『Hellosmile Lounge』今夜も国立成育医療センター産婦人科医、
三井真理さんをお迎えして、子宮頸がんについてお話を伺いました。
お相手はモデルの菅野結以さん、そして「Hellosmile」の小巻亜矢さんです♪
(小巻さん)
子宮頸がんについて、そもそも、のことをもう一度伺いたいなと思うんですが、
子宮頸がんの原因について教えてもらえますか?
(三井先生)
子宮頸がんの原因は、多くが『ヒトパピローマウイルス』、私たちは、
HPVと呼んでいるんですけども、
ヒトパピローマウイルスの感染がほとんどではないかと言われています。
ではそのヒトパピローマウイルス、聞き慣れない名前なんですけど、
このウイルスはどこからやってくるかというと、このウイルスの感染は、
ほとんどが性交渉と 言われています。
なので、性交渉のご経験がある女性であれば、どなたでも感染する可能性はあって、
このヒトパピローマウイルスに関しては、特に、感染したからと言って
症状が出るわけではないんです。
統計上、言われているのは、性行為のご経験のある女性の6割以上の方が、
一生に一回は、感染しているのではないかと。
ただ、自然にいなくなってしまうウイルスであったり、
人によってウイルスが長く子宮にい続けてしまう方に限っては、
そのうちの数%の方が癌に近づいて、あるいは、癌を発症すると言われています。
ですので、何か予防策があるとか、こういった症状が出るというわけではなくて、
女性として、一連の生活の中で起こりうる、HPVの感染となってくるかなと思います。
(小巻さん)
特別なこんなことがあったから、うつってしまったとか、
そういうことではないとうことなんですね?
(三井先生)
よく“性病”と一緒に考えてしまう方がいるんですが、そこはやっぱり“癌”という病気で、
そのまま気付かず放っておくと命に関わるということがある、
ということがまず大きな違いと、性病と起こってくるメカニズムは全く違うんです。
どうしても、いろんな情報が氾濫していると混乱してしまう方もいらっしゃるんですけど、
決して、性病ではなく、これは“癌”という、命に関わってくる病気であるんだというところは、
これを聞いている方にご理解していただけたらなと思います。
(小巻さん)
今までこの活動をしてきて、よく聞かれたのがまさ にそういうところで、
「性交渉によって」という説明がつく故に、
『恥ずかしい病気だ』とか『検診に行くということも言いにくい』ということがあったので、
先生のお話を伺うと、全くそういうことではなくて、誰にでも起こりうる、ということなんですよね。
(三井先生)
どうしても“癌”というと、病名だけのイメージがついてしまって、
自分には関係ないんじゃないかっていう風に思ってしまうんですね。
若い女性に関しては、勉強して大学に行って、社会人になって、恋愛して結婚して、
子供を産んで、という一つの流れが自分の中で当たり前のように思ってしまうんですけど、
子宮頸がんに関しては、性交渉によって関わってくるHPVというウイルスの関連も
言われているので、まだまだ 先の話ではなくて、
今まさに自分にも起こりうる可能性があるんだということ、
結婚して子供産んでっていう世代の自分たちにも深く関わっているんだと、
少しでも伝わればいいかなと思います。
M:All That / Carly Rae Jepsen
(菅野さん)
女性として生きていく中で、すごく身近な病気だということ、
そして検診が定期的に必要だということも、よくわかったんですけど、
もし検診に行って、子宮頸がんだと、病気だとわかったら、
一体そこからどのような治療をしていくんですか?
(三井先生)
まず一番大事なことは、病気がどのような状態にあるのか、によって、
治療は大きく変わってくるかなと思います。
ごく初期の段階に分かった場合は、女性なので、
今後に妊娠のご希望のある方に関しては、子宮を残さなくてはならないんですね。
なので、子宮を残すために、おこなっていく手術から選択していきます。
あまり聞き慣れない名前ですけど“円錐切除術”という方法 がありまして、
円錐状に子宮の出口を切り取る手術があるんですけど、その癌の部分だけを切り取る手術、
子宮の一部分、卵の形をした下の部分だけを切り取るという手術があります。
(菅野さん)
やっぱり子宮頸がんになったら、子宮の一部は切除しなきゃいけないってことなんですか?
(三井先生)
そうですね。そのまま体の中に癌細胞が残ってしまった場合には、
時間がたって広がってしまう可能性を思うと、診断がついた時点で
治療はしなくてはならないかなと思います。
(小巻さん)
妊娠が分かって初めて産婦人科に行かれるという方も多いと思うんですね。
その時に子宮頸がんが見つかるというケースもありますか?
(三井先生)
そんなに数は多くはないんです けど、
やはり、妊娠をきっかけに内診台に初めて乗る方も多いので、
妊娠と同時に子宮頸がんが分かる方も時々いらっしゃいます。
そういった方々が今後どのようにしていくかということは、とても大事な話になっていくんですけど。
まず自分の中に大切な命を宿して、かつ育てている。でも自分の中に、同時に病気もある、
と分かった時に、自分の命とベビーの命を守っていかなければならないんですね。
見つかった時点で、癌がどの程度のものなのかということによって、
本当にごく初期の状態であれば、まずはベビーを育てる。
お腹の外に生まれても、1人でちゃんと生きていく大きさになるまで、
癌の方の検査をよくしながら、まずベビーを産み、その後に治療を行うという方法が、
初期であれば 可能です。
(小巻さん)
やっぱり女性のライフプランにすごく大きく影響することだからこそ、
いざ妊娠・出産のちょっと手前のところで、やっぱり検診を受けておくということが、
本当に若い世代にこそ真剣に考えてほしいと思いますね。
(菅野さん)
いざ「子供を産みたい」ってなって産めなかったら悲しいですもんね。
そんなことがないように、検診さえ受ければ防げるっていうことですもんね。
(三井先生)
自分は元気だって、だいたいみなさん思っているんですね。
よく耳にするのが「自分は生理が月に一回きているから元気です」って
おっしゃる方がいるんですけど、決してそれは『=』ではないんです。
子宮頸がんに関しては、月経とは関係なく、全く症状がなく、
細胞をとってみないと分からない。
生理でもない出血があったりとか、そういった症状が出てきた時には、
ある程度、進行していることもあるので、自分の身体を知るためにも、何もなくても検診を受ける。
それは未来の自分のためでもあって、今は想像がつかなくても、
母になるんだ、子供を授かるかもしれないんだ、ということを思うと、
今できる準備の一つではあるのかなと思います。
(小巻さん)
今先生から、「未来の自分のために」という言葉が出ましたけど、
一年に一回、「時間がなくて」という声がたくさん聞かれましたけど、
そんなことを言っている場合じゃなくて、
長いライフプランの一つの大切なチャンスを逃さないためにも、
時間を確保して検診に行ってほしいですよね。
(菅野さん)
たった数時間で済むものですし、検診の内容自体は本当に簡単だということを
目の前で見せてもらったので、それだったらすぐ行きます、検診!先生、宜しくお願いします!
【国立成育医療センター産婦人科医、三井真理先生】
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オンエアー曲リスト
M:Kiss Of Life / Sade
M:All That / Carly Rae Jepsen