレーキ踏むことになり、
それによってスリップして事故に繋がりかねません。

また、前の車が急に止まったり、万が一の事故に遭遇した時に
車間距離を詰めているとスリップで制動距離が延びてしまうので
通常時よりも車間距離をとるようにして下さい。





雪解けの時期。
上西さんによると「タイヤのチェックもしておいた方が良い」そうです。

タイヤの溝がしっかりあったとしても、
劣化の可能性があります。この劣化は温度差による摩耗が原因。
この時期は雪道から普通の道へと移動する時などに、
タイヤ自体の温度の急変によって劣化が進むのです。
日常点検をしっかりしておきましょう。





気温は夜中の2時から5時ぐらいが最も下がります。
その夜間は慎重に運転をするドライバーが多いはず。
それが朝日が上がると「陽が上がったから大丈夫」っていう感覚になり
路面の状態を考えず、ふつうの速度で走ってしまう傾向にあります。
ただ、陽が出たあとには氷が溶けて水となり、さらに滑る可能性があり、
スリップ事故の可能性が高まります。特に注意しましょう。



全国各地には、1つでも交通事故を減らすため
何かの活動に取り組む人たちがいます。

今回はそんな活動を2つ紹介しつつ
関係者から全国のリスナーの皆さんへ
メッセージを伝えていただきました。





最初の舞台は大分県。大分県中部にある杵築市と速見郡日出町には
夜間の交通事故を防ぐための「ギラギラマン」というキャラクター存在します。
「ギラギラマン」は身体中にたくさんの反射材を貼り付けていて
夜間にクルマのライトに照らされると眩しいぐらいに発光している“人”です(笑)








ギラギラマンの活動を担当している
杵築日出警察署  地域交通課の甲斐貴之課長によると

ギラギラマンは反射材着用普及戦士。
反射材を着用することの効果は着用していないときと比べて視認性が2倍以上。
運転者は歩行者の発見が早くなって安全が確保できます。
その効果をアピールし、反射材の着用を促進し、
歩行者の交通事故を防止することがギラギラマンの使命。

横断歩行者が当事者となる交通事故は、
日が沈む、夕暮れ時や早朝の時間帯に多く発生します。
そのことか暗い時間帯の歩行者を守るため
街頭で交通事故を呼び掛けるべくギラギラマンは登場しました。
歩行者が安全に道路を横断するための安全指導を行ったり
歩行者等に反射材の配布を行うなど、反射材の普及促進に取り組んでいます。


とのこと。
お話からは杵築日出警察署 の交通事故への真摯は取り組みが伝わってきました。
杵築日出警察署は死亡事故発生が無い日が100日続く度に鯉のぼりを掲揚しています。
現在の鯉のぼりは5匹。6匹目を揚げるべく努力しているということでした。





続いての舞台は広島県。
庄原市西城町の国道183号沿いに、去年の暮れ、交通安全の看板が設置されました。
看板には「気をつけよう 3S」とあり、その下に「Sleep」「Slip」「Speed」の文字。





設置したのは庄原地区交通安全協会 西城分会。
会長 作田高義さんにお話を聞くと


看板設置した所は右側が山で左側は川
道幅が狭くて5年前に高齢者の2名の死亡事故があったところです。
大型同士がすれ違うときには最徐行をするような道。
同時に冬季の12月から3月は凍結する可能性もあるところ。
それを踏まえて看板を見てもらい、気をつけて欲しいという願いです。


とのことでした。

「Sleep」・・・ 居眠りしない
「Slip」 ・・・ 滑らないように注意
「Speed」・・・ 速度を出し過ぎない。

これはクルマでどこの道路を走っていても事故を遠ざけるポイント。
この3Sを全国のドライバーの皆さんは心に留めておいてください。





最後に杵築日出警察署 地域交通課 甲斐貴之課長からのメッセージです。


ほとんどの方は交通事故に遭うことはありませんが交通事故は突然にやってくるものです。
そして、交通事故にはいろんな悲しみや責任がついてきます。
交通事故を起こしてからでは取り返せないこともあります。
そんな悲惨な交通事故の当事者にならないためにも常に交通安全の意識を持って
クルマを運転する方も歩行者の方にも交通事故防止に努めていただきたいと思っています。






1月4日に警察庁が2023年の交通事故統計の速報を発表しました。
今回は、そのデータを伝えしつつ
最近はどんな交通事故に注意すべきかお伝えしました。





警察庁によると去年2023年に交通事故で亡くなった方は全国で2,678人。
交通事故で命を落とす人は減少傾向にあり、
2022年は統計がある1948年以来、過去最低の2,610人でしたが、
残念ながら前年よりも68人の増加でした。

また、交通事故件数は30万7,911件。
負傷者数は36万5,027人。ともに前年比2.4%の増加。
発生件数と負傷者数が前年を上回るのは2004年以来、19年ぶりです。





交通事故を鑑定している株式会社 日本交通事故鑑識研究所 
代表 大慈彌雅弘さんによると、
最近の事故の発生状況から感じる注意点の1つは
駐車場内、端的に言えばコンビニエンスストアの駐車場からの
出入りするときの事故の発生件数が顕著です。

公道上ではルールを守って運転していても駐車場は何となく気が緩む。
一般公道を走行する時間を考えると駐車場でクルマを走行する時間は
かなり短いものの事故は相対的に多いと指摘します。





最近、駐車場での事故が目立つ点について、
大慈彌さんがあげた第2の理由が高齢者の存在です。

日本では65歳以上の高齢者が、
全人口の3割にとどこうとしています。
若者であれば反射的に危険を避けられるところも、
高齢者には難しいかもしれません。

高齢者の場合は少し接触して転んでしまうと
頭を強打して重傷、死亡に繋がるということもあります。
小さな接触事故にはならない可能性も考えて下さい。
駐車場では特に慎重にクルマを操作しましょう。



最後に大慈彌さんが指摘する、
いま気をつけたい交通事故の危険ポイントは電動製品。
電動自転車と電動キックボードです。





電動キックボード・電動自転車は交通弱者でありながら速く走り
自動車と衝突してしまうと重大な事故が起きる可能性がある存在。
さらにかなり気ままに利用している人も少なくありません。

電動キックボードに関しては事故が多発しているため
海外でも次々と規制する動きが出ていて
例えばパリでは住民投票でシェアリングサービスが禁止されました。
    
電動キックボードも電動自転車も
利用する方はルールを守って安全に乗りましょう。
ドライバーは見かけたら、注意を払って運転して下さい。



そして、始まってまもない2024年。
ここからさらに気を引き締めて安全運転でいきましょう