みらい図鑑

VOL.332「チームエナセーブ 未来プロジェクト 埼玉県 見沼たんぼ」

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埼玉県にある「見沼たんぼ」。

東京都心から30キロ圏内にありながらも、
奇跡的に開発をまぬがれてきた大規模な自然空間で、
その大きさは、じつに、東京ドーム269個分です。

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そんな見沼たんぼで、田んぼ体験をはじめ、味噌づくり、こんにゃくづくりなど、
さまざまな自然体験ができるプログラムを提供しているのは、
地元のおかあさんたちが中心となって作ったグループ、「ファーム・イン さぎ山」。

代表をつとめる、萩原知美さん(はぎわら・さとみ)さんに伺いました。

「農業って、ほんと、命の産業なんだよ、っていうことを伝えたくて。
それこそ、なんにもないところから作り出す力があるんだよ、って伝えたくて、始めたんですね。

農のある暮らしって、
日本の社会問題を包み込むだけの力があるって気づいたんです。
食の安心・安全、環境問題、福祉問題、教育問題、そして、居場所作り。
それを、いま伝えなかったら無くなってしまうと思うんですね。」

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埼玉県に広がる大自然の見沼たんぼから、
農のある暮らしの豊かさを、次の世代へ伝えていこうという「ファーム・イン さぎ山」。

その取り組みに賛同して、協力しているプロジェクトが、
ダンロップと日本ユネスコ協会連盟による環境保護活動、
「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」です。

先日、田んぼの中に入って草取りをするという体験イベントがおこなわれました。


「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」を推進するメンバーに、お話を伺いました。
住友ゴム工業株式会社、
タイヤ国内リプレイス営業本部・販売企画部の中村紘之(なかむら・ひろゆき)さんです。

「これは、100年後の子どもたちのために、
日本の美しい自然や文化を残していくことを目的に、
2013年から、日本ユネスコ協会連盟さんと一緒に、全国各地で行っている活動です。

こうした活動は、継続することが重要だと思っています。
ここ、見沼たんぼでの活動も、今後も継続し、
100年後の子どもたちのために、
美しい自然や文化を未来へ残すお手伝いをしたいと考えています。」

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「ファーム・イン さぎ山」の萩原さん親子はこんな風に話します。

「みんな農業って、大変なんだって思っていますよね。
だけど、実際にタネをまいて、育てて、食べた時の美味しさがわかったときって、
こんなに美味しいのかって、思うんですね。

ここに来たお父さんなんて、何回もいらっしゃる方もいて、
子どもだけじゃなくてお父さんの講座も作ってくれと。
それで、藁でご飯を炊いて、できた野菜でカレーを作って。
それでもう十分で、みなさん喜んで帰ります。」

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たくさんの子どもたちも受け入れている「ファーム・イン さぎ山」。

はじめは、ボソボソと挨拶をしていた子どもたちが、
最後には、元気になって帰っていくことも珍しくないといいます。

何時間かの自然の中での体験で子どもたちが変わっていく、
そういう姿を見ると本当に嬉しいと萩原さんは感じています。

「気づきは、なんでもいいと思っているんです。
こちらに来て、都内とは暑さの質が違うな、という気づきでもいいんです。
それが、なんにもないところから生み出す力につながります。

なんにもないと自分で考えるんですね。
ああしよう、こうしよう、こうしたらできるかな。
失敗したらなんでだろうって思う。
違う人に聞いてみることもあるかもしれません。

農のある暮らしには、そういう力があると思っています。」

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首都近郊にありながら、
美しい風景、豊かな自然を守り続けてきた「見沼たんぼ」。

これから先、100年後にもこの自然を残していきながら、
「農のある暮らし」の豊かさを伝えていきたいですね。

VOL.331「麦わら帽子」

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古くから「麦わら帽子」の生産が盛んな町、埼玉県春日部市。

かつて、米や麦の栽培が盛んだったこの土地でおこなわれていたのが、
収穫した麦の「茎」の部分を使った、麦わら帽子の素材づくり。

その後、海外から工業用ミシンが輸入されたことで、
麦わら帽子の生産が一気に広がり、町の産業として定着していきました。

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伝統工芸品として知られている、春日部市の麦わら帽子ですが、
後継者不足の問題から、
ここ10年ほどの間に、ほとんどの工場が廃業を余儀なくされたといいます。

そんななか、麦わら帽子が量産できる工場として、
唯一、町に残るのが、明治13年創業の「田中帽子店」。

天然素材を専門とし、
“一つ一つ、すべての工程が職人の手仕事であること”が、こだわりです。

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「手作りなので、同じ形のものを作っていても、
一個一個、やっぱり、若干違うんですね。
それはミスではありません。
同じ形を作っていても、一個一個、違うんです。」

そう教えてくれたのは、「田中帽子店」の6代目、田中 優さん。

日除けに最適で、麦わら帽子をかぶると涼しいよね、と思ってもらえるように、
日本一、かぶりやすい麦わら帽子を作ることを目標としています。

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「田中帽子店」が長く続けていられるのは、
地域の人々に愛されているからこそ、と田中さんは話します。

誰かに贈り物をする時は、地場のものをプレゼントしたい、
そんな想いで、麦わら帽子を買い求めに来る多くの地元客。

春日部の人たちの郷土愛を、年々、実感しているといいます。

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麦わら帽子を軸としながらも、
一代一代、かわるごとに新しいことにトライする「田中帽子店」。

いま、田中さんは、一見、ハードルが高そうに思われがちな麦わら帽子のイメージを
徐々に変えていきたいと考えています。

「好きな人だけが被る嗜好品ではなく、
必需品として、一般の普通の方にこそ、かぶってほしいですね。」

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夏、町のいろんな場所で、麦わら帽子をかぶっている人々の光景を頭に浮かべながら、
この先も仕事をしていきたい。

春日部市の伝統工芸品は、
そんな田中さんの想いとともに、未来へと受け継がれていきます。
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埼玉県にある「見沼たんぼ」。

東京都心から30キロ圏内にありながらも、
奇跡的に開発をまぬがれてきた大規模な自然空間で、
その大きさは、じつに、東京ドーム269個分です。

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そんな見沼たんぼで、田んぼ体験をはじめ、味噌づくり、こんにゃくづくりなど、
さまざまな自然体験ができるプログラムを提供しているのは、
地元のおかあさんたちが中心となって作ったグループ、「ファーム・イン さぎ山」。

代表をつとめる、萩原知美さん(はぎわら・さとみ)さんに伺いました。

「農業って、ほんと、命の産業なんだよ、っていうことを伝えたくて。
それこそ、なんにもないところから作り出す力があるんだよ、って伝えたくて、始めたんですね。

農のある暮らしって、
日本の社会問題を包み込むだけの力があるって気づいたんです。
食の安心・安全、環境問題、福祉問題、教育問題、そして、居場所作り。
それを、いま伝えなかったら無くなってしまうと思うんですね。」

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埼玉県に広がる大自然の見沼たんぼから、
農のある暮らしの豊かさを、次の世代へ伝えていこうという「ファーム・イン さぎ山」。

その取り組みに賛同して、協力しているプロジェクトが、
ダンロップと日本ユネスコ協会連盟による環境保護活動、
「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」です。

先日、田んぼの中に入って草取りをするという体験イベントがおこなわれました。


「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」を推進するメンバーに、お話を伺いました。
住友ゴム工業株式会社、
タイヤ国内リプレイス営業本部・販売企画部の中村紘之(なかむら・ひろゆき)さんです。

「これは、100年後の子どもたちのために、
日本の美しい自然や文化を残していくことを目的に、
2013年から、日本ユネスコ協会連盟さんと一緒に、全国各地で行っている活動です。

こうした活動は、継続することが重要だと思っています。
ここ、見沼たんぼでの活動も、今後も継続し、
100年後の子どもたちのために、
美しい自然や文化を未来へ残すお手伝いをしたいと考えています。」

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「ファーム・イン さぎ山」の萩原さん親子はこんな風に話します。

「みんな農業って、大変なんだって思っていますよね。
だけど、実際にタネをまいて、育てて、食べた時の美味しさがわかったときって、
こんなに美味しいのかって、思うんですね。

ここに来たお父さんなんて、何回もいらっしゃる方もいて、
子どもだけじゃなくてお父さんの講座も作ってくれと。
それで、藁でご飯を炊いて、できた野菜でカレーを作って。
それでもう十分で、みなさん喜んで帰ります。」

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たくさんの子どもたちも受け入れている「ファーム・イン さぎ山」。

はじめは、ボソボソと挨拶をしていた子どもたちが、
最後には、元気になって帰っていくことも珍しくないといいます。

何時間かの自然の中での体験で子どもたちが変わっていく、
そういう姿を見ると本当に嬉しいと萩原さんは感じています。

「気づきは、なんでもいいと思っているんです。
こちらに来て、都内とは暑さの質が違うな、という気づきでもいいんです。
それが、なんにもないところから生み出す力につながります。

なんにもないと自分で考えるんですね。
ああしよう、こうしよう、こうしたらできるかな。
失敗したらなんでだろうって思う。
違う人に聞いてみることもあるかもしれません。

農のある暮らしには、そういう力があると思っています。」

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首都近郊にありながら、
美しい風景、豊かな自然を守り続けてきた「見沼たんぼ」。

これから先、100年後にもこの自然を残していきながら、
「農のある暮らし」の豊かさを伝えていきたいですね。

VOL.331「麦わら帽子」

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古くから「麦わら帽子」の生産が盛んな町、埼玉県春日部市。

かつて、米や麦の栽培が盛んだったこの土地でおこなわれていたのが、
収穫した麦の「茎」の部分を使った、麦わら帽子の素材づくり。

その後、海外から工業用ミシンが輸入されたことで、
麦わら帽子の生産が一気に広がり、町の産業として定着していきました。

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伝統工芸品として知られている、春日部市の麦わら帽子ですが、
後継者不足の問題から、
ここ10年ほどの間に、ほとんどの工場が廃業を余儀なくされたといいます。

そんななか、麦わら帽子が量産できる工場として、
唯一、町に残るのが、明治13年創業の「田中帽子店」。

天然素材を専門とし、
“一つ一つ、すべての工程が職人の手仕事であること”が、こだわりです。

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「手作りなので、同じ形のものを作っていても、
一個一個、やっぱり、若干違うんですね。
それはミスではありません。
同じ形を作っていても、一個一個、違うんです。」

そう教えてくれたのは、「田中帽子店」の6代目、田中 優さん。

日除けに最適で、麦わら帽子をかぶると涼しいよね、と思ってもらえるように、
日本一、かぶりやすい麦わら帽子を作ることを目標としています。

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「田中帽子店」が長く続けていられるのは、
地域の人々に愛されているからこそ、と田中さんは話します。

誰かに贈り物をする時は、地場のものをプレゼントしたい、
そんな想いで、麦わら帽子を買い求めに来る多くの地元客。

春日部の人たちの郷土愛を、年々、実感しているといいます。

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麦わら帽子を軸としながらも、
一代一代、かわるごとに新しいことにトライする「田中帽子店」。

いま、田中さんは、一見、ハードルが高そうに思われがちな麦わら帽子のイメージを
徐々に変えていきたいと考えています。

「好きな人だけが被る嗜好品ではなく、
必需品として、一般の普通の方にこそ、かぶってほしいですね。」

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夏、町のいろんな場所で、麦わら帽子をかぶっている人々の光景を頭に浮かべながら、
この先も仕事をしていきたい。

春日部市の伝統工芸品は、
そんな田中さんの想いとともに、未来へと受け継がれていきます。
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