みらい図鑑

VOL.334「丸亀うちわ」

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日本の夏の風物詩、「うちわ」。

その9割は、香川県丸亀市で作られていて、
生産量は、年間、約1億本以上。

この地域で作られるうちわは、「丸亀うちわ」と呼ばれ、
400年以上の歴史を誇ります。

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もともと、1本の竹で、柄と骨の部分が作られる「丸亀うちわ」ですが、
長い歴史のなかで、全国からのいろんな注文を受けるにつれて、
ほかの産地の要素が融合していきました。

多様な特長を持つ「丸亀うちわ」は、
生産量だけでなく形の豊富さも日本一。

平成9年には、国の伝統的工芸品に指定されました。

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丸亀うちわづくりには、大きく分けて「骨」と「貼り」の工程があり、
全47ものプロセスを経て、1本のうちわが完成します。

紙を破れにくくするため、素材の厚さによって糊の濃度を調節するなど、
細かい作業はすべて職人さんの手仕事。

至るところに、熟練の技が光ります。

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「香川県うちわ協同組合連合会」、会長の山田時達(やまだ・ときさと)さんは、
うちわには、単に、外で涼をとる道具としてだけでなく、
“日本の夏の象徴”という意味合いがある、と話します。

「うちわっていうのは、日本人の文化というか、
もう、日本の文化のセットみたいなものだと思うんですね。

いまはコロナもあって減っていますが、
お祭りとか花火大会とかに行こうかなと思ったら、
大半の方は、うちわを1本持って行きたいな、と感じるのではないかなと思うんです。」

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機械で作る「ポリうちわ」も、職人の手で作る「竹うちわ」も、
どちらにも良さがある、と話す山田さん。

「わたしどもの仕事の中心は、
プラスチックの機械生産の“ポリうちわ”を出荷することなんですね。

その一方で、400年続いてきた職人による手作りのうちわは、
このままだと、あと5年、10年、先に残せるのかという状況にもなってきているんです。
少しずつでもPRしていきたいと思っています。」

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古き良き伝統を守りながら、
時代とともに進化し続ける「丸亀うちわ」。

400年後のお祭りでも、みんながうちわを持っているように、
この文化を後世に伝えていきたい。

そんな思いで山田さんたちは、これからも「丸亀うちわ」を守り続けていきます。

VOL.333「網エコたわし」

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長崎県雲仙市で、
煮干しの原料となるカタクチイワシを獲っている漁業会社、「天洋丸」。

そんな「天洋丸」で作っているのが、漁で使った網をアップサイクルした「たわし」、
その名も、「網エコたわし」です。

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カタクチイワシの漁では、網はとても大切な道具。

穴が空いても、破れても、出漁をしない休みの間に、
漁師さん自身の手で少しずつ修理しながら、大切に使っていきます。

そして、10 年ほど経ち、いよいよ、ここまでか、という状態になってはじめて、
新しい網と交換するのです。

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そもそも、漁師さんの間では、
古くなった網の切れ端は、食器洗いなどに使うのが日常的だったといいます。

大事に使っていた網をまだまだ役に立たせたい。

そんな思いから、大きな使い古しの網を、
使いやすいサイズにカット、洗浄・殺菌して作られたプロダクトが、この「網エコたわし」。

道具を大切に使う漁師さんからの、“おすそ分け”です。

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「天洋丸」の竹下恵理(たけした・えり)さんに伺いました。

「もともと漁師さんたちは使っていたんですが、
一般的には知られていなかったんです。

実際、泡立ちがいいんですね。
しかも、乾きやすい。

そういう使い方がありますよ、っていう話をしたところ、
自分も使ってみたい、という声をいただいて、商品化したんです。
売ろうと思って作ったわけではなかったんですよね。

この網で魚を獲っていたんだな、っていうことを、
たわしを使う人に感じていただけたら嬉しいです。」

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長い間、カタクチイワシを獲ってきた網。

海での役目を終えたあとも、
漁師さんたちの知恵によって、私たちの生活にずっと寄り添い続けてくれます。
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日本の夏の風物詩、「うちわ」。

その9割は、香川県丸亀市で作られていて、
生産量は、年間、約1億本以上。

この地域で作られるうちわは、「丸亀うちわ」と呼ばれ、
400年以上の歴史を誇ります。

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もともと、1本の竹で、柄と骨の部分が作られる「丸亀うちわ」ですが、
長い歴史のなかで、全国からのいろんな注文を受けるにつれて、
ほかの産地の要素が融合していきました。

多様な特長を持つ「丸亀うちわ」は、
生産量だけでなく形の豊富さも日本一。

平成9年には、国の伝統的工芸品に指定されました。

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丸亀うちわづくりには、大きく分けて「骨」と「貼り」の工程があり、
全47ものプロセスを経て、1本のうちわが完成します。

紙を破れにくくするため、素材の厚さによって糊の濃度を調節するなど、
細かい作業はすべて職人さんの手仕事。

至るところに、熟練の技が光ります。

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「香川県うちわ協同組合連合会」、会長の山田時達(やまだ・ときさと)さんは、
うちわには、単に、外で涼をとる道具としてだけでなく、
“日本の夏の象徴”という意味合いがある、と話します。

「うちわっていうのは、日本人の文化というか、
もう、日本の文化のセットみたいなものだと思うんですね。

いまはコロナもあって減っていますが、
お祭りとか花火大会とかに行こうかなと思ったら、
大半の方は、うちわを1本持って行きたいな、と感じるのではないかなと思うんです。」

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機械で作る「ポリうちわ」も、職人の手で作る「竹うちわ」も、
どちらにも良さがある、と話す山田さん。

「わたしどもの仕事の中心は、
プラスチックの機械生産の“ポリうちわ”を出荷することなんですね。

その一方で、400年続いてきた職人による手作りのうちわは、
このままだと、あと5年、10年、先に残せるのかという状況にもなってきているんです。
少しずつでもPRしていきたいと思っています。」

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古き良き伝統を守りながら、
時代とともに進化し続ける「丸亀うちわ」。

400年後のお祭りでも、みんながうちわを持っているように、
この文化を後世に伝えていきたい。

そんな思いで山田さんたちは、これからも「丸亀うちわ」を守り続けていきます。

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長崎県雲仙市で、
煮干しの原料となるカタクチイワシを獲っている漁業会社、「天洋丸」。

そんな「天洋丸」で作っているのが、漁で使った網をアップサイクルした「たわし」、
その名も、「網エコたわし」です。

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カタクチイワシの漁では、網はとても大切な道具。

穴が空いても、破れても、出漁をしない休みの間に、
漁師さん自身の手で少しずつ修理しながら、大切に使っていきます。

そして、10 年ほど経ち、いよいよ、ここまでか、という状態になってはじめて、
新しい網と交換するのです。

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そもそも、漁師さんの間では、
古くなった網の切れ端は、食器洗いなどに使うのが日常的だったといいます。

大事に使っていた網をまだまだ役に立たせたい。

そんな思いから、大きな使い古しの網を、
使いやすいサイズにカット、洗浄・殺菌して作られたプロダクトが、この「網エコたわし」。

道具を大切に使う漁師さんからの、“おすそ分け”です。

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「天洋丸」の竹下恵理(たけした・えり)さんに伺いました。

「もともと漁師さんたちは使っていたんですが、
一般的には知られていなかったんです。

実際、泡立ちがいいんですね。
しかも、乾きやすい。

そういう使い方がありますよ、っていう話をしたところ、
自分も使ってみたい、という声をいただいて、商品化したんです。
売ろうと思って作ったわけではなかったんですよね。

この網で魚を獲っていたんだな、っていうことを、
たわしを使う人に感じていただけたら嬉しいです。」

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長い間、カタクチイワシを獲ってきた網。

海での役目を終えたあとも、
漁師さんたちの知恵によって、私たちの生活にずっと寄り添い続けてくれます。
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