みらい図鑑

VOL.308「1000年の歴史を誇る棚田の再生とチームエナセーブ未来プロジェクト」

radikoで再生する
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岡山県美作市・上山地区。

この地域には、かつて、1000年の歴史を誇る、
日本最大級の規模の「棚田」がありました。

奈良時代から築かれた千枚田。
最盛期には、8000枚以上の田んぼがあったと言われています。

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そんな上山地区も、時代の移り変わりとともに過疎化が進み、
耕作放棄地が増え、美しい棚田は姿を消してしまいました。

その風景を、もう一度、取り戻したい。

そんな想いで活動を続けるグループが、
NPO法人「英田上山棚田団(あいだ・うえやま・たなだだん)」。

そして、この棚田団の取り組みに賛同して、
毎年、棚田を整備する手伝いをしているのが、
「チームエナセーブ未来プロジェクト」。

ダンロップと日本ユネスコ協会連盟による環境保護活動です。

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「英田上山棚田団(あいだうえやまたなだだん)」のメンバー、
梅谷真慈(うめたに・まさし)さんに伺いました。

「みなさんの協力もあって、
これまでに、4分の1の棚田が息を吹き返しています。

わたしたちは、引き続き、かつての美しい風景だけでなく、
新たな、人の営みも作り出すために活動していきます。」

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コロナ禍で不安定だったこの2年の間にも、
新たな取り組みとして、棚田の稲株主制度をスタートさせた「英田上山棚田団」。

様々な形で、棚田の保全に関われる仕組みづくりに取り組んでいます。

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「去年は活動の支援として、ダンロップさんと取り組んでいる
“チームエナセーブ未来プロジェクト”から、
軽トラック用のタイヤを寄贈していただき、活用しています。

今年は、ぜひ、田植えや収穫を通して、
一緒に、美味しいお米を作れたらと思っています。」

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1000年の歴史を誇る、美しい棚田の再生。
日本の原風景を愛する皆さんの挑戦は、これからも続きます。

VOL.307「杉の木の皮でつくる天然染料インク」

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富山県の冬の味覚、寒ぶりで知られる氷見市で、
天然染料の、筆記用ご当地インクが生まれました。

手がけているのは、創業140年を迎えた製材所、「岸田木材」です。

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インクの素材は、これまで廃棄せざるを得なかった、杉の木の「皮」の部分。

木を製材する過程において、必ず出る木の皮ですが、
利用価値が少なく、これまでほとんど活用されてこなかったのが現状です。

そこで、「岸田木材」では、なんとか有効活用させようと素材をアップサイクル。

京都にある文具メーカーの協力のもと、
「ひみ里山杉からできたインク」という名前で、
杉の木の皮に新たな価値が生まれました。

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「このインクには匂いもあって、
色味は、杉本来のワインレッドのような赤茶色。
その色から入ってもらえればいいのかなと思います。」

そう語るのは、同・製材店の明松洋介(かがり・ようすけ)さん。

ほんのり香るのは、まさに、“木の皮の匂い”だそうです。

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里山を保全するために、
“木の日常消費”をテーマに掲げている「岸田木材」。

日ごろから、楽しく木に触れて、
消費できるような仕組みを作りたかったといいます。

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「やっぱり慣れてくると、“これは捨てるものだ”と習慣化するじゃないですか。
ですが、ある人には宝物に見えて、“もったいない”に変わっていくんですよね。
それを伝えたかったというか。

木の皮をただ書くだけでいいんです。
書くだけで木の消費につながる商品になりました。」

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樹皮を主成分としたインクは全国初。
さらに、色素を抜いた後の皮は、堆肥の原料として再利用できるといいます。

書くだけで木が日常消費できる「ひみ里山杉からできたインク」。

循環型社会に新しい可能性をもたらす明松さんたちの挑戦は、
これからも続きます。
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岡山県美作市・上山地区。

この地域には、かつて、1000年の歴史を誇る、
日本最大級の規模の「棚田」がありました。

奈良時代から築かれた千枚田。
最盛期には、8000枚以上の田んぼがあったと言われています。

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そんな上山地区も、時代の移り変わりとともに過疎化が進み、
耕作放棄地が増え、美しい棚田は姿を消してしまいました。

その風景を、もう一度、取り戻したい。

そんな想いで活動を続けるグループが、
NPO法人「英田上山棚田団(あいだ・うえやま・たなだだん)」。

そして、この棚田団の取り組みに賛同して、
毎年、棚田を整備する手伝いをしているのが、
「チームエナセーブ未来プロジェクト」。

ダンロップと日本ユネスコ協会連盟による環境保護活動です。

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「英田上山棚田団(あいだうえやまたなだだん)」のメンバー、
梅谷真慈(うめたに・まさし)さんに伺いました。

「みなさんの協力もあって、
これまでに、4分の1の棚田が息を吹き返しています。

わたしたちは、引き続き、かつての美しい風景だけでなく、
新たな、人の営みも作り出すために活動していきます。」

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コロナ禍で不安定だったこの2年の間にも、
新たな取り組みとして、棚田の稲株主制度をスタートさせた「英田上山棚田団」。

様々な形で、棚田の保全に関われる仕組みづくりに取り組んでいます。

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「去年は活動の支援として、ダンロップさんと取り組んでいる
“チームエナセーブ未来プロジェクト”から、
軽トラック用のタイヤを寄贈していただき、活用しています。

今年は、ぜひ、田植えや収穫を通して、
一緒に、美味しいお米を作れたらと思っています。」

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1000年の歴史を誇る、美しい棚田の再生。
日本の原風景を愛する皆さんの挑戦は、これからも続きます。

VOL.307「杉の木の皮でつくる天然染料インク」

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富山県の冬の味覚、寒ぶりで知られる氷見市で、
天然染料の、筆記用ご当地インクが生まれました。

手がけているのは、創業140年を迎えた製材所、「岸田木材」です。

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インクの素材は、これまで廃棄せざるを得なかった、杉の木の「皮」の部分。

木を製材する過程において、必ず出る木の皮ですが、
利用価値が少なく、これまでほとんど活用されてこなかったのが現状です。

そこで、「岸田木材」では、なんとか有効活用させようと素材をアップサイクル。

京都にある文具メーカーの協力のもと、
「ひみ里山杉からできたインク」という名前で、
杉の木の皮に新たな価値が生まれました。

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「このインクには匂いもあって、
色味は、杉本来のワインレッドのような赤茶色。
その色から入ってもらえればいいのかなと思います。」

そう語るのは、同・製材店の明松洋介(かがり・ようすけ)さん。

ほんのり香るのは、まさに、“木の皮の匂い”だそうです。

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里山を保全するために、
“木の日常消費”をテーマに掲げている「岸田木材」。

日ごろから、楽しく木に触れて、
消費できるような仕組みを作りたかったといいます。

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「やっぱり慣れてくると、“これは捨てるものだ”と習慣化するじゃないですか。
ですが、ある人には宝物に見えて、“もったいない”に変わっていくんですよね。
それを伝えたかったというか。

木の皮をただ書くだけでいいんです。
書くだけで木の消費につながる商品になりました。」

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樹皮を主成分としたインクは全国初。
さらに、色素を抜いた後の皮は、堆肥の原料として再利用できるといいます。

書くだけで木が日常消費できる「ひみ里山杉からできたインク」。

循環型社会に新しい可能性をもたらす明松さんたちの挑戦は、
これからも続きます。
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