今月ご乗船いただいているのは、アルピニストの野口健さんです。
高校生の頃、偶然、書店で手にした植村直己さんの著書に感銘を受け登山を始めた野口さん。
1999年、3度目の挑戦でエベレスト登頂に成功。
10年の歳月をかけて、7大陸最高峰 世界最年少登頂記録を25歳で樹立されました。
近年では山の清掃活動や被災者支援活動などを行なってらっしゃる野口さんにお話を伺いました。

野口「今日はベーリング海峡ですね。アラスカとロシアの間の海峡ですね」
干場「なぜそんなところに行かれたんですか?」
野口「カヌーで80キロくらいだったんです、真ん中に人の住んでいる島があるんですよね。つまりは40キロ漕げば、その島に上陸できるじゃないですか?」
干場「そうですね」
野口「次の日にもう40キロ漕げば、ロシアに行けるじゃないですか?と思うと、横断したくなるじゃないですか?」
干場「はい(笑)」
野口「高校時代から趣味が世界地図を見る事だったんですよ、見ながら“ああ、横断したい”と思っていたんですよ。高校卒業してマッキンリー登って、マッキンリーがアラスカなので、アラスカといえばベーリング海峡じゃないですか。
高校時代から気になっていたこの狭い海峡、19歳のときにマッキンリーから降りてきて、ベーリング海峡沿いにウェールズという島があるんですよ」
干場「はいはい」
野口「そこへ行ったんですね。で、何の情報もなくて何百人くらいかが住んでいるイヌイットの村があるんですね。そうしたら、イヌイットの人が何人か近付いてくるんですよ。“何か変なやつが来た”っていう話になるんですよね。
それで、60代くらいの方が『何しに来た?』って言うから」
干場「それはそうですよね」
野口「『ベーリング海峡を渡りに来た』と言うと、『いいから、俺の部屋に泊まって落ち着け』と言われたんですね。
そこから1週間くらい一緒に生活するんです」
干場「うんうん」
野口「1ヶ月くらいいようかと思っていたんですよ、ボートいっぱいあるので。
彼らのボートを貸してくれないか、もしくは売ってくれないかっていうんですけど、売ってくれないんですよ」

野口「彼らは『お前は間違いなく真ん中の島にたどり着けない』と言うんですよ」
干場「波は高いんですか?」
野口「風がない日はそうでもないんですけど、クジラの通り道なんですよ」
干場「え〜〜!」
野口「クジラって南の島で出産するんですよ。子供が大きくなるまではじっとしてるんですね。
南の島は餌がないので、母クジラはほとんど食べてないんですよ。食べずに子供におっぱいをあげているんですよ」
干場「痩せちゃいますね」
野口「いつも僕は海を見ながら『行くか、行かないか』『行くか、行かないか』と考えて、これは孤独でしたね」
干場「これは1人だったんですか?」
野口「1人ですね」
干場「すごい経験してますね」
野口「“ここまで来たんだから行くしかない!”と思って、でもイヌイットがみんな止めるんですよ。僕を止めていたお父さんが、『絶対に活かせるな、行ったら帰ってこない』と言って。
1週間もいればファミリーだから、『絶対に俺が認めない』とか言って、結局止められたんですよ。
もし言ってたら、僕は今ここにいないでしょうね」
干場「そうですか(笑)」
野口「もう一度お礼を言いに行きたいなと思っているんですよね」

「船内での写真撮影」
くぼこまき:船内にはプロのカメラマンがあちこちを歩いていて、パシャパシャと写真を撮ってくるんですね。
日本の方は写真に関して身構えてしまう方が多くて、お金を取られるんじゃないかと思われる方もいらっしゃるんですけど。
いくら撮影されてもお金はかからないんですね。
撮影された写真は、船内にあるフォトショップでプリントアウトされて掲示されているので、その中でベストショットがあれば、1枚単位で購入できるようになっています。なので、思わぬショットが撮れてる時もあるんですね。
普段絶対にないシチュエーションで撮られてる時があるので、記念になるなと思う時もあります。
また、フォトショップの中にはスタジオがあって、依頼して家族写真、夫婦写真を撮ってもらうことができるんです。
外国人のカメラマンの方が撮られるので、日本の写真館で撮る写真とは一風違っていますね。
気に入ったら買うという仕組みなので、撮るだけでも面白いので挑戦してみるといいんじゃないかと思います。
クルーズ情報
「船内での写真撮影」
くぼこまき:船内にはプロのカメラマンがあちこちを歩いていて、パシャパシャと写真を撮ってくるんですね。
日本の方は写真に関して身構えてしまう方が多くて、お金を取られるんじゃないかと思われる方もいらっしゃるんですけど。
いくら撮影されてもお金はかからないんですね。
撮影された写真は、船内にあるフォトショップでプリントアウトされて掲示されているので、その中でベストショットがあれば、1枚単位で購入できるようになっています。なので、思わぬショットが撮れてる時もあるんですね。
普段絶対にないシチュエーションで撮られてる時があるので、記念になるなと思う時もあります。
また、フォトショップの中にはスタジオがあって、依頼して家族写真、夫婦写真を撮ってもらうことができるんです。
外国人のカメラマンの方が撮られるので、日本の写真館で撮る写真とは一風違っていますね。
気に入ったら買うという仕組みなので、撮るだけでも面白いので挑戦してみるといいんじゃないかと思います。