「読者は小説の終わりに希望を強く求めていて、自分はそれに応えたい」(平野啓一郎)
11月25日(日)19時から放送のTOKYO FMサンデースペシャル『人生に、文学を。』では、日本文学研究者のロバート キャンベル氏が話題の作家をゲストに迎え、日本文学の奥深い世界を掘り下げてその魅力を再発見し、人生により深みを与えてくれる「文学」の役割について考えていきます。
第5回のゲストは『日蝕』で第120回芥川賞を受賞し、最新作『ある男』も話題の作家・平野啓一郎さん。20年前のデビュー作であり芥川賞受賞作『日蝕』では15世紀のフランスを舞台に、「森鴎外を基礎とした」という懐古的な文体でしたが、時代を経て、インターネットやSNSの出現、テロが日常的に起こる21世紀の現代社会において、文体も自然と変わってきたといいます。また、結婚し子どもが生まれたことでライフスタイルが大きく変化したことも、自信の作品に大きく影響しているそう。「『ある男』では読者に文学的な深みを体験してもらいたかった。今はネットを通じて読者の反応が届くようになっていて、読者は小説の終わりに希望を強く求めている。僕はそれに答えるべきだと思う」と話しました。そんな平野啓一郎さんにとって「文学」とは?
11月25日(日)19時からの放送を、どうぞご期待下さい。
<平野啓一郎 プロフィール>
平野啓一郎(小説家)
1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。以後、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。著書は小説、『葬送』『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(ドゥマゴ文学賞受賞)『かたちだけの愛』『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』『マチネの終わりに』(20万部突破/渡辺淳一文学賞受賞)、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』『考える葦』等がある。2018年9月に新作長編小説『ある男』を刊行。