2023.06.27
チョコレートの新たな常識を日本へ
ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週のゲストは、Minimal – Bean to Bar Chocolate - 代表、
株式会社ベースの山下貴嗣さん です。おはようございます。
山下貴嗣さんは大学卒業後、
経営コンサルティング会社に就職し、広くコンサルティングを経験。
その後、「Bean to Bar」というチョコレートに出会い、30歳で会社を辞め、
新しいチョコレートの製造物販ビジネスで起業。
「Minimal-Bean to Bar Chocolate-」を渋谷区富ヶ谷に出店し、
わずか3年でチョコレートの世界的品評会で入賞されています。
今朝は主な事業内容をうかがいます。 まず、チョコレートの製造法
「Bean to Bar」というのはどんな手法なんですか?
「Bean to Barは、カカオ豆から板チョコレートができるまでの全ての工程を自社で一貫管理して製造する製造スタイルになります。通常はクーベルチュールという製菓用チョコレートをメーカーやお店が買って最終的な製品になります。そのため、チョコレートの味わいや質は同じようなものが多く、食べ比べてもあまり大きな違いが出ません。そんな中、90年代後半にサンフランシスコで自分たちで豆から作るBean to Barというのが生まれて、それが2010年ごろにはアメリカ西海岸やヨーロッパに広がっていきました。」
Minimalではどのように「Bean to Bar」を行っているんですか?
「大きく分けて2つのステップがあって、まずは赤道直下の国に行って、日本伝統の発酵知識と技術を基に現地のカカオ豆生産者と何年にもわたり発酵実験や共同開発を行い、美味しいカカオ豆の生産に取り組みます。そして現地で発酵させてから日本へ輸送して、日本の工房でカカオの殻をとる過程を経て、最重要の焙煎のステップを踏んでチョコレートを完成させるという流れになります。」
山下さんはなぜ「Bean to Bar」に可能性を感じたんですか?
「Bean to Barのチョコレートは素材の味を活かすことができるので、日本の和食のように季節ごとの豆によって、チョコレートの味わいも変わってくるというところに面白さを感じました。」
カカオ豆などでよく言われるのはフェアトレードだと思うのですが、そこも意識はされていますか?
「Minimalで使っているチョコレートは全て、フェアトレード価格以上でカカオを買っています。最低でも市場価格の2倍か3倍で買って、農家に還元されるようにしています。」
最後に、これまで乗り越えてきたハードルを教えてください。
「日本ではチョコレートはなめらかで甘いという常識があったと思うのですが、その中でざくざくしていて香りが高いというところでその常識を乗り越えたというのが一番大きなハードルだったかなと思います。」
Minimal – Bean to Bar Chocolate - 代表、株式会社ベース の 山下貴嗣さんでした。来週もよろしくお願いします!