第3回のゲストは現在NHK大河ドラマ『西郷どん!』原作者の林真理子さん。歴史小説の難しさや、日本経済新聞で連載中の『愉楽にて』創作秘話、さらには林真理子さんが考える「文学」について伺いました。
「有吉佐和子、宮尾登美子…人物について、何代にも渡って描いたり、ひとりの人を丹念に描いた作品が大好きです。子どもの頃パール・バックの『大地』を一息に読んで、いやぁ、おもしろいなぁ、と。歴史小説は一息に読ませないといけない。時間が経つと、その(時代の)空気に浸れないから」
さらに、現在日本経済新聞で連載中の『愉楽にて』についても語りました。「『西郷どん!』との世界とあまりにも違いすぎてめまいがする!」というロバート キャンベル。地位も財力もある中年男性の愛欲を描いた官能小説として話題です。「私の周りはお金持ちで知的な方が多くて、ネタは長年仕入れていました。人は、作家に話を聞いてもらいたい欲があるのでは?」現在63歳。奇しくも、かつて日経新聞で渡辺淳一さんが連載していた『失楽園』と共通項も多くそんな林真理子さんにとって「文学」とは?さらにこれから小説家を目指す若者たちへ向けてのメッセージも。
<林真理子 プロフィール>
1954年、山梨県生まれ。1982年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が大ベストセラーに。1986年「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞を、1995年『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞を、1998年『みんなの秘密』で吉川英治文学賞、2013年『アスクレピオスの愛人』で島清恋愛文学賞を受賞。そのほかの著書に『不機嫌な果実』『野心のすすめ』『出好き、ネコ好き、私好き』『大原御幸 帯に生きた家族の物語』など著作多数。
- 林真理子 最新作『西郷どん!』(KADOKAWA)発売中
上製版(前編・後編)各1,836円(税込)
並製版(上・中・下)各1,000円(税込) - 薩摩の下級藩士の家に生まれた西郷吉之助(のちの隆盛)は、貧しいながらも家族やのちに大久保利通となる正助ら友に恵まれて育った。やがて吉之助は敬愛する藩主・島津斉彬に見いだされ、側仕えとして江戸に京都に飛び回るようになっていく。鹿児島で得た生涯の出会い、早すぎる至上の人との別れ、そして絶望の中赴いた奄美大島での、運命の恋。日本一わかりやすい、マリコ流幕末ロマン!
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