2023.10.31
「持続可能な医療」を目指して
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは、
サスメド株式会社 代表取締役社長の上野太郎さんです。
上野太郎さんは、東北大学医学部を卒業後、
都立病院での研修や大学院などを経て、
2015年にサスメド株式会社を創業されています。
今週は事業についてうかがいます。
サスメドという会社名の由来は何でしょうか?
「サスメドというのは英語のSustainable Medicine の略で、
持続可能な医療をビジョンに掲げています。」
「持続可能な医療」というのはどういうことでしょうか?
「私自身医師としてのバックグラウンドがあるんですが、日本の医療現場を見ていて、このままでは持続可能ではないのではないかという危機感を覚えまして、その課題解決のためにサスメド株式会社を2015年に立ち上げたという形になります。特にコロナ禍の中、医療従事者の方々が非常にご尽力されて、現場にかなり皺寄せがかかって今の医療が成り立っていたり、国の医療費についても高齢化が進む中で効率化が求められるのではないかと思っています。」
主な事業内容が「治療用アプリの開発」というものだそうですが、これはどういった事業なのでしょうか?
「病気を治すアプリというものが海外でも使われ始めているのですが、私たちは不眠障害や乳がん、腎臓病などの患者さんに対しての治療用アプリの開発をしています。」
治療用アプリというのはどのようなものなのでしょうか。
「今現在もヘルスケアのアプリというのはたくさん出ていますが、そういったものはあくまで健康な方のヘルスケアチェックになります。私たちが開発しているのは、お薬と同じように病気を治す目的で使われるものになります。」
どうやって医療用アプリで治療を行っていくんですか?
「たとえば不眠症については、今は睡眠薬のイメージが強いですが、不眠症の原因として、患者さんご自身の行動や考え方の歪みがあるということがわかっていて、そういった部分に対してアプリを通して患者さんの行動や考え方に対してカウンセリングのおようなものを行い、歪みを修正してあげることによって治療につながる問いものになっています。今までだと週に1回病院に行ってお医者さんのカウンセリングを受けるだったのが、患者さんご自身のスマートフォンにアプリが入っているので、自宅にいながら治療を受けれるという形になっています。医療用アプリといっても国が認めたものでないといけないので、当然有効性や安全性を証明しなければなりませんが、私たちは治験を行なって、実際に不眠症が治せることを示した上で承認をいただいております。」
開発に時間はかかりましたか?
「私たちは8年ぐらいかけて、やっと承認を得ることができました。」
今後チャレンジしていきたい分野などはありますか?
「医療にインパクトのある分野のアプリ開発はやりたいと思っていて、たとえば腎臓病の患者さんは進行してしまうと透析になってしまうので、それを治すためのアプリや、最近では製薬メーカーの方との共同開発で、耳鼻科のお薬メーカーさんと耳鳴りのためのアプリを開発していたり、産婦人科の方たちとも共同開発を開始しています。」
最後に、これまで乗り越えてきたハードルを教えてください。
「治療用アプリというもの自体が非常に新しい、前例のないものでしたので、そういったものの開発の仕方で道を作ってきたことや、先ほどお話しした治験にたくさんのコストと時間がか片野で、そのハードルは高かったなと思います。」
サスメド株式会社 代表取締役社長の上野太郎さんさんでした。ありがとうございました!