みらい図鑑

Vol.31 「塗り箸」 福井県

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世界遺産にもなった日本の食文化、和食。
その和食と切っても切り離せないのが、お箸、ですよね。

日本一の箸どころは福井県。
”塗り箸”に限れば、全国の生産量の9割が小浜市で作られています。

そんな小浜市で、若狭塗り箸の製造販売をしているのが、箸匠「せいわ」。



代表の木越祥和(きごし・よしかず)さんに伺いました。

「伝統的な若狭塗りになると、生地の上にアワビの貝殻や卵の殻をひっつけて、
その上から塗料(色漆)を塗り重ね、途中で金箔も貼って、何度も何度も塗り重ね、
最後に砥石で研ぎだす、というのが古来の若狭塗りの技法なんです。」

1本1本、異なった仕上がりで丁寧に作られる箸。
そんな職人の技が古くから愛されてきた「せいわ」の出発は、畳一畳の小さなお店でした。
現在では、全国の幼稚園に子供用箸の販売や観光売店などもしています。



「純粋にお箸だけで食事をする文化というのは日本だけなんですね。
お箸の持ち方ひとつでも家族団らんっていうんですか、
話のキッカケになって、そういった中から本当の食卓から学ぶ。
これが本当の食育じゃないかと個人的には考えているんです。」

お箸は優れた食器。
お箸を正しく持って、きちんとした食事のマナーを身につけてもらえれば、と願う木越さん。
取引のある全国の幼稚園や保育園に、お箸の正しい持ち方や練習方法などを書いたパンフレットを配るなどの活動をしているんだそうです。

こうした木越さんの思いが、日本の食卓を100年後へと導きます。

「私どもがやっている活動は、お箸を正しく持てて、
そういったお箸の文化を知って守っていきたいという思いでやっていますので、
100年後には、日本人が全員お箸を理解して正しく持てて、
家族みんなで食べる楽しい食卓ができていれば良いかなと思っています。」

Vol.30 「未来へつなげたい北海道の森」 北海道白老町

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あなたは鮭の遡上を見たことはありますか?



いまの季節、数えきれないほどたくさんの鮭が遡上している地域の一つ。
それが北海道を流れるウヨロ川です。
いつまでも鮭が還ってこられる自然環境を残すためには何ができるか。
答えは豊かな森作りです。

「豊かな森をつくり、いつまでも鮭が気持ちよく暮らせるようにしたい」
先週、そんな活動に取り組んでいる地域を訪ねました。
北海道の白老町です。
一面に広がっている森の空気は「美味しい」の一言です。



白老町に、ステキな名前の森を訪ねました。
「ラブアースの森」です。
ここには、カラマツ、シラカバ、ハンノキなど様々な木から種が飛んできて、
苗が育ち、現在はそれらが大変混んだ状態で育っています。
特に、カラマツの木は、
5メートル以上の高さになっています。



木は、密集していると太陽の光が1本1本の木に十分に届きません。
結果、木々がやせ細ってしまい、
山は土砂崩れを起こしやすくなってしまいます。

豊かな森を作っていくためには、
太陽の光を浴びせるために、間伐が必要になります。



そこで豊かな森を取り戻そうと奮闘しているのが、
「NPO法人 ウヨロ環境トラスト」というグループのみなさん。
事務局の辻昌秀さんは次のように話します。



「ここの林は元々はカラマツの人工林ですが、
あとからナラの木、クリの木などの種が飛んできました。
いろんな種類の木が生えています。
逆に、昔はそういう豊かな森だったんですよね。
カラマツを間伐しながらは、
ゆくゆくは豊かな広葉樹にしたいと思っています。

ぼくたちの団体が出来て15年になります。
とくに力を入れているのが、子どもたちの自然体験活動です。
参加した子どもたちが、自然に関わる仕事をしていたり、
趣味で登山をはじめたり、
今も自然に触れているという話を聞くんですよね。
子どもの自然体験は大事だと思います。

北海道の自然を残し、森を作るには多くの方の手が必要です。
ぜひぼくたちのような環境ボランティア活動は、
いろいろな団体が行っているので、参加して頂きたいですね。

秋になるとキノコも採れます。鮭も見られます。
ウヨロ川を流れるきれいな水は上流の山、周辺の山から来ます。
山に降った水が川に湧き出し、
その湧き出した所に鮭が卵を生むんですね。

豊かな森と豊かな川のつながりはとても深いんですよ」



さて、美しい北海道の森をつくっていこうという取り組み。
「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」も賛同しています。
ダンロップと日本ユネスコ協会連盟が協働しておこなっている環境保護活動です。
このプロジェクトを推進している、
住友ゴム工業株式会社 タイヤ国内リプレイス営業本部 販売企画部
部長の津崎正浩さんのお話です。



「今日は天気も良くて気持ち良い、最高の日になりましたね。
ぼくは今は東京勤務なのですが、
実は、この4月まで北海道に勤務していました。
およそ2年間、北海道に住んでいました。
それで北海道が大好きになりました。
今日はその恩返しが出来ればと、非常に楽しみにしてきました。

カラマツの枝打ちや間伐作業は、思ったより難しかったですね。
ただ、今回子どもたちが沢山参加されていて、
私より上手い子どももいました。
とても良い活動が出来ているな、と感じました。
北海道の森をこういう風に、
世代を越えて多くの方と一緒に守っていきたいと思います」



未来へ向けて、美しい森をつくっていこう!
そんな取り組みの一貫としておこなわれた先日の間伐作業。
大人はもちろん、
子どもたちも、たくさんの方が体験しました。




これからの未来を担う子どもたちも、楽しみながら、
自然を守っていく大切さを体験していました。
北海道の豊かな森、しっかりと、未来へつないで行きたいですね。

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Vol.31 「塗り箸」 福井県

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世界遺産にもなった日本の食文化、和食。
その和食と切っても切り離せないのが、お箸、ですよね。

日本一の箸どころは福井県。
”塗り箸”に限れば、全国の生産量の9割が小浜市で作られています。

そんな小浜市で、若狭塗り箸の製造販売をしているのが、箸匠「せいわ」。



代表の木越祥和(きごし・よしかず)さんに伺いました。

「伝統的な若狭塗りになると、生地の上にアワビの貝殻や卵の殻をひっつけて、
その上から塗料(色漆)を塗り重ね、途中で金箔も貼って、何度も何度も塗り重ね、
最後に砥石で研ぎだす、というのが古来の若狭塗りの技法なんです。」

1本1本、異なった仕上がりで丁寧に作られる箸。
そんな職人の技が古くから愛されてきた「せいわ」の出発は、畳一畳の小さなお店でした。
現在では、全国の幼稚園に子供用箸の販売や観光売店などもしています。



「純粋にお箸だけで食事をする文化というのは日本だけなんですね。
お箸の持ち方ひとつでも家族団らんっていうんですか、
話のキッカケになって、そういった中から本当の食卓から学ぶ。
これが本当の食育じゃないかと個人的には考えているんです。」

お箸は優れた食器。
お箸を正しく持って、きちんとした食事のマナーを身につけてもらえれば、と願う木越さん。
取引のある全国の幼稚園や保育園に、お箸の正しい持ち方や練習方法などを書いたパンフレットを配るなどの活動をしているんだそうです。

こうした木越さんの思いが、日本の食卓を100年後へと導きます。

「私どもがやっている活動は、お箸を正しく持てて、
そういったお箸の文化を知って守っていきたいという思いでやっていますので、
100年後には、日本人が全員お箸を理解して正しく持てて、
家族みんなで食べる楽しい食卓ができていれば良いかなと思っています。」

Vol.30 「未来へつなげたい北海道の森」 北海道白老町

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あなたは鮭の遡上を見たことはありますか?



いまの季節、数えきれないほどたくさんの鮭が遡上している地域の一つ。
それが北海道を流れるウヨロ川です。
いつまでも鮭が還ってこられる自然環境を残すためには何ができるか。
答えは豊かな森作りです。

「豊かな森をつくり、いつまでも鮭が気持ちよく暮らせるようにしたい」
先週、そんな活動に取り組んでいる地域を訪ねました。
北海道の白老町です。
一面に広がっている森の空気は「美味しい」の一言です。



白老町に、ステキな名前の森を訪ねました。
「ラブアースの森」です。
ここには、カラマツ、シラカバ、ハンノキなど様々な木から種が飛んできて、
苗が育ち、現在はそれらが大変混んだ状態で育っています。
特に、カラマツの木は、
5メートル以上の高さになっています。



木は、密集していると太陽の光が1本1本の木に十分に届きません。
結果、木々がやせ細ってしまい、
山は土砂崩れを起こしやすくなってしまいます。

豊かな森を作っていくためには、
太陽の光を浴びせるために、間伐が必要になります。



そこで豊かな森を取り戻そうと奮闘しているのが、
「NPO法人 ウヨロ環境トラスト」というグループのみなさん。
事務局の辻昌秀さんは次のように話します。



「ここの林は元々はカラマツの人工林ですが、
あとからナラの木、クリの木などの種が飛んできました。
いろんな種類の木が生えています。
逆に、昔はそういう豊かな森だったんですよね。
カラマツを間伐しながらは、
ゆくゆくは豊かな広葉樹にしたいと思っています。

ぼくたちの団体が出来て15年になります。
とくに力を入れているのが、子どもたちの自然体験活動です。
参加した子どもたちが、自然に関わる仕事をしていたり、
趣味で登山をはじめたり、
今も自然に触れているという話を聞くんですよね。
子どもの自然体験は大事だと思います。

北海道の自然を残し、森を作るには多くの方の手が必要です。
ぜひぼくたちのような環境ボランティア活動は、
いろいろな団体が行っているので、参加して頂きたいですね。

秋になるとキノコも採れます。鮭も見られます。
ウヨロ川を流れるきれいな水は上流の山、周辺の山から来ます。
山に降った水が川に湧き出し、
その湧き出した所に鮭が卵を生むんですね。

豊かな森と豊かな川のつながりはとても深いんですよ」



さて、美しい北海道の森をつくっていこうという取り組み。
「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」も賛同しています。
ダンロップと日本ユネスコ協会連盟が協働しておこなっている環境保護活動です。
このプロジェクトを推進している、
住友ゴム工業株式会社 タイヤ国内リプレイス営業本部 販売企画部
部長の津崎正浩さんのお話です。



「今日は天気も良くて気持ち良い、最高の日になりましたね。
ぼくは今は東京勤務なのですが、
実は、この4月まで北海道に勤務していました。
およそ2年間、北海道に住んでいました。
それで北海道が大好きになりました。
今日はその恩返しが出来ればと、非常に楽しみにしてきました。

カラマツの枝打ちや間伐作業は、思ったより難しかったですね。
ただ、今回子どもたちが沢山参加されていて、
私より上手い子どももいました。
とても良い活動が出来ているな、と感じました。
北海道の森をこういう風に、
世代を越えて多くの方と一緒に守っていきたいと思います」



未来へ向けて、美しい森をつくっていこう!
そんな取り組みの一貫としておこなわれた先日の間伐作業。
大人はもちろん、
子どもたちも、たくさんの方が体験しました。




これからの未来を担う子どもたちも、楽しみながら、
自然を守っていく大切さを体験していました。
北海道の豊かな森、しっかりと、未来へつないで行きたいですね。

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