『Hellosmile Lounge』は20代、30代の女性に増えている子宮頸がんの予防啓発プロジェクト「ハロースマイル」の情報発信拠点。
女性の健康と笑顔を応援するさまざまなメッセージを、全国38局フルネットでお届けします。
今夜、ハロースマイル・ラウンジを訪れたゲストは、元フィギュアスケート選手の鈴木明子さんです。
「ハロースマイル」の小巻亜矢さんがお話を伺います。
(小巻さん)
鈴木明子さんは6歳でスケートをはじめて、2012年の世界選手権で銅メダルを獲得。2014年ソチオリンピックにも日本代表として出場し、団体5位、個人8位入賞。引退後はプロフィギュアスケーター、また振付師や解説者としても活躍中です。
今シーズンの日本選手はいかがでしょうか。
(鈴木さん)
平昌(ピョンチャン)オリンピックがあと一年ちょっとでやってくるので、選手たちもオリンピックに向けて準備を始めている気合を感じます。
特に男子では羽生選手、そして追いつけ、追い越せで、追いかけてくる宇野選手の活躍が目立ちますね。
ソチオリンピック以降はフィギュアスケート界は大きく動いていて、特に男子は4回転が1種類、2種類だったのが、世界で初めて宇野選手が(公式試合で)4回転フリップを決めたり、4回転の種類が増えてきています。
こうなると平昌オリンピックでは4回転合戦になるんじゃないかと思われます。それ以外にも音楽を表現したり、スピンもステップ…、やることは沢山あって、どれも一つ一つのレベルがどんどん上がってきているので、レベルの高い戦いが楽しみです。
(小巻さん)
4回転が当たり前になってきて、今後、5回転なんていうことも考えられるのでしょうか。
(鈴木さん)
科学的な数値では、5回転までは可能らしいです。ジャンプをあと数センチ上げて、回転速度をこれくらい上げて…とか。でも、それをやる選手が出てくるかどうかは分かりません。選手たちは怪我との闘いもあるので…。
ただ、今、進化していることに変わりはないので、その経過を見られるということは、とても幸せなことだと思います。
(小巻さん)
どんな気持ちで選手たちをご覧になっているんでしょうか。
(鈴木さん)
やはり、ドキドキしますね。選手の得意、不得意が分かるので、ここで頑張れ!とか、次が大事!とか、いろいろ、思ってしまって、応援には力が入ります。人間って、常にパーフェクトではないし、いつも練習通りできるわけではないですよね。失敗もあるので、その時、次に向けて、その失敗をどう、克服していくかが大事なんです。弱さを知って初めて強くなれると思うんです。だから選手たちには「失敗は次は強くなるための試練だから頑張れ!」って想いで背中を押しています。
(小巻さん)
ご自身がいろんなことを乗り越えていらしたからこその言葉ですね。
(鈴木さん)
私自身、なかなか上手くいかなかった事がたくさんありましたが、それが自分自身を強くしてくれたという経験があります。選手一人一人の想いや歩んだ過程は違っても、どんな選手でも頑張っていることは分かっていますし、尊重しながら、応援しています。
(小巻さん)
スケートのお話からうかがいましたが、実はプライベートでは婚約発表もされたんですよね。お相手は小学生の時の同級生だとか。
(鈴木さん)
まさか…、と自分でも思いました。私はスケートがあったので、中学からは地元ではない学校に通ったので、18年会っていなかったんです。だから偶然の再会だったんです。
(小巻さん)
再会の時の印象は? やはり、ビビッときたとか…?
(鈴木さん)
それがなかったんです。(笑) お付き合いするとか、結婚するとか、思いもしなかったので、不思議だなぁ、って思います。
それに彼は私のスケーターとしての活動はあまり知らなくて、オリンピックに出場したくらいは知っていたようですが…。
(小巻さん)
ちょっと寂しいですね。
(鈴木さん)
「バンクーバーの時の最初のジャンプは…」なんて語られるより、それくらいが丁度いいです。
(小巻さん)
どんな存在ですか?
(鈴木さん)
一緒にいて心地いい、というか、無理しなくていいし…。すごく自然体でいられる人です。
(小巻さん)
ここで、想いでの曲をお届けしたいのですが…。
(鈴木さん)
現役時代、最後のプログラムに選んだ曲で私のために平沼有梨さんがアレンジしてくれた「愛の讃歌」をお願いします。ヴァイオリンは古澤巌さんです。
(小巻さん)
この曲を聴いていると、競技のことを思い出されるのでは…。
(鈴木さん)
自分のスケート人生を想い出します。たった3分の曲なんですが、曲の最初はスケートと出会えた喜び、ジャンプが飛べるようになったり、いろんなことができるようになった事が楽しかった時期。転調してからは自分の病気やスケートができなくなった苦しみが表されていて、そこから、またスケートに戻ってくることができて、オリンピックへの道のり、もう一度、自分が望む舞台に返ってきたことの喜びが表現されているプログラムなので、この曲を聴くと、これが私の人生なんだ、って、思います。
(小巻さん)
病気の話がでましたが、摂食障害だったこともあったんですよね。
(鈴木さん)
大学入学してすぐの18歳の時だったんですけれど、それまでは6歳でスケートをはじめて、大きな怪我もなく、スケートができる事が当たり前だったんです。でも病気になって、氷から離れて、スケートどころか、何もできない生活になってしまったんです。
自分が生きている意味がみつけられなくなって、目標も夢も何もかもなくなってしまって、もがいていました。でも、やっぱり自分はもう一度スケートがしたいっていう想いがあったから、病気を克服できたと思うんです。
もう一度、スケートをしたい! ただするんじゃなくて、選手としてもう一度、試合にでる!目標こそが、自分をなんとか奮い立たせることができた、と思っています。
(小巻さん)
その強さはどこからくるものなのでしょうか。
(鈴木さん)
それまではスケートしかやってこなかったので、スケートがなくなってしまった時の空っぽな感じがありました。スケートができるようになったら、もう一度、自分を取り戻せると気がして…。だから諦めませんでした。失いかけて、初めてスケートがどんなに大きな存在だったって気が付いたんです。
スケートができることが、当たり前じゃないって事も分かりましたし、両親やコーチ、応援してくれる人…、沢山の人に支えられてスケートができていた事も分かりました。
氷の上では一人ですけれど、沢山の人が支えてくれている、って思えたから強くなれたんです。
(小巻さん)
あの氷上には大勢の方たちが一緒にいらっしゃったのかもしれないですね。
(鈴木さん)
そうですね。そうじゃなかったら、怖くて滑り出せなかったと思います。
(小巻さん)
ありがとうございました。
来週もどうぞ宜しくお願いします。
M GREY_ / 松任谷由実
M 愛の讃歌 /平沼有梨feat.古澤巌