福山雅治 福のラジオ

TOKYOFM/JFN38 Stations Every Saturday 14:00-14:55

放送後記

『ラストマンー全盲の捜査官ー』に込めたメッセージ

2023/4/30
いよいよ放送がスタートしたドラマ『ラストマンー全盲の捜査官ー』。ご覧になった感想をたくさん頂戴しています。
札幌市・RAYさん
「ラストマン」楽しく視聴させていただきました。
マシャをはじめとするみなさんの声や音、そして音声解説を聴いてドラマの世界を楽しむことができました。

私は生まれつき視覚障害を持っています。
このドラマから、私は共感できることがたくさんありました。
一つは、一人で新しい場所に行けたときの達成感。
皆実さんがそれを伝えてくれていましたが、私も同じ気持ちになると思います。
人に尋ねたり、スマホのナビアプリを駆使しながら、目的地に一人で到着できたときの喜びは大きいです。
見えなくても時間がかかっても、自分でできることがあるというのは自信につながると感じます。

もう一つ。
このドラマは障害者が持つ「ぐさっとくるもの」を「さらっとメッセージとして伝えて」いると感じます。
普段はなかなか外には出せない思いもマシャがせりふの中で、いろいろ伝えてくれていると感じました。
誰かに「お願いします」と頼むのは勇気がいることです。
でもその「できないから助けてほしい」と素直にサポート依頼をすることは、本当に大切なことだと感じます。

自分でできることは自分で、できないことは素直にサポートしてもらう。
私たちは必要とされることを必要としていると感じます。


自分はもしかしたら相手に負担をかけてしまうかもしれないけれど、
何かの、誰かの役に立ちたい…。
そう思っています。
「一緒に働きたい」
「一緒に何かをやっていこうよ」
と思ってもらえるような存在になりたいと思いました。
人には得意なこと、苦手なこと、できること、できないことがあると思います。
それをお互いにサポートし合って、社会参加できる世界を作っていきたいですね。


読み終わった福山さんは、ラジオの制作現場を例にRAYさんのメッセージに深く同意していました。

・・・構成作家、ディレクター、パーソナリティ、、、他の人ができない仕事の分野について、自分ができる最大のパフォーマンスを発揮すべく、番組制作の現場に集まり、ラジオ番組という小さな社会を作っています。
RAYさんのおっしゃる通り、社会というのは、人に助けられながら、かつ人を助けながら、共存して成立しているのだと思います。

そして目に見える範囲で助けられ、助けられることが存在するのと同様、目に見えないところでも同じことが起きています。
たとえば、ゴミを捨てたとき、それを収集し処理する人がいるからこそ、自分たちがゴミを捨てることができるわけですが、今後はこの方法が通じなくなってしまうかもしれない。
となると、ゴミをできるだけ出さないようにする工夫を、自分たち消費者や様々なものを生み出す人々、全てが持ち寄って生きていかないといけません。このようにゴミひとつとっても、多くの“助け・助けられ”ということが、複合的に生じています。

こうしたことが複雑に積み重なっているのが社会。
その社会が、どうすればすべての人にとって今より良くなるか、ということを考え、追求していくことは大切です。僕の場合、それをエンターテインメントを通じて発信していくとなるわけなんです。
そのうえで、こういったメッセージを含むエンターテインメントを、連続テレビドラマという形で提供するというのが、今の僕の社会参加の方法のひとつとなっています。

 ・
 ・
 ・
始まったばかりの『ラストマンー全盲の捜査官ー』。
アナタはドラマから、どんなメッセージを受け取ったでしょうか?
ご覧になった感想、お待ちしています。

最新記事

バックナンバ―