明日は明日の風が吹く
人との出会いが数多くの可能性を広げてきた。
そして、今、大切な出会いの真っ只中だという。
「桑田佳祐さんですね。本当に演歌しか知らなかった私が中学頃、初恋の方の影響でサザンオールスターズと出会うんですね。サザンオールスターズのファンになって自分がデビューしてから、いつか桑田佳祐さんに曲を書いて頂きたいって夢を持っていたんですね。ただレコード会社もジャンルも違う桑田さんには、ずっとお会いすることができなかったんです。初めてお目にかかったのが、2018年3年前の紅白なんですよ」
坂本冬美は思い続けていた想いを手紙にした。
私の初恋の思い出
紅白で感動した話。
最後にかなうならば曲を作っていただきたい。
「数ヶ月後にスタッフの方からお返事が来まして、桑田さんのスタジオの方に来てくださいということでいきましたら、お忙しい中わざわざ来て下さってありがとうございますって、桑田さんがですよ」
坂本冬美の熱烈なアプローチ。
その想いは桑田佳祐に届いた。
迎えたレコーディング。
そこは坂本冬美にとって夢のような空間だった。
「桑田さんが、ここは美空ひばりさんとか、ちあきなおみさん風に、ここは一番演歌っぽいから都はるみさん風にそんなイメージでちょっと歌ってみてくださいと、アドバイスをしてくださって。一年以上前の話なんですけど、今でも思い出しただけで興奮が蘇ってきますね」
自分から動いて未来を切り開いてきた坂本冬美。
その気持はこれからも続けるという。
「正直言って35周年と言うとね、守りに入ってもいいと思うんですね。でも、やはり何かこのまま守りに入って先細りするよりは、悔いのないように、自分が思うことは、まず自分が動いてみて、もう明日は明日の風が吹くって思えば、また新たなそれを今日中に、反省もして、明日に残さない。明日はまた新たな1日なんだっていう思いで生きていけば、なんか常に前向きになれるかなと思っています」