2025.04.15
音声×AIでベテランの話術へコーチング
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは、株式会社RevComm 代表取締役/CEOの會田武史さんです。
會田さんは三菱商事に入社し、自動車のトレーディング、海外市場の販売/マーケティングなどに携わり、2017年にRevCommを設立しています。
今週は主な事業内容について伺っていきます。
音声とAIを活用したコミュニケーションツールを展開しているということですが、具体的に教えて下さい。
「端的に申し上げると、音声コミュニケーションが生じる場所で、常に寄り添ってくれるような秘書やアシスタントかコーチみたいな存在だと思って頂ければと思います。」
音声が伴うというと、例えば電話のオペレーターなども該当しますか?
「仰る通りです。コミュニケーションが生じる場所って、3つあるんですね。電話、ウェブ会議、対面。ここで常に寄り添ってくれるような音声AIです。」
つまり企業向けのサービスということですね。例えばどんな悩みのある会社に有効なんでしょうか?
「MiiTel Phoneに関しては、電話など音声コミュニケーションをしている会社さんに提供していて、"売り上げを上げコストを下げる"ということに対して貢献しています。
売り上げを上げるで言うと、営業は話し方1つで売れるか売れないかって決まってきます。例えば話している速度の差、営業の世界でペーシングと言われるものがあるんですが、
早く話すと理解されず、遅く話すとイライラされて、まあ聞いてもらえなくなる。 これをAIがコーチングしてくれます。」
なるほど。そのAIのフィードバックは会話の後に行われるんですか?
「基本的には会話の後にフィードバックをしてくれます。あとはリアルタイムFAQというものがあって、
例えばお客さんが何か聞いてきた時に、こういうふうに答えたらどうですか?というのをアシスタント的に見せてくれます。」
すごいですね!会話の手元にはAIによるカンペを持つことができ、言葉に詰まった時には手元のカンペで回答の提案をしてくれると。
後輩の育成にも役立ちそうで、業務効率化に繋がりますね。
「活動量が足りない」という悩みには、ノンコア業務を"自動化"することで業務を効率化する、ということですが、これは具体的にはどのようなものでしょうか?
「我々は主に3つの観点で解析をします。何を話したのか、どのように話したのか、その結果どんな感情が発露したのか、の3点です。
ノンコア業務でいうと1つ目の"何を話したのか"。これまでは当事者間のやりとりを、担当者がシステムに入力し可視化しなければいけなかったのを、全てAIが行ってくれます。」
「教育に割く時間がない」という悩みに対しては、AI がセルフコーチングをサポートする。これはどういったことでしょうか?
「これまでどのような教育が行われていたかというと、例えば上司が裏側で聞いたり、隣に立ってもっとこういうふうに話したらいいよだったり。
これはやる方も嫌だし、やられる方も嫌だと。 双方にとって嫌だったんですが、これをAIが担い、例えばちょっと早く話しすぎたから、次回は少し遅く話してみたら?とアドバイスしてくれます。」
AIに言われるとあまり嫌な気がしないですね。人間だと違う感情が動いてしまうこともあるし。
「AIってすごくスマートで、まず褒めから入ってくれるんですよ。
ここがダメだよ、じゃなくてこうするともっと良くなるかもね、みたいな気持ちに寄り添ってくれます」
「MiiTel Phone」には他にも便利な機能があるんですね?
「リアルタイムFAQに加えて会話コーチングでは、もっとこういうふうに話したらいいですよというアドバイスを行ったり、
感情解析では、お客様がネガティブな気持ちになってますよとか、ポジティブなので今行きましょう、みたいなところを見せてくれます。」
キーワード自動認識というのは何でしょうか?
「コールセンターでいうと、最近注目されているカスハラですね。
お客様が攻撃的な言葉を言ったら、"ヘルプに入った方がいいかもしれないですね"と上司にアラートを出す。
また営業的なキーワードやキャンペーンワードを言っているかというモニタリングができます。」
すごいなぁ。そこにかける人員も削減できるし、なおかつ質も上がっていくから効率化で収益が増やせますね。
MiiTel Meetingsという機能はいかがでしょう?
「先ほど申し上げたのは電話ですけど、これをウェブ会議でもできるようにしようといったものです。
世間でよく使われるzoomやGoogleMeet、Teamsといったウェブ会議と連携して、そこで交わされた会話を
何を、どのように話して、その結果どんな感情が発露したのか、この3点で解析するといったサービスです。」
確かにコロナ禍以降、他社の人とウェブで会議する機会も増えましたよね。
MiiTel Call Center、こちらはどんなサービスでしょうか?
「コールセンター向けのサービスで、カスハラ対策や顧客満足度を上げるための話し方のコーチング、
またお客様が何を言ってるか、どんなクレームがあったのかを記録する作業を、全て自動的にAIがやってくれるというサービスです。」
とても強い味方ですね。実際「MiiTel Phone」は何社くらいが利用しているんですか?
「3000社ほどになります。」
どんな感想を届いてますか?
「売り上げが上がったり、実際にコストが下がって生産性が上がったというようなお声をよく頂いています。
いろんな業界にいろんな使い方でお声を頂いていますね。」
これまでの電話対応は職人技みたいなイメージがあって、ベテランの人は話術でお客さんのハートつかむみたいなイメージもあったんです。
この辺りの技術やノウハウは数値化できるものなんですか?
「そうですね、今までそこは当事者間でのコミュニケーションで完全にブラックボックスだったんですが、
AIが3点で解析、定量的に示してくれることによって、科学ができるようになっています。」
すごいことですね!日本語以外にも対応しているんですか?
「現在、日本語英語インドネシア語に対応していて、議事録の翻訳に関しては何ヶ国語でも可能です。」
最後に、これまで乗り越えてきたハードルを教えてください。
「やっぱり自分自身との戦いです。起業家から経営者に変わる等、いろんな変革を自分自身がしていかなきゃいけないので、そこが大変。」