今週は、JFN38局が一丸となって取り組む『COOL WOOD JAPAN project』をお届けします。
木を上手に使った生活、各地の森林や、木材の魅力を、FM各局が紹介。
「いのちの森」では、各局のレポートを、月に一度お届けしています。

今回はエフエム宮崎からのレポート、「つみきハウス」です。
「つみきハウス」というと、なんだか子どものおもちゃのようですが…
じつは会社の名前なんです。

この会社は、杉の間伐材でつくった、つみき・ブロックという木材を、本当に積み木のように組み上げた建物を扱っています。

株式会社つみきハウスの中尾繁男さんにお話を伺いました。

◆つみきブロックを思いついたきっかけ
昭和45年ごろまではトンネル工事専門でやっていましたが、当時、間伐材は誰も見向きもしませんでした。林道工事の際も伐採した木はそのまま山に放置していました。持って出ても1円にもならないので、山で腐らせたほうが安く済んだからです。もったいないと思い、大工さんにかんなのかけ方を聞いてみたものの、そんなに簡単ではないと言われ、あきらめていました。しかし、ある日孫とおもちゃのブロックで遊んでいる時、「じいちゃん、これでお家をつくって」と言われて、木材をブロックの形にして家をつくることを思いつきました。実際につくってみて、壊れない程度の家はできたのですが、ある日雨が降ったら、中に水が入ってきてしまい、それからは色々苦労しました。
つみきブロックを使えば、犬小屋のような小さなものから大きな家までつくることができます。しかし、宮崎の林業フェスティバルに出展した際、建築家からそれは違法だと指摘されてしまいました。
そこで、国土交通省の許可を取らなければいけないということになったのですが、とりあえず山小屋くらいのものであれば法律にひっかからないということで、最初は別荘や公衆トイレなどから始まったんです。

株式会社つみきハウス 中尾繁男さん

こうして中尾さんが開発したつみきブロックは長さ30cm、高さ6cm、厚さ7.5cmという大きさです。このサイズに決まるまでは長い試行錯誤が逢ったそうです。つみきブロック同士は「噛み合わせる」ようにできていて、ゴムのついた木槌でたたいて組み上げていきます。積み木というよりは組み木といったほうがわかりやすいかもしれません。

ちなみに、中尾さんが20年前につみきブロックで建てた娘さんの喫茶店はいまもお店としてちゃんと使われているそうです。このつみきブロックによる建物は、宮崎県内では住宅やキャンピングカー、事務所、イベントホールなどがすでて建てられていて、さらに今年は東北の被災地でも活躍しています。


◆つみきハウスは被災地でも
陸前高田市のある地区で、600戸の家がほとんど流されてしまい、2軒しか残らなかったというところがあります。住人はそれぞれ仮設住宅に入っていましたが、震災以降、一度も集まったことがないので集会所をつくろうという話になり、私に声がかかりました。作業に入ると、住人が80人位集まりました。炊き出しをする人、手伝いをする人、大工の棟梁も何人かいて、3日くらいで完成し、みんな喜んでくれました。


外見はログハウスのような感じで、木の暖かみを感じます。実際につみきハウスを利用している方によると木の香りが良いとのこと。また、つみきブロックは1mコンクリートの壁と同じくらいの断熱効果があり、建物の中は思った以上に暖かいそうです。そして、何より組み立てがとても簡単。別荘を建てるひとからは、自分で組み立てたいのでブロックだけ欲しいというひとも多いそうです。

およそ5~6坪の小屋を建てるには6000個程度のブロックが必要で、3人で組み立てていくとおよそ1週間程度で完成させられるそうです。

そして中尾さんは、つみきハウスを海外にもっていくことを考えているとのこと。海外のメディアでもつみきハウスが紹介され、実際にタイの木材業者がやってきたり、マレーシアからは、ゴムの木でつくれないか、などのお話もあるそうです。とても楽しみですね。

株式会社つみきハウス
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この「COOL WOOD JAPAN Project」では、JFN ジャパンFMネットワーク38局それぞれが、各地域の森の情報や取り組みなどをご紹介しています。
詳しくは「COOL WOOD JAPAN Project」の特設WEBサイトをご覧ください。
今日ご紹介したFM FUKUOKAのレポートも、ポッドキャストで聞くことができます。
このページのバナーからも簡単に見ることができます。

そして、木材の魅力をさらに活用する方法としてあるのが木材利用ポイント。
スギやヒノキやカラマツなど、地域の木材で家を建てたりリフォームしたり、そうした木材の家具を購入するとポイントがもらえるという事業です。薪ストーブなどの購入でも、同じようにポイントがもらえます。そして、ポイントに応じて、地域の美味しい作物・海の幸・商品券などに交換することができるんです!!
くわしくは、「木材利用ポイント」のサイトをご覧ください!
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今週は、先週に引き続き、宮城県 気仙沼市の地元企業、住民が目指す、間伐材を有効活用した、持続可能なまちづくりをご紹介します。

これは気仙沼市の、震災からの復興計画のひとつとして動き出しているものです。
気仙沼の土地の7割を占める山林から切り出した間伐材を燃料にエネルギーをつくり、まちの資源にしようという取り組みです。
この取り組みの中心となる間伐材の買い取りはすでに始まっています。

買い取った間伐材は一年乾燥させた後、チップにしてプラントへ運び、エネルギーに変えて、エンジンを回して発電します。
発電したエネルギーは東北電力に買ってもらうよう、話を進めているそうです。
また、エンジンを回すことによって発生した熱は、近隣のホテルの空調や、お湯をわかすのに利用できるよう、設備を整えているとのこと。

近年間伐材の買取価格は落ち込んでいて、現在の市場価格で売ろうというひとはなかなかいません。そこで、「Reneria」(リネリア)という地域通貨を発行し、間伐材の相場の価格にプラスしてリネリアを支払うことを考えているそうです。地域通貨であれば、地元でお金が循環し、地域経済の活性化にもつながります。

これまでに何度か行われた説明会にはたくさんのひとが参加しており、気仙沼市が行ったアンケートでは、市内で山を所有していて、買い取りに興味があるひとも相当数いることがわかっています。

こうしたことを実現する核となる発電施設は3月に稼働する予定で、現在、急ピッチで建設が進んでいます。

先週からお話を伺っている気仙沼エネルギー開発の代表、高橋さんは、この事業で林業に接するようになって、木や山の素晴らしさに気づくとともに、逆に石油の便利さにも改めて気づかされたといいます。

こういった再生エネルギーによるまちづくりが実現できれば、波及効果で、疲弊した地域の活性化にもつながりますね。

詳しくはポッドキャストでもご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!
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今週は、宮城県気仙沼市の地元企業や住民が取り組む、再生可能エネルギーによるまちづくりをご紹介します。

震災後に始まったこの取り組みは、地元の森と木材を地域で活用して持続可能な社会をつくる試みとして注目されているんです。

再生可能エネルギーといえば太陽光や風力などが有名ですが、こちらで取り組んでいるのは地元の森から出る木材、主に間伐材をエネルギーとして活用しようというものです。

お話を伺ったのは気仙沼地域エネルギー開発株式会社の代表・高橋正樹さん。
気仙沼エネルギー開発 高橋さん

高橋さんは元々ガソリンスタンドなどを経営していたそうですが、15ある事業所のうち13ヶ所が被災。
残る2ヶ所で、気仙沼全体で稼働している唯一のガソリンスタンドとして、地元の人や、緊急車両へのエネルギー供給を続けていたそうです。

そんななか、震災復興市民委員会が発足。高橋さんは委員会の座長としてまちの復興計画に関わることになりました。そして、そこで生まれたのが地元の森を活用した再生可能エネルギーのアイデアでした。

再生可能エネルギーというと太陽光や風力が中心と考えられがちですが、気仙沼は地域の70パーセントが山。この山の資源を復興に使えたら素晴らしいと考え、林業者をあたったものの、当初は誰も手を挙げる人がいなかったそうです。

そこで、この計画を建てた高橋さんに、エネルギーにも詳しいということで白羽の矢が立ち、木質バイオマスによる復興計画がスタートしました。

気仙沼の山は、木造建築がなくなった頃から木材の単価が下がり、いまではだれも手入れをしなくなっていたそうです。
しかし、発電事業で間伐材を、山の手入れをしていけるくらいの価格で買うことができれば、山は豊かになり、その養分が海に流れ、海も豊かになる。そんな理想的な循環が今回の事業の目指すところなんです。

詳しくはポッドキャストでも紹介しています。
ぜひお聞きください!

気仙沼地域エネルギー開発株式会社
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あけましておめでとうございます。
2014年最初の放送です。

今週は、企業が取り組む、森作りをご紹介します。

お届けするのは、昨年11月、ショッピングセンターで知られるイオンが、千葉県・幕張新都心の新しい店舗の敷地内で行った植樹祭の模様です。
イオンモール幕張新都心「イオンふるさとの森づくり」植樹祭
イオンの植樹活動というのは、番組ではお馴染み、植物生態学者・宮脇昭さんも関わっていて、もうずいぶん前から大きな広がりを見せているんです。
宮脇先生と岡田会長
この日、イオンモールの敷地内の植樹会場には、およそ5000人の参加者があつまり、この地域に元々自生している、タブの木やシイノキ、ヤブツバキなど、42種類・5万本の苗木が植樹されました。
岡田会長と森田知事

イオンが取り組む植樹活動について、イオン広報グループの鈴木茂伸さんにお話を伺いました。
イオン 鈴木茂伸さん
ショッピングセンターで知られるイオンは、1991年、マレーシアに新しい店舗をオープンした時に「ふるさとの森づくり」という活動をスタート。
以来、国内外で新しい店舗をオープンする際に、地域に根付く木々を植林するという活動を続け、今回なんと1000万本に到達!
すごいですね!!

宮城県の店舗では、津波で流された車を植樹した木がくいとめたという事例もあるそうですよ。

3.11の震災後にイオンの従業員30万人が10年間で1回はボランディアに行こうという、30万人のボランティア活動、そして30万本の木を被災した海岸林を中心に植えていこうということで、10年計画での植栽を計画しているそうです。現在3年目となり順調に、年間3万本くらいずつ植林しているんだそうです。

詳しくはポッドキャストでも紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!
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高橋万里恵
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