今ではさまざまなクラウドを活用したサービスが登場しています。
それは交通安全の分野でも同じ。
今回はクラウド型の交通安全管理システムを紹介しました。
クラウド型交通安全管理システム「AI-Contact」のサービス開始は2018年。
開発し、リリースしたのは、ジェネクスト株式会社。
今回のコメントは、そのCEO 笠原一さんです。
きっかけは父親が関わった交通事故。
笠原さんの父はタクシーの運転手で、ドライブレコーダーが搭載されていました。
約8年前なのでドライブレコーダーは証拠としては認められなかった時代です。
ただ、その映像をタクシー会社の事故担当者等と見た時、
笠原さんには父親が悪いようには見えませんでした。
でも、過失は父親が大きいことになっています。
そこで「これはおかしい」というところから自ら意見書を作成。
違反点数15点が覆って0点となり、免許証を取り戻すことができました。
その話を知った周囲から交通事故の相談を受けるようになった笠原さん。
結果的に交通事故問題の解決を図るベンチャーを設立します。
2009年のことでした。
まず、乗り出したのは交通事故鑑定事業。
年数を重ねると気づいてきたことがありました。
それは、やはり事故の根本的な原因は道路交通法違反にあるということ。
さらに笠原さんは交通事故当事者になった運転者の身勝手さと
道路交通法違反の多さを目の当たりにします。
笠原さんがサポートする側も相手方も
自分を棚に上げて相手の道路交通法違反を主張するのです。
そして、警察の実況見分を見ると映像と違うことを言ったりする。
いずれのドライバーも相手は道路交通法を守るだろうという意識があり
その上で、自分は道交法違反をしていながら相手の違反に腹立てる。
道路交通法違反がなければ事故にならなかったケースが相当数あるのです。
こうした経験を重ねて笠原さんが企画したのが
クラウド型安全管理システム「AI-Contact」です。
ターゲットとしたのは、営業車を持つ一般企業。
専用デバイスかスマートフォンのGPSを使い、
運転者のGPS情報をクラウド上のサーバーに転送します。
するとクラウド上のサーバーに入っている47都道府県の地図情報と突合。
運転する人の道路交通法違反がどのくらいあったかが分かります。
スマートフォン、PCでWEBサイトを開けば、運転者の道路交通法違反の場所、
グーグルのストリートビューの画像情報、
どこでどんな違反をしたのか累計の厳守率が見えるので、
気をつけようとすることができるサービスになります。
こうしたサービスが普及すると道路交通法違反が減り、交通事故も減るのでしょう。
覚えておいていただきたいのは、事故発生から24時間以内に亡くなっている事故は、
ほぼ全てに道路交通法違反があるということ。
これを無くしたいと考えている笠原さんは
以下のような交通安全に対するメッセージを送って下さいました。
「30分でもいいので道路交通法を100%守った運転をしてみてください。
すると、この運転をしていれば事故に合わないな、
危ない車が突っ込んできても止まれる、避けれるということを実感できると思います」
ハンドルを握っているみなさんは、
まずは道路交通法に反する運転行為をしないことを意識して下さい。
そして、営業車を持つ会社の経営者の方がいれば、
こうしたクラウド型交通安全管理システムの導入も考えてはどうでしょう?