三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2024.12.03

ケアの仕事を日本の産業として誇れる世の中に

株式会社クラウドケア
代表取締役CEO
小嶋潤一さん
自費の訪問介護ヘルパーのサービスを展開



ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週と来週のゲストは株式会社クラウドケア代表取締役CEOの小嶋潤一さんです。小嶋潤一さんは大学卒業後、様々な会社で経験を積み2011年に入浴中心のデイサービス事業を行う会社を設立。介護現場で経営を経験した後、2016 年にクラウドケアを創業されています。

先週は主な事業について伺いました。訪問介護や家事生活へのマッチングプラットフォーム『クラウドケア』を展開されています。介護保険制度では賄えない介護ニーズとヘルパーさんをマッチングし、介護保険外の訪問介護、家事、生活支援サービスを提供されています。今週は起業される前後についてお話を伺います。小島さんは大学を出た後、いろんな会社を経験されたということなんですが、具体的にどんなお仕事をされたんでしょうか?

「基本的にはIT業界で、インターネット広告ですね、当時はそう言ってたんですけど、デジタルマーケティングに携わる代理店だったりとか、実際に授業、ファッションeコマースの会社だったんですけどEコマースのサイトでデジタルマーケティングに携わったりとか、そういった業界で働いてきました。」

そして2011年に入浴中心のデイサービス事業を行う会社を設立されているということで、どうして介護の事業に進もうと思われたんですか?

「元々起業したいなっていうのは気持ちとしてあって、会社で働きながらも将来どの領域で起業するかを探していました。ちょうど2011年という年が、IT業界だとソーシャルゲームとかがブームで、そういった会社が脚光を浴びていたりとか、そんなときだったんですけど、自分としてはもっとイノベーションの余地があって、社会に貢献できる病気はないかなっていうふうに考えていたんですけれども、そこで高齢化社会というところで、介護領域がいいんじゃないかなと。課題も大きいですし、ペインも強いと思ったので、そこにまず飛び込んでみようというところでこの介護保険サービスですね、介護保険サービスをやる会社を立ち上げて、そこで実際に現場で働いたりとか、介護士さんのマネジメントをしたりとか、ゼロから手探りで始めたというところです。」

初めて飛び込んだ介護業界で見えてきた課題というのは何かありましたか?

「まず思ったのがやっぱり介護保険制度というのはセーフティネットがあるので何でもかんでもやってくれるわけではないというところがあって、お客様の高齢者の方のニーズに応えられてないっていう部分があるのかなと思いました。」

具体的にどういったところに不足を感じましたか?

「例えば僕とかだとデイサービスとかやってたんで送迎とかするんですけど、送迎すると、ちょっとお兄ちゃん、車止めてそこのコンビニに一緒に行って買ってよとか言うんですけどそれはやっちゃ駄目なんで、そういうことだったりとか、あとはおうちに着いた後、ちょっと家の中に入ってあれやってよとか、一緒にちょっと酒飲んでよとか言われるみたいなこととかにいろいろぶち当たって、介護保険外のサービスっていうのに市場性があるんじゃないかなと思って、それが発端でクラウドケアのビジネスのシードになったというところでございます。」

サービス開始当初はご自身もヘルパーとして行かれたんですね。

「その後クラウドケアを起業して、クラウドケアのサービスのマッチングで、最初登録ヘルパーさんもいなかったので、最初は私自身がヘルパーとして実際にお客様のところに訪問してサービスも提供して、マッチングで介護提供するっていうこともですね、課題とか、改善すべきポイントとかそういうのを勉強しながらですね、サービスを作っていたというところですね。」

クラウドケアのサービスは介護保険でのケアでは限界があるというのが前提ですが、原因というのはどんなところだと思われていますか?

「まずは介護保険サービスというのが基本的な単価が決められていて、できないことに関しては対応できないというところが一つです。もう一つは人手の問題というのがあると思っていて、実は他の業界と比べて介護士さんの平均年収が低いんですね。一方で社会的な課題ということでニーズが大きくて、人手を必要としていると。やっぱり今は介護業界の人手不足ということを言われていまして、なかなか介護士さんとして働くという方が集められない状況にあります。それはでもやっぱ集めていかないといけないと思っていて、今ニーズとして出てきてるのが、皆さんやっぱ副業で補ってる人が多くて、コンビニで働いたりとか全然関係ない業界で副業してアルバイトをしたりするんですけど、そこをスキルを活かして、副業したい、収入を得たいという方が我々のようなサービスを見つけてくださって、自分の介護スキルを生かしながら副収入という形で稼いで、通常の業界と同じぐらいの年収を得てですね引き続き介護業界で働いてもらってると。こういう巡回を作ることで、人手が少ないと言われてる中でも介護人材というのを増やしていったりとか、維持していったりとか、そういうことが僕はできると思っているので、そういった形で介護業界全体を盛り上げていきたいなと考えてます。」

これから介護業界盛り上がっていくために何が必要だと思われますか?

「まず働く方の多様性というところで、やっぱりどうしても介護する人がクローズアップされていると思うんですけど、一方でマネジメントする人だったりとか、介護の新しいビジネスを考える人だったりとか、そういった人も必要だと思うんですよね。そうしていけばやっぱり介護業界の給与が低いと言われてる中でやっぱ上げていけると僕は思ってまして、そうすれば様々な能力を持った人材というのが集まってくると思うので、おのずとこの業界が盛り上がっていくんじゃないかなと考えています。」

今外国人労働者の受け入れというのも議論にはなってると思うんですが、ヘルパーさんとしての外国人労働者の受け入れについてはどう思いますか?

「実際もう介護保険のサービスでは外国の方が働いてらっしゃいます。留学生もたくさん受け入れていて、介護福祉士の資格を勉強される方がいっぱいいらっしゃいますので、それは全然現場で働いて頑張っていただければ僕はいいんじゃないかなと思ってます。一方でクラウドケアでも外国の方っていうのも登録が徐々に増えていて、インバウンドで外国のお客様が旅行で日本に来て、ホテル滞在中に介護を受けたりとか、そういったニーズがやっぱりありまして、そのときに英語を喋る人に来てほしいとかあるんですよ。そういうときにですねやっぱり外国の方で介護スキルがある方がですね、副業で日本でクラウドケアで働くということが非常に意義のあることだと思うんで、そういった利用シーンを増やしていきたいと思っています。」

ヤングケアラーという問題も度々話題になっているんですが、このサービスを受けるのにはお金がないよとか、あと介護保険じゃなくて何か民間でできることみたいなことはあったりするんですか?

「介護保険でも当然ヤングケアラーの方を支援することは僕はできると思ってるんですけど、それだけでは足りないというところで、やはり自治体が行政と我々のような民間のサービスがうまく連携してサービスを提供できれば、今後ヤングケアラーの方にも支援ができるのではないかなと考えています。」

最後に、これからの夢を教えてください。

「我々の会社のミッションというのが、ケアを通して多くの人々を幸せにするということを挙げているので、介護を受ける方、そのご家族様、あとは働く人たち、皆さんが幸せになって、このケアの仕事を日本の産業として誇れる世の中を作っていきたいなと思っております。」

株式会社クラウドケアの小嶋潤一さんにお話を伺いました。ありがとうございました。


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