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22.02.24

子どもへのワクチン接種

nullネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。

今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


子どもへのワクチン接種

吉田:5歳から11歳の子どもへのワクチン接種は、今週から医療機関や各自治体にワクチンが配送され、早い地域では今月中にも接種が始まる見通しです。


ユージ:いよいよ子どもへの接種が始まるということで、詳しく教えてください。


神庭さん:東京都では墨田区や足立区など、早い自治体では2月末から接種がスタートする見通しです。十分な量が供給され、多くの自治体で接種が本格化するのは来月以降になりそうですね。
ワクチンは、大人の場合ファイザー・モデルナの2種類がありますが、5~11歳の子ども用はファイザー1択なので「どっちにしようかな」と悩む必要はありません。
有効成分の量は12歳以上の大人向けの3分の1、接種回数は2回で、1回目と2回目の間には3週間の間隔をあけます。3週間を過ぎてしまったからといって、1回目からやり直す必要はなく、なるべく早く2回目を打てばOKです。


ユージ:有効成分3分の1でも効果はあるんでしょうか?


神庭さん:厚労省のQ&Aによると、アメリカでの臨床試験では、5~11歳でも16~25歳と同程度に抗体が上昇したと言われています。また、2回目の接種完了後、7日以降の発症予防効果は90.7%でした。ただし、このデータはオミクロン流行前のもので、エビデンスが不十分な部分もあります。
補足として、大人に関してはオミクロンでも発症予防効果、重症化予防効果が確認されています。


ユージ:どこで打つことができますか?


神庭さん:自治体が用意した集団接種会場や、小児科のクリニックなどで打つことができます。集団接種会場の場合、有効成分の量が違うので、万が一にも大人向けと打ち間違えることがないように、できれば大人と子どもで会場を変える、難しければ時間帯を変える、動線を明確に分ける…といった対応が必要だと思います。
原則、保護者の同伴が必要で、未就学児の場合はできるだけ母子手帳を持参すると良いでしょう。


ユージ:学校での集団接種はしないんですか。


神庭さん:文科省は学校での集団接種について、21日付で出した通知のなかで「現時点で推奨するものではない」としていまして、

 ・実施方法によっては、保護者への説明の機会が乏しくなる
 ・個々の意向が尊重されず同調圧力を生みがち
 ・接種後の体調不良に対するきめ細かな対応が難しい

といった理由が挙げられています。ただし、

 ・生徒や保護者に丁寧な情報提供をする
 ・保護者が同伴する
 ・事実上の強制にならないように、授業中などにはやらない
 ・接種を希望しない生徒や保護者に配慮して、放課後や休日、長期休業期間などに実施する

などの条件を満たした場合には、市町村の判断で、学校での接種も可能だとしています。


吉田:神庭さん、副反応が心配だという保護者の方も多いですよね。


神庭さん:お子さんのこととなると、自分のこと以上に心配になるのは当然ですよね。副反応に関しては、大人と同じように接種部位の痛み、倦怠感、頭痛、発熱などの症状が確認されているそうで、厚労省は「ほとんどが軽度または中等度であり回復している。現時点で得られている情報からは、安全性に重大な懸念は認められていない」と説明しています。


吉田:ちなみに、副反応を理由に学校を休んでも大丈夫なんですか?


神庭さん:そういう場合は「出席停止」扱いにして欠席にカウントしない…など、柔軟な取扱いもできる、と文科省が通知を出していますので、学校に問い合わせてみてください。


吉田:接種について、保護者はどう判断したらいいのでしょうか。


神庭さん:5~11歳に関しても、国は接種を「勧奨」はしていますが、一方で「努力義務はない」としています。これってどういうこと?と、混乱した方もいるかもしれませんね。小児科医で新型コロナ分科会のメンバーでもある岡部信彦さんは、BuzzFeed Japan Medicalの取材に、こんな風に説明しています。


《「接種勧奨」は、国と自治体に対して課される義務で、「努力義務」は、本人や保護者に対して課される義務と考えるとわかりやすい 》

《 つまり、自治体としては、「できるだけ接種できるように環境を整えます。費用はかかりません。万一の事故には国の救済制度があります。接種は〇〇でできます」と、接種対象者に伝えることを自治体の義務として行います 》

《 一方、接種を受ける側(5~11歳の子供さんの保護者など)は、体調やもともとの病気の有無だけではなく、「少し様子を見ようか」「まだ時期ではない」「漠然とした不安があるので気が進まない」といった理由で見合わせることが問題なくできることになります 》


ユージ:つまり、無理して打たなくてもいい、ということですか?


神庭さん:そういうことですね。大人と判断基準は違っていいですし、「とにかく打たなきゃ!」と慌てる必要はありません。「第6波は学校でも流行っているし、ノーガードは怖いな」と思うなら打てばいいし、「もう少し様子を見たい」でもいいと思います。
基礎疾患や肥満があって重症化リスクが高いお子さんや、先々の受験や修学旅行などの大事なイベントを控え、念のため打っておきたい…という場合は、積極的に検討してみても良いのではないかと思います。
打つことのメリット/デメリット、打たないことのメリット/デメリットがありますから、それぞれをお子さんとよく話し合って、親子でしっかり「納得」したうえで、その選択をしてほしいと思いますね。


ユージ:そうですね。これは決して強制ではありませんから、いま神庭さんがおっしゃったように、親が考えるのはもちろんですけれど、一度お子さんにも相談してみて、「分かる」「分からない」は別にして、本人の意見を一度聞いてみるというのもすごく重要かなぁ、と僕は思いましたね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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