- 2018.02.25
香川県の木のテーマパーク KITOKURAS 2

先週に引き続き、四国は香川県 丸亀市にある山一木材という材木屋さんが展開するプロジェクト「KITOKURAS」のレポートです。
この山一木材、山のふもとの街道沿いにあります。KITOKURASの施設と、山一木材の工場はこの道を挟む形で並んでいます。
で、KITOKURASUの施設は、文字通り木と暮らすことを様々な形で体感できる空間。こちらでご飯を食べたり、ハンモックに揺られたり、置いてある木工製品を眺めたりできます。そして、ここを満喫した私たちは、道の反対側にある、山一木材の工場の方へと向かいました。
~1本道を渡ってきましたが、今度は大きい倉庫みたいな感じですが、ここは?
こっちは元々、山一木材が製材をしている工場でして、一枚板とか大黒柱とか、その他、木という木をお客様に見てもらえる場所にしようということで、準備を少しずつしていっている場所なんですね。
~一般的な材木屋さんとは違って、入るところにカワイイ暖簾みたいなのがあって、なかに電気が散りばめられていて、ライトアップされていてカワイイですね。
ありがとうございます。お買い物を楽しくしてもらえたらなと思って。材木屋さんのなかをショッピングカートを押したり、買い物かごを持ってお買い物ができるようになったらいいなと思って、少しずつ整えていっているところです。

~外に出られるんですね。ここで夜、飲んだり、夏とか春とか最高じゃないですか。
家を建てたい人とか、家具を作りたい人は働き盛りの人が多いので、相談に来たいと思っても、休日か夜くらいしか無いのかなと思って、じゃあ夜、ちょっとした食事ができるところで家具が頼めたりしたら楽しいかなと思ったんです。いまはちょっと寒いですが、これから春になって、気持ちよくなってきたら、下のデッキも客席にします。

ということで、いわゆるみなさんが想像するような材木展示場とはちがって、たとえば階段がピアノの鍵盤のように塗られていて、踏むとピアノの音がするとか、ちょっとしたお食事やお酒が飲めるテラス席があったり、本当に素敵なアイデアがたくさん詰め込まれています。なぜ、こういうアイデアが生まれたのか、熊谷有記さんにお話を伺いました。
~熊谷有記さんは生まれたときから、いずれはここを継ぐんだという気持ちだったんですか?
いや、絶対継ぎたくないと思っていて、どうやって逃げようかっていう事しか考えてませんでした。小さいときから、周りにいるのはおっちゃんばっかりだったので、男社会だと思っていましたし、うちのおじいちゃんもお父さんも方と、腕の内側の柔らかいところに結構太めの毛が生えているんですね(笑)。肩で木を担いで移動するということと、その木を守りながら下に下ろすために、腕の内側に一度バウンドさせるからだと思うんですけど。もちろん、耳とか鼻の毛も長い(笑)。これは私はできませんって思いました。それに、やっていることがとても複雑で難しそうに見えたんです。
そして、デザインっていう分野に興味を持ち始めて、デザインの仕事を進めていくうちに、伝統工芸士の方々ともお仕事をさせていただいていたのですが、おっちゃんたちが言うには「この仕事は自分の代で終わり。息子にこんな苦労はさせたくない。」って言うんです。でも、作っているものはみんなすごいんですよ。こんなにすごいものを作っているのに、やめてしまったら、他に作れる人はいない。ふと振り返って実家を見てみると、まさにうちがそうだったんです。きっと、私がこの山一木材に帰ってこないと、この会社はなくなるんだろうと思ったら、これは肩の毛が、とか言っている場合じゃないと思いったんです。
それに、more treesっていう、坂本龍一さんがされているプロジェクトがあるんですが、そこで日本の山の木で商品開発をしましょうっていう企画を立ち上げられたんです。そこで初めて木のものづくりをさせてもらうことになったんですが、サンプルを実家につくってもらうということになって、山一木材で丸いビスケットみたいなブローチをつくって、ダンボールが東京の事務所に届いた。開けてみると、モアって木の香りが出てきて、ただの丸い木なんですけど、その美しさに感動してしまったんです。同じ木なんだけど、製材する方向によって模様が違うし、肥松なんていう木は、光に透かすと、べっ甲みたいに透けて見えるんです。歳を取った杉の木を、浮造り(うづくり)といって、ちょっとブラシを掛けて納品してもらったものは、本当に凸凹がきれいにストライプが出ていたりして。これはもうもうこんなことしている場合じゃない、帰ろうと思ったんです。で、香川に帰って、このKITOKURASの構想を父親と練っていったんです。
材木屋さんだけやって、一般の人に来いといっても、なかなか来ないですよね。じゃあ、おいしいコーヒーとか、ちょっとした軽食があったら、一生に一度行くか行かないかの材木屋に、2~3ヶ月に一度でも来てもらえたら、そこをきっかけにちょっとずつ変わっていくんじゃないかと思ったんです。始めたときは、近所の人や大工さんに、「暇なの?」「コーヒー淹れるのが好きなの?」とか言われました(笑)。
KITKRASの熊谷有記さんのお話、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!
KITKRASサイト→http://kitokuras.jp
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Sweet Sweet Smile / The Carpenters
・The Carpenters / 大橋トリオ