VOL.260「銘木端材のネクタイピン」
家具の街として知られる、北海道旭川市。
旭山動物園の裏手に工房を構える「丹野製作所」では、
さまざまな銘木の端材で、
ひとつひとつ、木目も色合いも異なる「ネクタイピン」を作っています。
「端材」とは、木工製品を作る際、
型を切り取ったあとに余ってしまう木のこと。
ですが、もともとは家具になる銘木です。
そのまま捨ててしまうのはもったいない、という思いでスタートしたのが、
端材を有効活用して、新たな価値を生み出す試みでした。
手掛けるのは、
「丹野製作所」の丹野雅景(たんの・まさかげ)さん、ゆりさんご夫婦。
ナラ、サクラ、イタヤカエデ、ウォールナットなど、
いろんな樹の表情を活かしたネクタイピンづくりを手作業でおこなっています。
ゆりさんのお話です。
「クラフト好きでなくても、
気軽に手にできるようなものを作りたい、と思って、
普段、身につけるネクタイピンづくりを始めました。
木は、ほんとに身近にある存在ですが、
たとえば、色が違うのは、着色しているんじゃないの?と聞かれたりします。
まだまだ知られていないと思うんですね。」
貴重な資源である木に感謝の気持ちを込めて、
無駄なく使いきれるように、日々、取り組んでいるという「丹野製作所」。
ネクタイピンの他にもさまざまなクラフト製品を作っています。
雅影さんの思いはこんなところにもあります。
「これをきっかけに好きになってもらえたら嬉しいですし、
たくさんの木の種類があるんだ、
ということも知ってもらえたら嬉しいですね。」
これまで活用されてこなかった木の種類や、
間伐材の利用にも今後は目を向けていきたい、と語る雅影さん。
地球にもやさしい「銘木端材のネクタイピン」は、
新生活へ向けたギフトにも喜ばれそうですね。